関西六大学野球春季リーグでは、大阪商業大が龍谷大を2-0で下した。昨秋の王者でありながら開幕節で勝ち点を落とす苦しいスタートとなった名門を救ったのは、故障から帰ってきた二人のドラフト候補だ。最速149キロ左腕の星野世那投手(4年=近江)が2年春以来となる4安打完封で今季初勝利を挙げれば、開幕直前の捻挫で出遅れていた主将の春山陽登外野手(4年=敦賀気比)も今季初スタメンで2安打1盗塁の大活躍。ネット裏には阪神が2人態勢を敷くなどNPB5球団のスカウトが集結し、王座奪還に向けた主役たちが出揃った。
104球の「省エネ」完封劇!星野世那が左肘痛を乗り越え見せた修正力
星野世那投手は昨秋にエースとして期待をされていたが、左肘痛の影響で登板わずか1試合に終わっていた。エース不在が響きチームも8連覇を逃す悔しさを味わった。今春の初戦(大経大戦)でも5回3失点と本来の姿ではなかったが、この日は違った。最速145キロの直球を軸に、カットボールやチェンジアップを低めに集める丁寧な投球。8回までわずか2安打に抑え、9回に2死二、三塁のピンチを招いたものの、最後は落ち着いて二ゴロに打ち取った。
星野世那投手は「ストライク先行の投球で攻撃へのリズムをつくることを意識していました。体力に余裕があったことが一番の要因かなと思います(スポーツニッポン)。」と振り返った。前回の乱調から104球の完封という形で、即座に修正してみせた左腕に対し、この日視察した5球団のスカウトも評価を示した。
阪神・岡本洋介スカウト:「球の走りもいいし、変化球から制球まで良かった。うまく投球していると感じました。」
不屈の主将・春山陽登、負傷を乗り越え「3番・DH」で全得点に絡む
打の主役は主将の春山陽登選手だ。今春の開幕直前に右足首を捻挫し、開幕戦当日にも再び捻って悪化させるという不運に見舞われた。「めちゃくちゃ歯がゆかったです(スポーツ報知)」という想いを抱え、これまでは代打での出場に甘んじてきたが、この日ついに今季初のスタメン入りを果たした。
初回に死球を受けて先制のホームを踏むと、3回には左前打を放ち二盗も決める激走。7回には富山陽一監督(61)の「もっと後ろに立て」という助言を即座に実行し、2点目の起点となる左前打を放った。春山選手は「死球は怖くない。死球オッケーぐらいの内角球か外角スライダーで攻められることは分かっている。監督さんからの指示で後ろに立ち、長く見えて余裕ができました。」と話し、強気な姿勢を貫いた。
阪神・岡本スカウト:「スイングが強い。長打力が魅力。」
侍ジャパン大学代表候補の実力は既に証明されている。スカウトも大学トップクラスのスラッガーの復活で、これから今年のプレーをチェックをしていく。
大経大への敗戦から誓った不退転の決意
大商大は開幕の大阪経済大戦で1勝2敗と負け越し、勝ち点を落とした。春山主将は敗戦直後、ナインを集めて「これはリーグ戦だが、トーナメントだ。一戦も落とせない気持ちでやろう(スポーツ報知)」と話し、一戦必勝の姿勢を見せた。
富山監督は「明日から(春山は)守備にもいける」と話し、この日出場したDHではんく、守備でもちーむを引っ張る姿を見せる。星野投手・春山選手の投打の柱が復活し、王者・大商大の歩が強くなったのは間違いない。
【星野 世那】 プロフィール
- 氏名: 星野世那(ほしの・せな)
- 所属: 大阪商業大学(4年)
- 出身: 滋賀県(仰木スポーツ少年団-草津リトルシニア-近江高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 179cm、78kg
- 主な特徴や実績: 最速149キロを誇る本格派左腕。近江高時代には3年春夏の甲子園に連続出場。大学2年秋に最優秀防御率を受賞。昨秋の左肘痛を乗り越え、2026年春季リーグの龍谷大戦で104球完封勝利。阪神など5球団が注目する2026年ドラフト候補。
【春山 陽登】 プロフィール
- 氏名: 春山陽登(はるやま・あきと)
- 所属: 大阪商業大学(4年・主将)
- 出身: 奈良県(高田イーグルス-五條リトルシニア-敦賀気比高卒)
- ポジション: 外野手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 177cm、90kg
- 主な特徴や実績: 大学日本代表候補。2年秋の神院大戦でリーグ史上初の1試合3本塁打を記録した圧倒的な長打力が武器。右足首の故障から復帰し、2026年春季リーグ初スタメンで2安打1盗塁。強靭なメンタルと高いキャプテンシーを兼ね備える2026年ドラフト上位候補。













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