東京六大学野球春季リーグでは今日18日、2季ぶりの優勝を狙う早稲田大(早大)が東京大との初戦を迎える。注目は、昨春の選抜大会で優勝した横浜高の主将であり、U18日本代表でもキャプテンを務めた「世代No.1外野手」、阿部葉太外野手(1年=横浜)の抜擢だ。小宮山悟監督(60)は、期待のルーキーをいきなり「1番・中堅」としてスタメン起用することを決断。2月の肉離れによる全治2カ月の重傷から不屈の精神で戻ってきた18歳が、名門の伝統と恩師の教えを胸に、聖地・神宮での一歩を踏み出す。
6年ぶりの快挙、 背番号42を背負う阿部葉太が誓う「がむしゃらな躍動」
早大において1年生が開幕スタメンに名を連ねるのは、2020年の熊田任洋(現トヨタ自動車)以来、6年ぶりとなる。17日、西東京市の練習場で行われた背番号授与式で阿部葉太選手は、メジャーリーグのレジェンド・ジャッキー・ロビンソン氏の象徴でもある「42」のユニフォームを受け取った。阿部葉太選手は「今まで野球をやってきたなかで、こういう大きい数字を着けるのは初めてなので凄く新鮮な気持ちです。」と話し、「とにかくがむしゃらに躍動感あふれるプレーをしたいと思っています。プレーできるくらいに戻ってきた。今日で一旦リセットして明日からやっていきたい(スポーツニッポン)。」と、初々しくも力強い決意を口にした。
小宮山監督は、阿部選手の入学が決まってから1月に1番での起用を明言していた。しかし阿部選手は、2月8日にキャンプ中のランニング中に右足の肉離れで全治2カ月と診断され、春のリーグ戦出場も危ぶまれた。しかし、地道なリハビリを経て4月上旬に実戦復帰。練習試合2試合でその高い適応能力を証明し、あらためて指揮官にスタメン入りの決断を下させた。
大型スラッガーながら50メートル走5秒9の快足でセンターでも好守備を見せ、そして179センチ85キロの逞しい体躯から放たれる長打力があり、プロ志望届を提出すればドラフト1位指名もあったかもしれないと言われるその実力を見せつける。
名将・野村徹氏の遺訓、小宮山悟監督が貫く「1年生を使い続ける」不退転の決意
小宮山悟監督が阿部選手を抜擢した背景には、4月8日に亡くなった元監督・野村徹氏(享年89)からの強い教えもある。野村氏はかつて、「1年生を開幕スタメンで抜擢するなら、4年間の試合で使い続ける覚悟がないとダメだ(スポーツニッポン)」という言葉を遺していた。阿部選手の起用について小宮山監督は、「能力はもう十分だと思っています。早稲田のみならず、神宮球場の高校野球のファンも楽しみにしている可能性がある。」と話し、ファンの気持ちも考えての抜擢となった。
小宮山監督は、早稲田大の監督に就任した2019年にも、大阪桐蔭から加入した中川卓也選手(現東京ガス)を春の開幕スタメンで起用したが、その時も周囲の反対を押し切ってその「覚悟」を貫いた。今回の阿部選手の起用も、単なる新戦力のテストではなく、これからの4年間、早稲田の顔として戦わせるという重いメッセージが込められている。
149キロ右腕・松本慎投手と対戦
阿部選手のリーグ初戦の相手は東大となるが、先発が予想される松本慎之介投手は、140キロ超のストレートを投げる好左腕で、来年のドラフト候補の一人だが、昨年に話題となった横浜高vs東大の練習試合でホームランを放っている。しかし、松本投手は先週の明治大との開幕戦で6回途中2失点と好投をしており、「打った時のイメージは捨てて頑張りたい。チームに流れを持ってくるプレーを心がけたいと思います(スポーツニッポン)。」と話す。
小宮山監督はチームについて、「当初予定していたレベルには届いていない。1試合、1試合積み重ねていくうちに良くなってくる。秋の早慶戦の時にチームが完成するという位置づけです(スポーツニッポン)。」と話す。大エースだった伊藤樹投手が抜け、リリーフで奮闘した田和簾投手も抜けた。新たなエースが台頭するまでには少し時間がかかるかもしれないが、阿部選手の打撃でチームに勢いをつけて、序盤は投手陣をリードしてゆきたい。
【阿部 葉太】 プロフィール
- 氏名: 阿部葉太(あべ・ようた)
- 所属: 早稲田大学(1年)
- 出身: 愛知県(田原東部スポーツ少年団-愛知豊橋ボーイズ-横浜高卒)
- ポジション: 外野手(中堅手)
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 179cm、85kg
- 主な特徴や実績: 2025年選抜大会優勝投手(横浜高)。U18高校日本代表主将。50m走5.9秒の快足と強打を誇る世代屈指の外野手。早大では2020年以来の1年生開幕スタメンに抜擢。背番号42。2029年ドラフト最注目候補。









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