都市対抗野球東海地区2次予選は8日、第3代表決定トーナメント1回戦が行われ、東海理化が三重高虎B・Cに13-1で7回コールド勝ちを収めた。この試合で、プロ注目の福本綺羅外野手(21歳)がランニング本塁打を含む2安打2打点の活躍。昨年5月に負った右膝前十字靭帯と半月板損傷という大ケガを乗り越え、ドラフト戦線への再浮上した。
大ケガ乗り越え復活のランニング弾!「球をしっかりと見る意識で」
1番・中堅で先発出場した福本綺羅選手がこの日、2回2アウトランナー無しの場面でセンター前ヒットを放つと、続く3回2死二塁のチャンスでは、センターの頭上を越えるランニング本塁打を記録した。
「西濃運輸戦の内容が悪かったので、この2日間で状態の良かったときを振り返ってきた。打ち気に走っていた部分があったので、球をギリギリまでしっかりと見る意識で臨みました」と話し、状態を確認して調整して臨んだこの試合で結果を見せた。
ドラフト解禁年の悪夢「心が折れた」大ケガからの再起
福本選手は明石商時代にスピードのある選手として注目され、直接社会人野球の東海理化に進むと、2023年の都市対抗本戦で打率5割を記録し若獅子賞を受賞した。
しかし順風満帆に見えた野球人生だったが、ドラフト解禁年だった高卒3年目の昨年5月、右膝の前十字靭帯と半月板を損傷する大ケガに見舞われた。「病院に行くまでは、血抜いたら大丈夫ですよ、ぐらいであってくれと願っていたのですが。診断名を聞いたときに、正直これはやばいな、と思い心が折れた。だけど、そうやって落ち込んでいても結局は一緒なので。1週間ぐらいですぐに切り替えました」と、当時を振り返る。
辛いリハビリ期間では、体幹強化を強化するなど体を鍛え直し、体重は5キロ増の92キロになり、一回り大きくなった。
プロ入りに強い意思を盛っている。3年間でドラフト指名解禁となる社会人野球に進んだのもそのためだ。それでも「プロに行きたい気持ちは、めちゃくちゃある。だけど、気持ちが先走りすぎて結果を求めるような打撃になってはいけない。自分のスタイルを貫いていきたいです」と話し、強い想いを持ちながらも、まずは冷静に自分のプレーを見せると決めた。明石商業時代の恩師である狭間善徳監督から「今を生きろ!」という言葉を送られたが、まさに、眼の前のプレーに集中することを積み重ね、それがプロ入りへとつながっていく。
3年連続8度目となる都市対抗本戦出場、そしてその先のドラフト指名へ、福本選手の挑戦は続く。
福本綺羅選手 プロフィール
- 氏名:福本 綺羅(ふくもと ひかる)
- 生年月日:2003年12月30日
- 出身地:兵庫県姫路市
- 経歴:高岡西カントリーズ(小3) – 高丘中学校(軟式野球部) – 明石商業高校 – 東海理化(4年目)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:179cm・92kg
- ポジション:外野手
- 主な特徴や実績:高いミート力が武器のプロ注目外野手。2025年都市対抗東海地区2次予選でランニング本塁打を含む2安打2打点を記録。2023年都市対抗野球大会では打率.500で若獅子賞を受賞。2024年5月に右膝前十字靭帯・半月板損傷の大ケガを負うも、リハビリを経て復帰。明石商業高校では1年秋からベンチ入り。東海理化入社4年目。

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