春季高校野球山梨大会は山日YBS球場で決勝が行われ、山梨学院が東海大甲府を2-1で下し、3年連続10度目の優勝を飾った。エースで主将、今秋ドラフト1位候補の菰田陽生投手(3年)は、今春の選抜大会での左手首骨折によりリハビリ中で、この日はスタンドから声を枯らして仲間を鼓舞し、県内21連勝となるV3を見届けた。悲劇のアクシデントから約1カ月半、復活は予想を上回るスピードで進んでおり、医師の許可を得て、ついにスローイングを再開している。
「肩が軽く感じた、医師のGOサインで始まったキャッチボール
菰田陽生選手はセンバツ大会の長崎日大戦で、衝撃の甲子園初本塁打を放った直後の守備で打者走者と交錯し、左橈骨遠位端を骨折。手術を経て、一時は白球を握ることすら叶わなかった。しかし、地道なリハビリが結実し、今月に入って待望の「スローイング解禁」を迎えた。菰田選手は「肩が軽く感じました。動かすこともできますし、ボールを捕ることも少しずつできているので、順調に進んでいます。ボール自体は普通に投げられるので、近い距離で捕って、遠く離れた距離を投げています。」と話す。
一時は75キロから20キロ前後まで低下した左手首の握力は、現在60キロ台後半まで回復。可動域も右手首と遜色ないレベルにまで戻りつつある。現在は打撃練習こそ控えているものの、ブルペン入りも間近に迫っているという。「夏は絶対に間に合うと思っているので、焦りはない(スポーツ報知)」と言い切る。
走り込みで手にした「新しい下半身」、投げられない時期を飛躍の糧に
菰田選手の不在の間、チームはさらなる進化を遂げていた。この日の決勝では、藤田蒼海内野手(3年)が同点適時打を放ち、雪辱を果たした。また、2年生左腕の渡部瑛太投手が公式戦初完封を飾るなど、主柱不在の逆境がナインを逞しくさせた。吉田監督も「菰田に頼っていたところから『俺たちがやらなきゃ』という気持ちになっていることが逆転につながった。一般の症例よりも回復状態は良いみたいですが、失敗させたくないので慎重に進めさせたい。」と話した。
菰田選手自身も、投げられない時間を無駄にはしなかった。関係者が「今までにないくらい走り込んでいる」と驚愕するほど下半身強化に没頭し、ポール間走を1日30〜40本こなし、短距離ダッシュを繰り返した。「夏を投げられる体力を作るため(スポーツ報知)」と、195センチ102キロの巨躯を支える土台をさらに強固なものへと作り替えた。技術的空白期間を肉体的進化の期間にした。春先はやや調子が良くなかったが、これがもしかすると、大きな飛躍につながるかもしれない。
目標は「甲子園優勝」、152キロ二刀流が誓う「夏への恩返し」
山梨学院は今春の優勝により、夏の山梨大会での第1シードを確定させた。これにより、全試合をコンディションの良い第1試合で戦える事になる。菰田選手にとっても夏の甲子園出場に最高の舞台が整った。目標とするプロ入りのためにも、そして何より自らの怪我で涙を飲ませた仲間のためにも、背番号1は最後の夏にすべてを懸けている。
「自分がチームに迷惑をかけている分、夏に取り返したい。甲子園では全ての試合が悔しい結果で終わっている。まずは絶対に甲子園に出場したい。最終的には甲子園で優勝して、成長した姿を見せられるようにしたい。」と話した。
更に強化された菰田選手と山梨学院ナインが融合した夏のチームが、どんなチームになるのかが非常に楽しみだ。
【菰田 陽生】 プロフィール
- 氏名: 菰田陽生(こもだ・はるき)
- 所属: 山梨学院高校(3年・主将)
- 出身: 千葉県(御宿町出身・千葉西リトルシニア出身)
- ポジション: 投手、内野手(一塁手)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 195cm、102kg
- 主な特徴や実績: 自己最速152キロ、高校通算35本塁打(2026年5月現在)。今春選抜1回戦で甲子園初アーチを放つも左手首を骨折。手術を経て5月にスローイングを再開した。驚異的な身体能力と回復力を誇る2026年ドラフト1位候補。兄は上武大の菰田朝陽。












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