今秋のドラフト1位候補として注目を浴びる山梨学院の最速152キロ右腕・菰田陽生投手(3年)が13日、甲府市内の同校練習場で選抜大会以来、実に54日ぶりとなるブルペン投球を再開した。25球を投じて球速は143キロをマーク。左手首骨折という重傷からの復活を目指すが、いきなりの剛速球に視察したプロスカウト陣も「ポテンシャルはトップクラス」と改めて評価した。
54日ぶりの登板で143キロ
菰田陽生選手は、3月22日の選抜・長崎日大戦で左手を骨折して以来、一時は白球を握ることすら制限されていた。しかし、この日、ブルペン入りが解禁された右腕は、捕手を座らせて25球を投じ、低めに伸びる直球は練習の段階で早くも143キロを計測した。
菰田陽生選手は「久しぶりにピッチングができてよかった。肩が軽く感じました。ボールの質も悪くなかったと思います。体が締まり、球のキレにつながった(スポーツニッポン)。」と笑みを浮かべた。これまで菰田選手は、実際の登板ではブルペンよりも球速が10キロ以上スピードが出るタイプで、140キロ台を連発する試合の前の練習のブルペンでは130キロ中盤が多かったという。その中で、練習の初日から140キロ台を連発した事については、リハビリ中に行った体力的なベースアップができ、さらに出力が増している可能性もあるという。
ロッテ・DeNAスカウトが絶賛、「左手の使い方に違和感なし」
ネット裏には、怪物の復活を待ちわびた千葉ロッテ、横浜DeNAのスカウトが視察に訪れ、テレビ局のカメラが密着するなかでも、菰田選手の細かな動作を注視した。特に、骨折した左手によるグラブの使い方が、投球バランスに影響していないかが焦点となった。
千葉ロッテ・中川隆治スカウト:「(負傷した)左手の使い方に違和感はなかった。大丈夫そう。」
横浜DeNA・横山道哉スカウト:「ポテンシャルは高校生トップクラス。」
スカウト陣が安堵の表情を浮かべたのは、菰田選手の球威が落ちていないことだけでなく、投球フォームのバランスも良く、195センチの体を自在に操る柔軟性と、指先の感覚の鋭さを評価した。
箱根駅伝級の走り込み、吉田監督も驚愕
この劇的な回復を支えたのは、菰田選手が自らに課した過酷なトレーニングだ。投球ができない期間、彼は「夏に投げ切れるスタミナ」を作るため、徹底的に下半身をいじめ抜いた。ポール間走を1日30本、さらに短距離ダッシュを繰り返す日々。その練習量は、周囲を驚かせるほどだった。吉田監督も「箱根駅伝に行くのかってくらい走り込んでいましたから。良い効果が出ていますね(スポーツニッポン)。」
走り込みによって体重は絞り込まれ、体幹はさらに強固になった。その結果、リリース時の安定感が増し、球の伸びに直結した。16日開幕の春季関東大会は、大事を取ってベンチ外となる見込みだが、本人の視線はすでにその先の「夏」へと向けられている。
夏の山梨大会で優勝し、甲子園での完全復活と全国制覇。そして、秋のドラフト会議での1位指名がプランだ。「最後の夏は本当に自分のベストが100%出せるように仕上げたい(スポーツニッポン)。」と話す。
195センチ102キロの二刀流、センバツで見せた迫力ある一発と、この投手としての能力はいずれも捨てられるものではない。プロでも二刀流として、大谷翔平選手の後を追って欲しい選手だ。
【菰田 陽生】 プロフィール
- 氏名: 菰田陽生(こもだ・はるき)
- 所属: 山梨学院高校(3年・主将)
- 出身: 千葉県(御宿中-千葉西リトルシニア出身)
- ポジション: 投手、内野手(一塁手)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 195cm、102kg
- 主な特徴や実績: 自己最速152キロ、高校通算35本塁打(5月現在)。今春選抜1回戦で左手首を骨折し手術。54日ぶりのブルペン投球で143キロをマークし復活。驚異的なスタミナと回復力を誇る2026年ドラフト1位候補。憧れの選手はドジャース・大谷翔平。








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