東都大学野球春季リーグでは、中央大(中大)が王者・青山学院大に0-8と完敗した。ドラフト1位候補の青学大・鈴木泰成投手にMLB3球団を含む15球団が視察する中で、ワンサイドゲームとなった試合にあってMLBのスカウト陣を注目させたのは、中大の2年生右腕、十川奨己投手(2年=立命館宇治)だった。8回からリーグ戦2度目となるマウンドに上がると、メジャースカウトのスピードガンで最速93マイル(約149.7キロ)を計測。2イニングを1安打2奪三振、無失点に抑え込む快投を披露し、MLBスカウトは2年後の候補に視線を向けた。
2メートルの視点から投げ下ろす「93マイル」
十川奨己投手がマウンドに向かうと、スタジアムにどよめきが広がった。メンバー表の197センチを上回る、本人曰く「今は2メートル」の身長、その高い打点から放たれる直球は、打者の目線からは想像を絶する角度でミットに突き刺さった。これまでの自己最速148キロを更新し、MLBスカウトのガンで150キロに迫る数字をマーク。カーブとフォークを織り交ぜ、強力な青学大打線を翻弄した。
十川奨己投手は「ベンチやブルペンの時から、投げ終わった先輩の東恩納(蒼)さんが声をかけてくれたので、投げやすい状況でした。前回は消化試合で先輩におんぶに抱っこ。今回は青山学院さんという相手のなかで、心意気や準備は前より良かったと思います(スポーツ報知)。」と、充実した表情で語った。
立命館宇治時代から注目の大神投手は、1年生だった昨春のリーグ戦デビューをしたものの、直後に腰痛を発症し約半年もの間、実戦から遠ざかった。「その間、地道に1個ずつ積み重ねてきたのがちょっとずつ形になっていると思います(スポーツ報知)。」と、体を作る時間にあて、この投球へと成長した。
日米のスカウトが絶賛「中大に行かねばなりませんね」
この日のネット裏には、国内複数球団に加え、MLBの3球団のスカウトが陣取ったが、十川投手の規格外のスケール感に対し、メジャースカウトからは感嘆の声が漏れた。「中大に行かねばなりませんね(スポーツ報知)。」
背が高いという要素を超え、192センチの体躯を器用に使いこなし、高い出力と制球力を両立させる姿は鮮烈に映った。清水達也監督(61)も、教え子の進化に「あれだけの上背があるし、角度もある。入ってきた時よりも10キロぐらい、球も速くなっている。頭がいいんですよ。すごく考えて自分でできる選手。期待したいと思います(スポーツ報知)。」と話している。
「打倒・青学」の急先鋒へ。戦国東都に現れた巨大な壁
青学大の初戦で圧倒的な投球を見せ、もしかすると3戦目には先発を任されるかもしれない。そのくらい、この日は完敗した王者にも通用する投球だった。十川投手は「そんなに先発したいとかはないんですけど、今、青山学院大学が戦国東都とは言えないくらいの成績を残されているので、絶対そこを倒す中で、戦力の大きい一部になればいいなと思っています(スポーツ報知)。」と話す。
青学大の鈴木投手は今年のドラフト会議でNPBのドラフト1位指名は確実で、MLBに持っていくのは難しいと思われる。その点、2年生の十川投手はそのスケールの大きさからもMLBの球団も好みそうなタイプであり、4年生までの2年間の間にMLBを意識させることができる可能性もある。MLB球団のターゲットは十川投手へと向けられそうだ。
【十川 奨己】 プロフィール
- 氏名: 十川奨己(そがわ・まさき)
- 所属: 中央大学(2年)
- 出身: 大阪府(河内長野市立東中-河南シニア-立命館宇治高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 200cm(または201cm)、90kg
- 主な特徴や実績: 200cmの超大型右腕。高校2年夏に甲子園出場。大学2年春の青学大戦で最速150キロ(93マイル)を計測し、2回無失点。腰痛を克服し、角度ある直球と高い野球IQで日米スカウトが注目する2028年ドラフト候補。







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