巨人が育成ドラフト2位で指名した、大阪経済大・長江翔太投手の退部届けが提出されていた事が確認され、巨人の交渉権が確定した。
プロ志望届未提出
巨人は長江翔太投手を育成ドラフト2位で指名したが、プロ志望届を未提出だったためNPBの事務局が確認を行ったがドラフト会議中には確認できず、指名をしたうえで交渉権確定は退部届を確認してからとしていた。そして確認の結果、9月21日に大学連盟に対し退部届を提出し9月22日の巨人の入団テストを受験していたことがわかり、この日、巨人の交渉権が確定した。
プロ志望届の制度ができた2007年以降で、プロ志望届未提出の大学生が指名されるのは始めてだった。
学生野球憲章のルールに問題
日本学生野球憲章には、プロの入団テストを受験するためには①「プロ志望届提出後」としているものの、②「ただし、該当連盟の公式戦が終了した翌日以降とする」とある。プロチームの入団テストは大体9月中旬に行われるが大学野球では秋のリーグ戦が開催されている最中で、大学生は②のルールがあるためにプロ志望届を提出しただけでは入団テストを受験する事ができず、退部するしかない。そして退部をした以上は秋のリーグ戦には出場できないほか、プロ志望届を提出する事もできない。
巨人も入団テスト受験資格の中で、「大学野球部在籍者は来年卒業予定で所属連盟への退部届け完了者」と明記しており、大学生については退部届けを提出する事が必須になっている。学生野球憲章にあわせて受験資格を決めている。
抜け穴になる可能性も
退部届けを提出した選手はプロ志望届が未提出でもドラフト会議で指名し交渉権が確定するという事が分かった以上、今後は狙っている大学生を退部させた上で指名をするということも可能になる。今回の問題は特に学生野球側のルールの変更が必要となるだろう。しかし、アマチュア側には入団テストに対して疑問を持つ声があるようで、ルール変更は簡単には進まないかもしれない。
コメント