関西学生野球春季リーグ戦の最終節1回戦がわかさスタジアム京都で行われ、立命大は同大に延長11回の末、3対4でサヨナラ負けを喫した。今秋のドラフト上位候補に挙がる最速151キロ左腕のエース・有馬伽久投手(4年)が先発登板し、今春最長となる10回2/3を投げ抜く140球の熱投を披露したが、最後はサヨナラ本塁打を浴びて完投負けとなった。しかし、ネット裏に集結したNPB10球団のスカウト陣からは、その高い実力を絶賛する声が相次いだ。
打者21人連続無安打の快投、延長11回2死まで続いた140球の粘投
伝統の「同立戦」は、既に関西大の優勝が決定した中で行われたが、意地と意地がぶつかり合う凄まじい投手戦となった。先発マウンドに上がった立命館大のエースの有馬伽久投手は、雨中のマウンドながら立ち上がりから腕を振り、初回にこの日最速となる148キロの直球をマークして好調な滑り出しを見せた。
中盤に失点を許したものの、5回表1死一塁の場面で走者を出して以降は、直球主体に組み立てを切り替え、6回以降は完全に主導権を握り、延長11回2死まで打者21人連続無安打に抑え込む快投を演じた。しかし、3対3の同点で迎えた延長11回2死ランナー無しから、この日の140球目となった直球を同大の影山智紀選手(4年)に捉えられ、打球は無情にも右翼フェンスを越えてサヨナラ本塁打となった。
10回2/3を投げ、9安打4失点(自責3)で敗戦投手となった有馬投手は、「9安打で4失点だから自分の責任です」(スポーツ報知)と厳しい表情を見せつつも、「自分の直球を投げるための練習の成果は出せた」(スポーツニッポン)と話した。昨秋に明治神宮大会で10者連続奪三振という圧倒的な投球を見せていたが、今季は開幕戦から調子が良くなく、球速も昨秋よりも落ちていて、成績も防御率2.53(42回2/3で自責点12)と消化不良のシーズンとなった。
しかし、試合のなかった直近の2週間で徹底的な走り込みを行い、投球フォームの肉体的な土台を作り直した。有馬投手自身も「下半身が安定でいい感覚で投げられました」(スポーツ報知)と話し、復調の兆しを感じていた。
NPB10球団のスカウトが熱視線、巨人は長野久義参与ら8人態勢で高評価
スカウトも今年のドラフト1位候補と評価し、これまでも何度も視察に訪れていたが、今季最終登板と見られるこの日も、ネット裏にはNPB10球団のスカウト陣が集結した。阪神が畑山統括スカウト、東編成ディレクター、岡本スカウトの3人で視察をしたほか、巨人は長野久義編成本部参与を含む8人の大所帯で視察するなど、注目度の高さを裏付けた。敗戦投手にはなったものの、各球団スカウトからの高評価は一切揺るがなかった。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「この春、一番良かったと思う。直球がきていたし、投げっぷりもいい。真っすぐも強いし、スライダー、カットボールもいい。変化球の切れはまだまだ上がってくるだろうし、秋が楽しみです。こんなもんじゃないと思いますから」
課題と収穫を糧に、圧倒する秋へ
最終節での力投は、敗戦の悔しさとともに確固たる成長の道標となった。リーグ優勝を逃し、自らの春の成績にも「もっとレベルアップしないといけないと思った」(スポーツニッポン)と厳しく向き合う姿勢は、さらなる進化への原動力となる。
不調だったものの、侍ジャパン大学代表では左のエースとして期待されていたと思われ、選考合宿に招集されるかもしれない。代表に参加するかをまずは注目される。たとえ今の調子でもドラフト1位で指名する球団はあると思うが、秋のリーグ戦で本来の投球を見せてくれれば、1位指名競合クラスとしてドラフト会議を迎える事になる。
【有馬 伽久】 プロフィール
- 氏名:有馬 伽久(ありま・がく)
- 所属:立命館大学(4年)
- 出身:奈良県田原本町(平野パイレーツ - 田原本中学校軟式野球部 - 愛工大名電高校出身)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 身長・体重:175cm、80kg
- 主な特徴や実績:自己最速151キロ。愛工大名電高では2年秋からエースとして背番号1を背負い、甲子園に2度出場。立命大進学後は1年春からリーグ戦に登板し、3年秋の明治神宮大会では大会記録となる「10者連続三振」の快挙を成し遂げて全国にその名を轟かせた。50メートル走6秒3の高い身体能力に加え、鋭いスライダーやカットボールを操る今秋ドラフト上位候補の世代屈指サウスポー。











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