東北楽天イーグルスの2010ドラフト戦線

野村祐輔, 塩見貴洋, 伊藤隼太

東北楽天ゴールデンイーグルスの2010年シーズンとドラフト戦線を振り返り、2011年を予測してみたいと思います。

2010シーズン

2009年にチームを2位に押し上げた野村克也監督が退任し、ブラウン監督を迎えてチームの優勝への道を固める方針であったと思います。その中でドラフトではまずは地元の花巻東・菊池雄星を指名したものの抽選に外れ、立大・戸村健次投手を指名しました。2位以降は西田哲朗、小関翔太と高校生野手を指名し、チームが出来て5年目、生え抜き野手がようやく出てきたチームにおいて、長期的視点によるドラフト戦略であったと思われます。

FAトレードでは大きな補強や動きもなく、ドラフトで即戦力が少ないことから、岩隈・田中、永井の3本柱など野村監督が用意した戦力+外国人選手で優勝を狙うという形となりましたが、抑え投手や野手の主軸選手不足は解消しないままシーズンを迎えました。不安は的中し3・4月で借金を抱えると交流戦でやや持ち直したものの、田中将大がケガで離脱するなどその後は浮上することも無く最下位となりました。監督の采配が問題という意見もありますが、戦力強化が弱かったといわざるを得ません。ブラウン監督は退団し、星野仙一新監督が就任することとなりました。

しかしその中で野手では捕手の嶋が3割を越える打率を残し、聖澤もリードオフマンとして150安打を放ち主力選手として頭角を現しました。また内村賢介が規定に達していませんが3割を越える打率を残し、鉄平などと共にリードオフマンとして今後が期待できるようになりました。投手では中継ぎで青山浩二が好投を見せ、片山博視も中継ぎで活躍を見せました。片山は先発の一角としても期待できる投球内容でした。また、2007年高校ドラフト4位の菊池保則がプロ初勝利を挙げ来年に繋がるピッチングを見せました。

2010年ドラフト戦線

先発三本柱のうち、岩隈のメジャー移籍の話は現実的な問題となっており、またチームの主軸を打てる若手選手も補強をしたい状態でした。このような状況で今年は大学生投手に選手がそろっていたこと、また2006年の夏の甲子園で田中将大と投げあった斎藤佑樹投手が話題性としては最も高く、三木谷オーナーも斎藤佑樹選手の指名を要望していました。スカウトも早大の斎藤佑樹、大石達也を中心に中大・沢村拓一、法大・加賀美希昇などをマークして迎え、ドラフト直前には星野監督就任が決定し、三木谷オーナーも星野監督に補強の全てを委ね、絶対的な抑えでこれまで勝ち抜いてきた星野監督の希望で大石達也投手のドラフト1位指名が決定したものと思われます。外れ1位の候補としては地元で八戸大の塩見貴洋が伸び悩む左先発陣のカンフル剤の意味も込めて獲得したい選手だったほか、大石が取れなかったときには、社会人の抑えのエース、東京ガス・美馬学、また同じく地元・七十七銀行の小林敦にも高い評価をしておりリストアップをしていたと思われます。

2010年ドラフト会議

  • 小林敦投手を予定していたと思いますが千葉ロッテが3位で指名し、地元東北福祉大の阿部俊人選手を繰り上げて指名しました。阿部俊人選手には千葉ロッテも獲得を狙っていたと思われます。4位、5位では将来チームの主砲と育って欲しい、九州国際大付の榎本葵選手、PL学園の勧野甲輝選手を指名、しました。全体的には5人となり他球団よりも少ない指名となってしまいましたが、3位で繰り上げたことで野手は狙い以上の選手が獲得できたのではないかと思います。

    チームの変化と2011年の見通し

    岩隈投手がポスティング申請し、アスレチックスが交渉権を獲得したことで移籍は濃厚と見られていましたが、岩隈投手には残念な結果となりチーム残留が決定、3本柱は来年もそろうこととなります。塩見貴洋が入団したことにより、2008年1位の藤原紘通、2007年1位の長谷部康平にも影響して競争が激しくなると思われます。特に長谷部は星野監督がオリンピック候補として唯一アマチュア出身の選手を選抜した経緯もあり、かなり厳しく指導されると思います。美馬学投手は小柄ですが150kmの速球は本物のキレがあります。変化球もフォークボールなどがありますがこれがプロに通用すれば、20S以上できる選手です。
    メジャーから松井、岩村の大型補強をし、3位阿部俊人にとっては厳しくなりました。ただし選手層を厚くするためには成長して欲しい選手です。榎本葵、勧野甲輝は主軸候補として競い合って成長をして欲しい選手ですが、勧野選手は一か八かという指名です。伸び悩みの原因がクリアされ、中学時代の輝きを取り戻すことができるかどうか、腰痛もあり長い目でみたい選手です。

    2011年のドラフト戦略

    来年、岩隈投手がFAでメジャー移籍することは確実であり、おそらくチームの4番打者は山崎選手では厳しく外国人が活躍していたとしても補強ポイントであることは間違いありません。来年は東海大・菅野智之、東洋大・藤岡貴裕、明治大・野村祐輔など大学生投手に力のある選手がそろっており、星野監督の後輩である明治大のエース・野村祐輔には注目することでしょう。しかし田中、永井に加え1人か2人先発投手が活躍した場合には主軸となる野手として慶応大・伊藤隼太などを指名する可能性も考えられると思います。


  • PAGE TOP