春季北海道高校野球大会の1回戦が札幌モエレ沼公園野球場で行われ、5年ぶりの優勝を狙う札幌日大高が3対2で駒大苫小牧高に勝利し、準々決勝進出を決めた。この試合で先発した最速144キロ右腕のエース・石川瑛二朗投手(3年)は、9安打を許しながらも144球の熱投で、公式戦で自身初となる9回完投勝利を挙げた。
指揮官が課したタフになるための完投指令
札幌日大高の背番号1を背負うエースの石川瑛二朗投手は、この試合の約1週間前に、森本琢朗監督から「札幌日大が同点、またはリードしている時は継投させずに完投させる」(スポーツ報知)と伝えられていた。まだ公式戦で完投をしたことの無い石川投手にとって、大舞台でしかも接戦の中で完投を指令されるという、過酷な条件を課されての登板だった。
監督の意図は、「春の全道を夏につなげるためには、石川がタフになることが絶対条件。責任を背負わせて投げさせたい」(スポーツ報知)という指揮官の強い期待によるもので、石川投手もこれに意気に感じ、強い思いを持って大一番のマウンドに上がった。
満塁の窮地を連続三振で凌ぎ、直後の決勝弾を呼び込む熱投
試合は、監督が伝えた通り緊迫した展開となった。石川投手は3回に先制を許したものの、4回以降はこれまでの直球主体からカーブなどの変化球を多く交ぜる組み立てに切り替え、駒大苫小牧高打線に的を絞らせなかった。
最大のピンチは、2対1と1点リードで迎えた8回裏。同点に追いつかれ、なおも1死満塁と一打逆転の窮地に立たされた。しかし、ここで森本監督は「終盤代えたかったんですけど、乗り越えて欲しかった」(スポーツ報知)と事前の予告通り続投させる。エースもここで期待に応え、渾身の投球で後続の打者から2者連続三振を奪い、絶体絶命のピンチを執念で切り抜けた。
この熱投が直後の攻撃を呼び込んだ。9回表、札幌日大高は3番の川合黎選手(3年)が値千金の決勝ソロ本塁打を放ち、勝ち越しに成功。その裏、1点リードの2死一塁の場面で、石川投手は144球目となる最後の1球で打者を遊ゴロに打ち取った。強豪のライバル校との激闘を制した完投勝利に、石川投手は「意識せずに勝負した。苦しい展開でしたけど、要所要所で気持ちで抑えることが出来た」(スポーツ報知)と安堵の表情を見せながら振り返った。
試練を乗り越えて成長したエース、目指すは夏の頂点
試練を見事に乗り越えた石川投手は、これでまた成長をすることだろう。チームは28日の準々決勝で、センバツ甲子園に出場した北照高と対戦する。高い壁に挑むこととなるが、石川投手は「強い相手だけど、やることは変わらない」(スポーツ報知)と話し気持ちを引き締めた。
144キロ右腕がこの夏までにどこまで成長していくのか、注目したい。
【石川 瑛二朗】 プロフィール
- 氏名:石川瑛二朗(いしかわ・えいじろう)
- 所属:札幌日本大学高校(3年)
- 出身:北海道苫小牧市(苫小牧市立ウトナイ中学校 - 苫小牧ボーイズ出身)
- ポジション:投手
- 投打:右投左打
- 主な特徴や実績:最速144キロ。公式戦初完投を駒大苫小牧高を相手に144球で達成した札幌日大高の背番号1。森本監督から「リード時は継投なしで完投させる」という試練を課され、1死満塁の危機を連続三振で切り抜けるなど、精神面でも大きく成長を遂げた。苫小牧ボーイズ時代には全国大会初勝利を挙げるなど、早くから頭角を現した2026年ドラフト候補右腕。









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