春季高校野球関東大会は23日、千葉県のZOZOマリンスタジアムで準決勝が行われ、埼玉1位の浦和学院が東京1位の関東第一を7-0の8回コールドで撃破し、優勝した2022年以来、4年ぶりとなる決勝進出を決めた。今秋のドラフト候補に挙がる強肩強打の4番捕手・内藤蒼捕手(3年)選手が攻守を牽引、1-0の6回に左中間席へ高校通算11号となる豪快な2ラン本塁打を放つなど、3打数2安打3打点の大暴れを見せた。
嫌な流れを断ち切った一振りに「本当に気持ちよかった」
内藤蒼選手はこの日、1-0とリードしながら、相手の粘り強いディフェンスに膠着状態が続いていた6回表。無死二塁から直前の打者が送りバントを失敗して1死一塁となった場面で、打席が回ってきた。嫌な空気が漂うなかで内藤選手は初球の、内角低めに入ってきたスライダーを迷わずフルスイングし、打球は潮風を切り裂き、そのまま左中間スタンドへと突き刺さった。
「プロの球場でホームランを打てて本当にうれしかった。回っていて、正直に気持ちよかったです。自分があそこで打ってなかったら、後半もズルズル行って、相手の流れになった。自分がチームのためにホームランを打てたのは、成長できた部分(スポーツ報知)。」と話した。
初回の1死二、三塁では見事に先制のスクイズ(記録は野選)を決めるなど、この日だけで3打点をマークする大暴れ。相手のバッテリーを力と技で粉砕し、8回コールドの猛攻を一気に呼び込んでみせた。森大監督(35)も「あの一発が流れを変えた。攻守ともに成長を感じられる」と評価した。
外野手から「正捕手」へ登り詰めた努力
内藤選手は中学時代までは長野県佐久市で育ち、高校進学の際にあえて親元を離れて埼玉の浦和学院を選んだ。「向こうから来てほしいというよりは、自分から来たいと。埼玉で、高校の数が多い中、勝ち切って甲子園に行きたい。挑戦したい思いで来た。」と話し、厳しい環境での成長を望んだ。
入学当初は外野手だったが、地肩の強さを見抜いた首脳陣によって捕手にコンバートされる。しかし、キャッチングやリード、配球論といった、捕手ならではの壁にぶつかる日々が続いた。それでも、内藤選手は地道な肉体改造に着手。徹底したウェートトレーニングにより、体重は入学時の76キロから12キロ増の88キロへスケールアップ。泥だらけになってマスクを被り続け、名門の正捕手としての技術を磨き上げてきた。
森監督も「1年間でキャッチャーとしてここまで来た。すごく努力家。もがきながら、うまくいかなかったことの方が多かったんですけど、ようやく実になってきている。」とその努力を評価する。
憧れは山瀬慎之助、進路は「プロ一本」
内藤選手は既に「プロ一本」を表明している。憧れの選手には、圧倒的な強肩を武器とする山瀬慎之助(巨人)を挙げ、「肩を生かしてアピールするところが一緒。憧れています(スポーツ報知)。」と話す。
また、1学年上には昨秋のドラフトで巨人に6位指名された藤井健翔選手がいた。その背中を最も近くで見てきたことで、「生で見て、プロ級の選手はこうなんだなと肌で感じた。一緒にできて、自分の中でも大きかった(スポーツ報知)」と、プロ入りのための道標としている。
捕手としても二塁送球は1.9秒台を安定して記録する。そしてこの日は、前の試合でやや不安定さも見せた149キロ右腕の西村虎龍投手を好リードし、2人の投手で無失点完封リレーを完成させた。
24日の決勝戦。対戦相手は、最速154キロ右腕・織田翔希投手などを擁する横浜高校だ。昨春の関東大会では2-3で惜敗している因縁の相手でもある。プロ注目選手の集まるチーム同士の対戦で結果を出してアピールしたい。
【内藤 蒼】 プロフィール
- 氏名: 内藤蒼(ないとう・そら)
- 所属: 浦和学院高校(3年)
- 出身: 長野県佐久市(佐久市立浅科中-佐久長聖中出身)
- ポジション: 捕手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 181cm、88kg
- 主な特徴や実績: 遠投110メートルの強肩と、高校通算11本塁打(2026年5月現在)を誇るプロ注目捕手。入学後に外野手から捕手へ転向。徹底した増量とトレーニングで4番を任されるスラッガーに急成長。今春関東大会準決勝で2ランを放ち、守っても2投手完封リレー。進路はプロ志望を明言している2026年ドラフト候補。











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