阪神が今秋のドラフト会議に向けて、東海大の大塚瑠晏内野手(4年)をリストアップしていることが明らかになった。先日の全日本大学野球選手権で2本塁打を放つなど長打力も見せ、侍ジャパン大学日本代表にも選出された遊撃手で、チームの補強ポイントである左打ちの遊撃手として、虎のスカウト陣が熱視線を送っている。
大学選手権で打率5割、2本塁打で打撃もアピール
大塚瑠晏選手は東海大の遊撃手で主将としてもチームを全国の舞台へと導いた。その大学選手権では、9日の初戦・青森大戦で右翼席へ先制2ランを叩き込むなど3安打の活躍を見せると、14日の準々決勝・福井工業大学戦でも右翼席へ2号ソロを放つなど、大会を通して16打数8安打、打率.500、2本塁打と、素晴らしい打撃を見せた。
もともとは東海大相模時代から遊撃手として守備の評価が高い選手で、俊敏な動きとフットワークの良さ、そして正確な送球をする。大会では守備でももちろん評価をされており、チームは準決勝で敗れたものの、その活躍は遊撃手のドラフト候補として、スカウト陣に大きくアピールする内容となった。
虎の補強ポイントに合致、左打ちの即戦力遊撃手
阪神のスカウト陣も、大塚選手のプレーに注目していた。東北福祉大の櫻井頼之介投手や青山学院大の中西聖輝投手、創価大の立石正広選手などが注目される中で、視察した阪神の平塚スカウトは、その走攻守にわたる能力を絶賛した。
阪神・平塚スカウト:「対応力もあって打席の内容もいい。1歩目の速さ、正確さ、身のこなしもいい」
阪神はショートについてはレギュラーメンバーを固定できていないポジションで、開幕スタメンを掴んだ木浪聖也選手は2軍での再調整を経験し、現在は小幡竜平選手が起用されているが、その小幡選手も5月には負傷離脱があった。2022年にはドラフト5位で戸井零士選手、2023年にはドラフト3位で山田脩也選手、4位で百崎蒼生選手など、近年、遊撃手の高校生を積極的に指名してきたが、まだ新戦力の台頭はない状態で、また、左打ちの内野手の支配下指名は2020年の佐藤輝明選手、中野拓夢選手、高寺望夢選手を最後に遠ざかっている。
チームのバランスを重視する方針からも、今秋は左打ちの即戦力内野手を指名する可能性は十分にある。また、主軸の森下翔太選手は東海大相模出身の先輩で、阪神との縁もある。
佐藤選手、森下選手、大山選手の主軸に破壊力のある阪神だが、近本選手、中野選手の起点も重要なポイントとなっている。そして遊撃手については鳥谷敬選手のあとは、長い間、補強ポイントとなっている状態が続いている。大塚選手はショートで1年間、固定してプレーできる選手と評価すれば、ドラフト会議では2位前後の位置で指名されることになりそうで、これからのチームの状況で補強ポイントとして優先度が高まり、またドラフト会議の2位の指名の順番次第では、外れ1位などの指名候補にもなってくる可能性がある。
大塚瑠晏選手 プロフィール
- 氏名:大塚 瑠晏(おおつか るあん)
- 生年月日:2003年10月26日
- 出身地:栃木市
- 経歴:あわのスポーツ(栃木南小1年) – 小山ボーイズ(栃木南中) – 東海大相模高校 – 東海大学(4年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:170cm・74kg
- ポジション:内野手
- 主な特徴や実績:2025年全日本大学野球選手権で打率.500、2本塁打と活躍し、大学日本代表に選出されたプロ注目遊撃手。阪神タイガースがドラフト候補としてリストアップし、平塚スカウトから「身のこなしもいい」と高評価を受ける。東海大相模高校では1年夏からベンチ入りし、主将も務めた。リーグ通算3本塁打。


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