東京六大学野球春季リーグの最終週第2日(早慶戦)が神宮球場で行われ、5季ぶりのリーグ優勝に王手をかけていた慶大が早大に4対5で逆転サヨナラ負けを喫した。これにより対戦成績は1勝1敗のタイとなり、優勝決定は運命の第3戦へと持ち越された。1点リードの9回裏、1回戦に先発して勝利を挙げたエース・渡辺和大投手(4年)がマウンドに上がったものの、早大打線の猛追に遭い、最後は悔しい逆転サヨナラ決着となった。独特の緊張感が漂う32年ぶりの「天覧試合」での優勝は叶わず、3回戦が大勝負となる。
優勝目前でまさかの結末、9回裏に力尽きたエース・渡辺和大投手
5季ぶりのリーグ完全優勝まであとアウト3つ。4−3と1点リードで迎えた9回裏、慶大のマウンドを任されたのは渡辺和大投手だった。前日の1回戦で7回1失点の快投を見せ、リーグ単独トップの今季6勝目を挙げたばかりの絶対的エース。堀井哲也監督は、「リードしていたら渡辺で行くと決めていました。」(スポーツニッポン)と語り、信頼を置いてマウンドに送り出した。
しかし、早大の執念が慶大を上回った。マウンドに上がった渡辺和大投手は、早大の先頭打者に二塁打を許すと、さらに前日に初打席初本塁打、この日も代打本塁打を放っていたラッキーボーイ・霜結太選手(2年)にレフト前へのヒットを浴びて無死一、三塁と傷口を広げられた。続く犠飛で同点に追いつかれると、最後は2死二、三塁の場面から、今季打率4割を維持して首位打者争いトップに立つ強打者・徳丸快晴選手(2年)に痛恨の中前適時打を浴びて万事休す。3長短打を浴びて、まさかの逆転サヨナラ負けとなった。
堀井監督は勝敗は監督の責任であるとしつつ、「最後1イニング、渡辺で行こうという準備をしたんですけども、早稲田さんのバッティングが上だったということでしょう」(スポーツ報知)と、早大打線の勝負強さを称えた。主将の今津慶介選手(4年)も、「チャンスで点を取りきれなかったり、ランナーを送れなかったり。今までやってきたことが出せるなかったことが大きかったと思う」(日刊スポーツ)と話し、中盤に好走塁を見せた丸田湊斗選手(3年)などの好機を点に結びつけきれなかったチーム全体のミスを悔やんだ。
32年ぶりの天覧試合、エースを支える野手陣の覚悟
この大一番は、天皇陛下と長女の愛子さまが来場され、リーグ戦では1994年春以来32年ぶりとなる極めて歴史的な「天覧試合」という異例の舞台だった。今津主将は、「天皇陛下と愛子さまが見に来てくださってるというところで、優勝を決めようと話をしていたけど。仕方ない。人生においても素晴らしい経験。明日頑張ります」(日刊スポーツ)と語り、敗戦のショックを振り払うように前を向いた。
3回戦は、慶大が勝てば慶大の優勝、敗れれば勝ち点4で全日程を終えている明大の逆転優勝が決まる。堀井哲也監督は、決戦の先発マウンドにもエース・渡辺和大投手を指名した。今津慶介主将は、「今季は渡辺に助けられたシーズンだった。明日は打線が助けて、優勝投手にしたいと思います」(日刊スポーツ)と語り、これまで大車輪の活躍を続けてきた絶対的左腕に、リーグ最高の打線が最大の援護を贈ることを力強く誓った。
【渡辺 和大】 プロフィール
- 氏名:渡辺和大(わたなべ・かずひろ)
- 所属:慶應義塾大学(4年)
- 出身:香川県(高松商業高校出身)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 身長・体重:180cm、82kg
- 主な特徴や実績:自己最速151キロ。高松商高時代は夏の甲子園ベスト8。慶大進学後はキレ味抜群のスライダーを武器に主力へと登りつめ、今春はここまでリーグ最多の6勝、防御率1.13、54奪三振と圧倒的な三冠成績で今秋のドラフト上位候補に躍り出た。2段モーションの導入とツーシームの完全習得で、精神面での無類の安定感と高いマウンド支配力を手に入れた、世代最高峰の実力派サウスポー。








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