仙台六大学野球春季リーグが11日に開幕した。昨春の大学日本一である東北福祉大は、宮城教育大に14-0の7回コールドで大勝し、王座死守へ向けて盤石のスタートを切った。今秋のドラフト1位候補に挙がる最速155キロ右腕、猪俣駿太投手(4年=明秀学園日立)が、自身初の大役となった開幕投手として、5イニングを被安打0、6奪三振、無失点のパーフェクトに近い内容でリーグ戦通算10勝目に王手をかける勝利を挙げ、マウンドで圧倒的な存在感を放った。中日にドラフト2位で入団した前エース・櫻井頼之介投手の背中を追い、さらに上にドラフト1位を狙う。
立ち上がりの課題を克服。初球150キロ超で示した「新エース」の自覚
猪俣駿太投手にとって、この開幕戦は自らの進化を証明する重要なマウンドだった。昨秋までは立ち上がりに慎重になりすぎ、リズムを崩す場面が目立っていたが、この日は初回から150キロを計測する剛直球を軸に攻めの投球を展開。3者凡退の最高の滑り出しを見せると、そのまま5回まで安打を一本も許さなかった。「いい入りができたことが今日一番良かったところです。1球目から強い球を投げられましたし、自分のやりたいことができました(日刊スポーツ)。」と、充実した表情で振り返った。
これまでは「探り探りで投げてしまっていた(日刊スポーツ)」という反省を活かし、序盤から全力で打者を圧倒するスタイルへの転換に成功。185センチの長身から投げ下ろされる150キロ超の直球とキレのある変化球のコンビネーションは、もはやリーグ戦のレベルを凌駕しつつある
中日・櫻井頼之介投手を超えるための「ドラフト1位」への誓い
猪俣投手の心を突き動かしているのは、昨年のエースであり、現在は中日ドラゴンズで活躍する1学年上の先輩、櫻井頼之介投手の存在だ。櫻井投手は昨春、大学日本一の立役者となり、秋のドラフト会議では2位指名でプロ入り。しかし、猪俣投手にとって衝撃だったという。「(桜井)頼さんでも2位だったので、それ以上にもっと何かをしなくてはいけないと思いました。経験者として自覚が芽生えました。自分が引っ張るという思いを持ちつつ、やるべきことはしっかりやっていきたいです(日刊スポーツ)。」
尊敬する先輩と肩を並べるだけでなく、それを超える存在になること。目標は「ドラフト1位」でのプロ入りだ。2年春からマウンドを経験し、最優秀投手などのタイトルも獲得してきたが、現状に満足する事はない。先輩が成し遂げられなかった「1位指名」という勲章を掴み取るための戦いが、ラストイヤーの開幕戦から始まっている。
155キロの「出力コントロール」が鍵
圧倒的な快投を見せた猪俣投手だが、プロを見据えた課題も明確に持っている。それは、試合終盤まで高いパフォーマンスを維持するためのスタミナ配分だ。「高出力を出し続ける分、最後はバテてしまうことがまだあるので、出力をコントロールする力をつけていきたいです。技術的なことを伸ばしつつ、根本的な体の強さも強化していきたい(日刊スポーツ)」と語る。ただ速いだけではない、打者の反応を見ながらギアを出し入れする「完成度の高い投手」への脱皮。その高い意識が、ドラフト戦線での評価をさらに確固たるものにしている。
全国制覇でも難しいドラフト1位でのプロ入りに、東北の剛腕がチャレンジする。
【猪俣 駿太】 プロフィール
- 氏名: 猪俣駿太(いのまた・しゅんた)
- 所属: 東北福祉大学(4年)
- 出身: 福島県(明秀学園日立高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 185cm、83kg
- 主な特徴や実績: 自己最速155キロを誇る東北球界屈指の本格派右腕。3年春までに最優秀投手とベストナインを2度獲得。2026年春季リーグ開幕戦で5回無安打無失点の快投。中日・桜井頼之介は大学の1学年先輩。2026年ドラフト1位候補。









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