東都大学野球春季リーグでは、亜細亜大が東洋大に5-1に勝利、今秋のドラフト候補として注目される強肩強打の捕手・前嶋藍選手(4年=横浜隼人)が試合を決めた。1-1の同点で迎えた6回、2死満塁の絶好機で、公式戦初本塁打となる満塁弾を左翼席へと叩き込んだ。
「勝つという執念」が乗ったグランドスラム、初球を迷わず
前嶋藍選手にとって、この日は開幕カードで王者・青学大に連敗したチームの停滞感を打破するための大切な試合だと認識していた。6回、犠飛で同点に追いつき、なおも四球で繋いだ2死満塁。東洋大の先発・大坪廉投手が投じた初球、134キロの甘いカットボールを逃さず、最短距離で振り抜かれた打球は綺麗な弧を描いて神宮の左翼スタンドへと到達した。自身にとって記念すべき公式戦第1号が、これ以上ない最高の結果となった。
「先週からチームが苦しい状況で、なんとか勝つという執念でいった結果がバットに乗ってくれて、ホームランにつながったと思います。打った瞬間、いい打感だったので、入ったのかなというのがありました。初球から何が何でも振っていこうと思っていました。」と話し、ダイヤモンドを一周する際、何度も右手を突き上げ喜びを爆発させた。
守備でも5人の投手を巧みにリードし、東洋大打線をソロ本塁打による1失点、わずか1安打に封じ込めた。「まっすぐと変化球のコンビネーションだったり、バッターが変化球を張ってると思ったらまっすぐ投げたり。そこもストライクではなくボール球で入ったり。相手のバッターの様子を見て組み立てた結果です(日刊スポーツ)。」と話す。
広島スカウト部長が絶賛。守備の完成度とパンチ力を併せ持つ「扇の要」
昨秋は打撃で苦しんだが、この一振りですべてを払拭。元々長打力も評価ポイントの一つだったが、ついに神宮の舞台でそれを見せた。ネット裏で視察したNPBスカウト陣も、前嶋選手の「捕手としての総合力」に熱い視線を送った。
広島・田村恵スカウト部長:「捕球がうまいし肩も強い。投手に声もかけてのインサイドワークもいい。1打席目に見た時に、スイング良くなっていると感じた。あんな1発を打つとは思わなかった。」
千葉ロッテ・榎スカウトディレクター:「パンチ力がある。」
昨年は大学日本代表にも選出され、日米大学野球を経験。国際舞台での「1点」の重みを経験し、確実なキャッチングと二塁送球1.8秒台を記録する強肩、そしてパンチ力も見せたことで、今秋のドラフト会議において「上位候補の捕手」としての評価を確固たるものにしている。
「チームの結果が第一優先」、名門復活へ向けた主将の覚悟
リーグ戦初本塁打にも、前嶋選手は先を見ている。目指すは名門・亜大の王座奪還だ。開幕カードを落とした責任を感じており、次戦への引き締めも忘れない。「チームの結果が第一優先。チームの勝ちにこだわって、リードやバッティングでも力をつけて、勝ち点1を取りに行きたい。」
175センチと体は大きくないが、すべての面で能力を見せる前嶋選手の評価は、秋までにどこまで高まっていくのだろう。
【前嶋 藍】 プロフィール
- 氏名: 前嶋藍
- 所属: 亜細亜大学(4年)
- 出身: 神奈川県(川崎市立貝塚小-オセアン横浜ヤング-横浜隼人高卒)
- ポジション: 捕手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 175cm、84kg
- 主な特徴や実績: 2025年大学日本代表。強肩強打を誇る東都屈指の捕手。野村克也氏の「野村ノート」を愛読し、高いインサイドワークを誇る。2026年春季リーグの東洋大戦で公式戦初本塁打となる勝ち越し満塁弾。広島スカウトが絶賛する2026年ドラフト上位候補。











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