関西学生野球春季リーグは4日、ほっともっとフィールド神戸で第5節の1回戦が行われ、昨秋王者の立命館大(立命大)が、現在首位の関西大(関大)を4-2で破り、先勝した。立命大の最速151キロ左腕、有馬伽久投手(4年=愛工大名電)と、関大の149キロ左腕・米沢友翔投手(4年=金沢)の投げ合いということもあり、ネット裏には日本ハムの栗山英樹CBOらNPB12球団24人のスカウト陣が詰めかけ、今秋のドラフト会議の目玉候補となる両左腕による投げ合いを注視した。
有馬伽久投手執念の134球完投、「悪くても粘る」エースの投球
有馬伽久投手は今季はまだ昨年のような調子を取り戻せていないが、初回に147キロをの速球などで無難な立ち上がりを見せた。しかし、中盤にかけて制球を乱し、計7つの四死球を与える苦しいピッチングとなり、6回には味方の失策も絡んで逆転を許した。
それでも、そこからが「世代No.1左腕」の真骨頂だった。「1点与えても2点目は与えないと気持ちを切り替えた(スポーツ報知)。」と語る通り、追加点を許さずスコアボードに「0」を並べ続けた。片山監督も「(有馬の状態は)7割くらい。キャンプでケガをして出遅れたが、ウチのエースですから代える気はなかった。8回に味方が点を取って、9回はギアが変わりました(スポーツ報知)。」と話し、四死球でランナーを背負いピッチンが続いたものの続投をさせた。
9回に再び球威を取り戻して無失点に抑え、9回134球を投げて5安打2失点と粘りの投球で、チームも4−2で勝利した。有馬投手は「感覚とすれば、全然良くなかったですけど、粘れて勝てたのでそこは成長を感じています(スポーツ報知)。」と、白星に安堵の表情を見せた。
米沢友翔、149キロ計測も8回に暗転。痛恨の悪送球に「焦ってしまった」
対する関大の米沢友翔投手は、初回から自己タイの149キロをマーク。7回まで3安打1失点と、有馬投手を凌ぐほどの支配的な投球を見せていた。しかし、2-1とリードして迎えた8回、連打で同点に追いつかれて、なおも無死一、二塁のピンチ。三塁線へのバントを素早く処理したが、三塁への送球が逸れて勝ち越しを許した。
ここでマウンドを降りた米沢投手は「(悪送球は)ゆっくりステップして投げたら確実にアウトにできたのに。焦ってしまった。何とか粘りたかったところで悔しい結果になった(スポーツ報知)。」と話す。そして、有馬投手との投げ合いについては、「意識せずチームの勝利しか考えていなかった(スポーツニッポン)。」と話した。
日本ハム・栗山CBOら12球団が熱視線。「上位候補」の資質を再確認
このドラフト上位候補左腕対決となった試合には、ネット裏に複数人態勢を敷く球団が相次いだ。特に最多4人を派遣した北海道日本ハムは、栗山英樹CBOが直接視察。左腕の将来性に対して、高い関心を寄せた。
北海道日本ハム・栗山英樹CBO:「いいピッチャーであることは間違いない。(有馬は)ジャパンの候補合宿から見ている。これからのどういう過程を踏んで進化していくのか楽しみです。今がどのような状況かを確認したかった。刺激し合いながらどのような進化をするか。」
巨人・岸敬祐スカウト:「(米沢について)逆球が多かったのはあるけれど、ポテンシャルも高いし馬力もある。伸びしろも十分にある。(有馬について)いい時の状態に戻りつつある。要所を抑える勝負感もある(スポーツ報知)。」
実績の少ない米沢投手の投球の内容と、経験豊富な有馬投手の勝負強さを評価した。
有馬投手、王座奪還とプロ入りへ
立命大はこれで勝ち点獲得に王手をかけた。有馬投手は「残り全勝で行くしかない(スポーツ報知)」と、悲願のリーグ連覇、そして、昨秋に果たせなかった神宮の杜での頂点を目指す。一方、関大の米沢投手も、先輩・金丸夢斗(中日)から受け継いだ背番号21の誇りを胸に「21番らしいピッチングをしたい(スポーツ報知)」と前を向く。
【有馬 伽久】 プロフィール
- 氏名: 有馬伽久(ありま・がく)
- 所属: 立命館大学(4年)
- 出身: 奈良県(愛工大名電高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 175cm、80kg
- 主な特徴や実績: 最速151キロの本格派左腕。昨秋の明治神宮大会で10者連続三振。2026年春季リーグ関大1回戦で2失点完投。粘り強さとキレのあるスライダーが武器。12球団が注目する2026年ドラフト上位候補。
【米沢 友翔】 プロフィール
- 氏名: 米沢友翔(よねざわ・ゆうと)
- 所属: 関西大学(4年)
- 出身: 石川県(金沢高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 180cm、80kg
- 主な特徴や実績: 自己最速149キロ。今春、1安打無四死球13Kの準完全試合で初勝利。能登半島地震での被災や故障を乗り越えた「不屈の左腕」。中日・金丸夢斗の背番号21を継承。急速に評価を上げている2026年ドラフト上位候補。












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