北東北大学リーグでは富士大2年生の小野泰己投手がベールを脱いだ。折尾愛真高校時代にプロ7球団が注目した146km/h右腕は、再来年のドラフト候補としてすでに注目を集めている。
6回1安打8奪三振
小野泰己投手は183cmの体から高校時代にすでに146km/hを記録、野球ではそれほど強くなかった折尾愛真高校にあって、プロ7球団のスカウトが視察に来る注目の投手だった。しかし3年夏に右ひざを痛め、1イニングのみの登板で終わってしまい、プロ志望届を提出したもののドラフト会議で指名は無く、富士大へと進んだ。
この日は初球に最速の142km/hを記録すると、初回から飛ばして6回1安打8奪三振と青森中央大を寄せ付けず、チームも7回コールド10-0で勝利した。しなやかな腕の振りからのストレートは回転が良く、速球で空振りが奪える投手である。
巨人、北海道日本ハムのスカウト視察
この日は巨人、北海道日本ハムのスカウトが視察し、巨人・榑松スカウトは「非常に楽しみ」と話すと、北海道日本ハム・白井スカウトも「これからもっと良くなる」と話した。
183cmの大型右腕が2年目でまずは大学1勝を記録した。まずはその大きな体からのしなやかなピッチングを全国で見せたい。そうすれば自然と注目される投手になるだろう。
緊張はマウンドに立つと解けていた。「よいしょ!」の声とともに投げた富士大・小野の1球目はこの日最速の142キロ。その球で遊飛に打ち取ると、次の打者は空振り三振。豊田圭史新監督(30)の「初回から飛ばしていけ」との指示通り、腕を大きく振り140キロ台を連発した。そのまま6回まで毎回の8三振無失点と、堂々のデビューを果たした小野は「結果が良くほっとした」。豊田監督も「早く継投するつもりだったが、いい意味で予想外でした」とたたえた。
高校から最速146キロ右腕として注目を集めたが、3年夏の福岡県大会直前に右膝半月板を損傷。初戦で痛みをこらえ1イニング投げただけで最後の夏を終えた。手術を経て、大学1年目はBチームで実戦感覚を取り戻してきた。プロ入りへの思いは「常に持ってます」という。この日ネット裏で視察した巨人榑松スカウトは「非常に楽しみ」。日本ハム白井スカウトも「これからもっと良くなる」と高評価だった。高校時代かなわなかった夢のため、この1勝をスタートにする。
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