大学野球選手権では、153キロ左腕として注目される星槎道都大の滝田一希投手が登板し、12球団のスカウトが視線を送った。
ドラフト候補対決
この日は大商大の上田大河投手とのドラフト候補対決となったが、滝田一希投手は序盤に勢いのあるストレートを投げ込み、大商大打線を封じる。4回を投げて3安打無失点の好投を見せていた。
しかし5回、制球が定まらなくなると、四球や自らのバント処理、投内連携の乱れなどを大商大に突かれ、押し出しの四球を与えるとマウンドで大きな声で悔しさを表し、そこで降板となった。5回6安打3奪三振で5失点、「支えてくれた人に本当に申し訳ない。高めに浮いたり、いらない四球で自滅してこういう試合になってしまった」と話した。
それでも中日のスピードガンで150キロを記録し、視察した12球団のスカウトからは高く評価する声が聞かれている。
北海道日本ハム・稲葉GM:「少し力んでシュート回転が前より多かったけど、自分の球を使えている。両サイドにしっかり投げていたし、あらためていい投手だなと思いました。地元だから頑張ってもらいたい。」
広島・苑田スカウト統括部長:「滝田君はチェンジアップがいい。体が強そうで、故障がなさそうなのも魅力です。ウチの大野の馬力があるところを思い出すよね」
巨人・水野スカウト部長:「大学生左腕の中では注目したい投手。力のあるストレートが投げられる」
東京ヤクルト・小川GM:「左投手で球威があって、スピードボールが魅力。チェンジアップがうまく使えている。ポテンシャルは非常に高いものを感じる」
中日・松永スカウト部長:「特にチェンジアップがいい。左投手で、ひとつひとつを見ればものはいい」
滝田投手は「体力が全然ないし、勝負できる球が少ない。コントロールをもう一段階、二段階くらい上げないといけない。全体的にレベルアップしないと」と話した。
フォーム、フィールディング、そして決め球となる球を磨くことなど、課題はいくつか挙がったが、代名詞である外角低めへのストレートの強さは十分見せつけた。将来性を評価した上でドラフト上位指名というイメージは、育成に自信のある球団を中心に思い描けた事だろう。
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