東都大学野球春季2部リーグは14日、等々力球場で第2週の2回戦が行われ、駒澤大が東京農業大を3-1で下した。今秋のドラフト上位候補に挙がる最速155キロ右腕、仲井慎投手(4年=下関国際)が、延長12回タイブレークまでも一人で投げ抜き、149球、10安打1失点で勝利した。9回には自己最速を3キロも更新する158キロが球場表示され、視察したNPB8球団のスカウト陣を震撼させた。
衝撃の158キロ、「9回からギアが上がった」
仲井慎投手はこの日、初回から150キロ台の直球を連発していたが、終盤にハイライトが訪れた。同点の9回、低めに投じられた直球が球場表示で158キロをマーク。仲井慎投手は「(自己最速は)155キロだったので、今日更新しました。ベンチに戻ってから言われました。低めのコースは球速が出やすいのかな(笑い)。九回から変化球の質が上がった感じがした」と話し、やや不安定な等々力球場のスピードガンではあるが、自己最速と認めた。
1-1で突入した延長10回からのタイブレークでも、その右腕に疲れの色は無く、11回には2者連続三振を奪うなど、140球を超えてもボールのキレが増していく。仲井投手は「ストレートと変化球を混ぜたら、タイブレーク以降は打たれる気がしなかった」と語り、149球目まで集中力を切らさず、最後まで一気に投げ切った。
「僕が2部に落としたから」、新魔球シンカーと香田監督が認めた成熟
仲井投手の心にあるのは、昨秋の入れ替え戦での投球だろう。自らの投球で立正大に2連敗、名門を2部へ降格させてしまった。「このスタイルじゃ勝てない。去年と同じ失敗はしたくない。僕が落としたので、僕が上げないと(デイリースポーツ)」という強い覚悟で、3年時までは力任せに直球で押すスタイルだったが、新たにシンカーを習得し、緩急と制球を意識した投球へと脱皮を遂げた。
香田誉士史監督も「3年生までは全部ピタピタに投げて三振を取りたいという理想を追い求めて、ボールが先行していた。速い球をぶん投げていたところから、今はちゃんとピッチングになって球を操れるようになっている。オープン戦でも良かったですが、今日でさらに一段階上がったかな(日刊スポーツ)。」と話す。球を操り、試合を支配する投球で、この日はタイブレーク12回まで投げ、スタミナの温存も可能にした。
NPB8球団スカウトが絶賛。「即戦力」と「フィールディング」への高評価
仲井投手は即戦力右腕のドラフト候補の一角として注目されている。この日もネット裏にはNPB8球団のスカウトが集結し、158キロという数字以上にその実戦力の高さを注視した。特に注目されたのは、長いイニングを投げても崩れないバランスと、投手としての総合力だ。
福岡ソフトバンク・永井智浩スカウト部長:「バランス良く変化球を投げていて、すごく実戦向きなピッチャー。」
阪神・吉野スカウト:「直球は走っているし、変化球でも空ぶりが取れる。」
横浜DeNA・河原スカウト:「フィールディングも抜群にうまい。」
守備面でも高い野球センスを見せる仲井投手に対し、スカウト陣は即戦力としての評価を確固たるものにしている。今秋のドラフト会議では早い段階で名前が呼ばれる可能性が高いと見られる。
「プロの世界へ」歩みを止めない駒大のエース、狙うは1部復帰
「プロの世界に行きたい(デイリースポーツ)」と断言する仲井慎投手。しかし今は、駒大を1部の舞台へ戻すことしかない。投手のキャプテンとして仲井投手が自らの投球で2部で優勝し、再びの舞台となる1部2部入れ替え戦で、昨年のリベンジとなる投球を見せたい。
【仲井 慎】 プロフィール
- 氏名: 仲井慎(なかい・しん)
- 所属: 駒澤大学(4年・投手の主将)
- 出身: 兵庫県(加西市立九会小-下関国際高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 177cm、83kg
- 主な特徴や実績: 最速158キロ(2026年4月計測)。高校時代はエース兼遊撃手として甲子園準優勝。大学進学後は2年時からリーグ戦登板。今春、球速を劇的に伸ばすと同時にシンカーを習得し、投球術に磨きをかけた。8球団スカウトが注目する2026年ドラフト上位候補。









コメント