花咲徳栄が初戦で散る、プロ志望・石塚裕惺選手にスカウト「全部が魅力です」、上原堆我投手もプロ志望

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花咲徳栄が新潟産業大付に1-2で敗れ、初戦で散った。石塚裕惺選手は1点をもぎ取る活躍を見せたが、甲子園での勝利を手にすることはできなかった。試合後にプロ志望を表明したが、多くの球団のスカウトが評価をしている。また、148キロ右腕の上原堆我投手もプロ志望を表明した。

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上位指名候補

花咲徳栄の1点は石塚裕惺選手がもぎ取ったものだった。2回、甲子園初打席できれいに三遊間を割る安打を打つと、すかさず二盗を決める。そして左中間の外野フライでタッチアップ三塁に果敢な走塁でセーフにすると、再び犠牲フライでホームに駆け込んだ。鮮やかな先制点へのダッシュだった。

しかし、その後は石塚選手の前にチャンスを作る目黒亜門選手と生田目奏選手が封じられ、第2打席、第3打席はランナーなしで打席に入るも飛球に倒れた。ただし、第2打席の飛球は真ん中よりやや外寄りの球を強く叩き、フェンス付近まで届く外野フライ、第3打席は内野フライだったが、滞空時間の長い飛球だった。

そして第4打席、9回も1アウトランナーなしの打席で、サードゴロに討ち取られた。ホームランは狙わずに逆方向を割るようなあたりを打つかと思ったが、強く引っ張ってのゴロだった。このあたりは相手投手の分析で引っ張っていく方針があったのかと思う。

初の甲子園は4打数1安打1得点、勝利を掴むことはできなかった。「イニングが進むのがすごく早くて、気付いたら残り3イニングになって、どんどん焦って。埼玉大会は乱打戦の接戦だったんですけど、今日は投手戦の接戦で。最終回の攻撃ももっとじっくりいけたところはあると思う」と話し、「ランナーがいる場面がなかったので、自分がつなぐ意識だったが、できなかった。負けてしまったことで、打席に立てなかった、マウンドに上がれなかった選手に申し訳ない」とスタメン9人で試合が終わってしまい、甲子園でプレーできなかった仲間のことを思っていた。

試合の終盤にはショートでゴロをさばいた。安定した堅実なプレーと送球は石塚選手の持ち味だった。試合後には「上の世界で活躍している姿を仲間たちに見せられたら。監督とも相談してきたんですけど、自分はプロに行きたいと思っている」と話し、プロ志望を表明した。

この日視察したスカウトのコメントは次の通り。

巨人・水野スカウト部長:「素晴らしいものを持っている。それしかない。全部が魅力です。」

千葉ロッテ・高橋編成管理部長:「打球も速いし、高校生にしては良い意味で落ち着きもある。上位指名候補に入る選手だと思います。」

東京ヤクルト・小川GM:「6個の守備機会があり、堅実にアウトを取るという意識が高い」

中日・松永スカウト部長:「埼玉大会後半から打撃は良くなっていた。スケールが大きい」

中日・音チーフスカウト:「高校生ではトップレベル。場慣れしていて経験値も高い」

阪神・平塚スカウト:「走攻守がそろっている」

今年に入ってからは派手なプレーを抑えて堅実にチームを引っ張ってきた。元DeNAスカウト部長の吉田氏も「弱い打球にチャージする能力が高く、肩も強いので遊撃手を担える素質はある。」と遊撃手として素質を高く評価する。昨年秋からショートの守備も打撃もどんどん上手くなっており、どちらも無駄のない動作ができている。そしてプロに入ってからもどんどん磨いて行ける素質を持っている。

ドラフト会議では1位で指名されるのは確実と見られる。

148キロ右腕

また、この日先発した148キロ右腕の上原堆我投手は、序盤から140キロ中盤の速球を見せると、最速は147キロを記録した。力強いストレートと鋭い変化球を投げたものの、新潟産業大付がセンターから逆方向へ弾き返す打撃で11安打を許し、152球を投げた。

 「要所要所を抑えようと思ったが、ピンチが多くて、打線を止めることができなかった」と話す上原投手。しかしそれでも失った失点は2点と、通常の花咲徳栄打線があれば勝利する点には抑えた。

試合後には「いろいろな方から期待されて、そこは本当に申し訳ないなという気持ちです。でも最後の最後で甲子園の舞台に立って、充実した3年間でした」と話し、プロ志望届けを提出することを明言した。

花咲徳栄の投手らしい力強さがある中で、将来は球速が出そうな感じの投手だったが、この夏でエースとして試合を作れる場面も見られるようになり、この甲子園での投球は素晴らしい投球だった。指名が注目される。

 

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