東京六大学野球春季リーグ第3週の1回戦が行われ、慶應義塾大が昨秋王者の明治大を3-2で下した。今秋のドラフト候補に挙がる慶大のエース左腕・渡辺和大投手(4年=高松商)が、9回134球を投げ抜き8安打2失点の力投。明大のリーグ戦連勝記録を「13」で止めるとともに、チームとして24年春から続いていた対明大戦の連敗を「8」で食い止めた。
134球のエースの投球、宿敵・明大打線を封じた「内角攻め」
渡辺和大投手は序盤の3回、2死一、二塁の場面で明大の主砲・榊原七斗選手にスライダーを捉えられ、右翼フェンス直撃の2点適時二塁打を浴びて先制を許した。しかし、ここから、「2点なら取り返してくれるので、これ以上の追加点はやらないようにしました(中日スポーツ)。」と真骨頂を見せた。4回以降はゼロ行進を継続。左打者が7人並ぶ強力な明大打線に対し内角の直球でえぐって、落差の大きいスライダーで9つの三振を奪ってみせた。
渡辺投手は「今日の勝利は特別です。この2年間、明治に勝ちなしだったので、1戦目で勝ったことはチームとしても僕としても非常にうれしい。明治に対して『ちょっと勝てないかな』と周りもチーム自身も頭の中にあった中での今日の1勝。粘り強く勝ったので本当に波に乗れるかなと思います。」と話す。9回2死、最後の打者を投ゴロに仕留めた際に見せた力強いガッツポーズに、思いが込められていた。
週5回のブルペン入り、妥協なき調整
この冬に、自らを徹底的に追い込んだ。昨年春の東大戦での完封勝利以来、長いイニングを投げきれない試合が続いていた渡辺投手。課題としていた制球力の向上とスタミナ強化のため、「実力をつけるには体で覚えるしかない」と自らに過酷なノルマを課した。オフの期間は週に4〜5回、毎回80球から100球の投げ込みを継続。一球一球の精度を極限まで突き詰めてきた。
その努力が、終盤の粘りとなって現れた。8回、9回と球数が130球に迫るなかでも、堀井哲也監督が「お前が、六大学で一番投げ込んでいるんだから。」と声をかけ、最後まで腕を振り続けた。約1年ぶりとなる公式戦完投勝利に、「慌てずに一球一球を大事に投げることができている(デイリースポーツ)」という手応えを感じていた。
オリックススカウトも絶賛。ドラフト上位へ加速するサウスポーの真価
ネット裏で視察したNPBスカウト陣も、渡辺投手の進化に高い評価をしている。
オリックス・佐野スカウト:「スライダーのキレが増した。制球がきちんとできるようになった。」
渡辺投手もいよいよ大学生活最後のシーズン。「今年は妥協しない姿勢でチームとして突き詰めることをやってきた。あと一歩を埋める結果につながった(日刊スポーツ)」と話し、開幕から無傷の3連勝の慶大を支えている。エース左腕の安定した投球が続けば、リーグ制覇、そして秋のドラフト会議に向けた声も増えてくる。
【渡辺 和大】 プロフィール
- 氏名: 渡辺和大(わたなべ・かずひろ)
- 所属: 慶應義塾大学(4年)
- 出身: 香川県(木太中-高松商業高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 175cm、78kg(推定)
- 主な特徴や実績: 高松商高時代に甲子園ベスト8。最速140キロ台後半の直球と、キレ味鋭いスライダー、カットボールを操る本格派左腕。2026年春季リーグ明大戦で9回2失点完投。冬の猛練習で制球力を高めた。今秋のドラフト注目候補。












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