東都大学野球春季リーグでは、王者・青山学院大が東洋大に4-3で競り勝った。今秋のドラフト1位候補筆頭に挙がる最速154キロ右腕・鈴木泰成投手(4年=東海大菅生)が先発すると、5回に同点に追いつかれる苦しい展開をはねのけ、9回137球、8安打3失点の完投勝利を挙げた。前日にプロ初勝利を挙げた1学年先輩の中西聖輝投手(中日)から届いたLINEのエールを力に変えたエースが、王者の意地を見せつける快投で今季3勝目を掴み取った。
9回に最速151キロ、「抑えのスタイル」への回帰が生んだ137球完投
前週の立正大戦で自身が2敗を喫し、勝ち点を落とした。鈴木泰成投手は、自らの投球を原点へと戻した。「昨年までの全球勝負、リリーフの時の“抑えのスタイル”にしました(日刊スポーツ)。」と話し、昨年までリリーフとして投げていた投球を、先発でも見せると話していた。
序盤は2者連続三振を奪うなど完璧な立ち上がりを見せる。5回に集中打を浴びて3点差を追いつかれたものの、ここで崩れないのが新エースの真骨頂だ。6回に味方が勝ち越すと、「頼むぞ」という仲間の声に呼応するようにギアを上げた。9回には1死一、二塁の窮地となったが、捕手の渡部海(4年=智弁和歌山)から「一人一人に全力でいこう、頼むぞ」と声をかけられると全球直球勝負で挑み、この日最速の151キロを記録して三塁併殺打に仕留めた。「体力はあると思うので。気持ちを入れていいストレートを投げられた(スポーツニッポン)。」と、137球目に込めた気迫が、東洋大の反撃を断ち切った。
中日ドラ1・中西聖輝からのLINE。「明日頑張って」の一言が最高の刺激に
鈴木投手の力投を支えたのは、名古屋から届いた吉報だった。前日の4日、昨年まで青学大のエースとして君臨した中西聖輝投手が、阪神戦で待望のプロ初白星を挙げた。鈴木投手はすぐさま祝福のLINEを送ったという。
鈴木泰成投手は「『おめでとうございます』と送らせていただいたら、『ありがとう。明日頑張ってね』と返事がきました。頑張らなきゃなと刺激になった。中西さんのように安心して勝たせられる、チームを安心させられるピッチングをしたい。」と話す。偉大な先輩の背中を追い、背番号18を受け継いだ男にとって、何物にも代えがたい追い風となった。
日ハム・山田顧問も「外角直球は素晴らしい」と太鼓判
ネット裏にはNPB各球団のスカウト陣が集結した。130球を超えても出力が落ちないスタミナと、勝負所での精度の高さに、改めて評価の声が上がった。
日本ハム・山田正雄スカウト顧問:「追い込んだ時の外角直球はやはり素晴らしい。それなりの評価になる(スポーツニッポン)。」
力感のないフォームから放たれる角度のあるボール。安藤寧則監督(49)も「合格点をコッソリあげたいかな。現状に満足せずに、もっと上を目指して欲しい(日刊スポーツ)」と、期待を込めた。
立正大に勝ち点を落とし、史上初の7連覇に向けて厳しい戦いとなっているが、安藤監督は鈴木投手に対し、「何回追いつかれても何回でも逆転してやるから」と熱く語りかけていた。その信頼に、137球の完投という最高の結果で応えたエース。「みんなが勝ち越してくれた1点を最後、粘り強くしのぎ切れたのは本当に良かった(デイリースポーツ)。」と話した。
【鈴木 泰成】 プロフィール
- 氏名: 鈴木泰成(すずき・たいせい)
- 所属: 青山学院大学(4年)
- 出身: 茨城県(ひたちなか市立田彦中-友部リトルシニア-東海大菅生高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 187cm、90kg
- 主な特徴や実績: 最速154キロ。大学3年時に大学日本代表入り。直球の回転数が非常に高く、空振りを奪えるのが最大の魅力。2026年春季リーグ東洋大戦で137球完投、今季3勝目を挙げた。中日・中西聖輝は大学の1学年先輩。日米15球団が注目する、2026年ドラフト1位候補。













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