読売ジャイアンツの2010ドラフト戦線と2011ドラフトの展望

巨人ドラフトニュース

セリーグ3位に終わった読売ジャイアンツ、2010年のドラフトはチーム建て直しの第一歩となりました。2010年のチーム状況、ドラフト戦線から2011年のドラフトの動きを予想してみます。

2010年シーズン

2009年は貯金40以上の大差をつけてセリーグを制覇し、日本シリーズでも安定した戦いをみせて日本一を達成した巨人、特にゴンザレスの15勝2敗、グライシンガーの13勝6敗の貯金が大きくモノを言い、高橋尚成も10勝6敗と先発の役割を果たした。中継ぎの山口と越智で17勝を挙げるなど中継ぎもフル回転したものだった。ただし期待の内海、東野で17勝19敗と貯金ができておらず、高橋尚成がメジャー移籍することで日本人の先発の軸に不安が残った。ドラフトでは前年から1位指名を確定していた長野久義を指名、2位でも強肩捕手の鬼屋敷を指名するなど先発投手の補強は無く、中継ぎの山口を先発に転向させたほかFAで藤井秀悟を獲得したのみであった。そして頼みのグライシンガーがケガで出遅れ、大きな不安を持ちながら開幕を迎えることになる。

野手は小笠原、阿部、ラミレスの安定度は抜群で、1番坂本、2番松本が頭角を現し、唯一の弱点である中軸を固める選手も長野、亀井とそろい万全の体制でのぞむことができた。

シーズンでは当初、坂本、松本、小笠原と投手では東野、内海が活躍し最高のスタートダッシュを切り不安は無いかに見えた。しかしゴンザレスが勝ち星を残せず、先発に転向した山口も結果を残せず、中継ぎも越智1人に大きな負担がかかっていた。シーズン中盤になると松本がケガをして離脱すると坂本にあたりが止まる。投手陣も山口をリリーフに回したものの越智が結果を残せなくなってしまい、先発ではトレードで獲得した朝井が活躍をみせたものの、東野も成績を残せなくなってしまい先発は苦しい状態が続いた。終盤は阿部も打率を残せなくなり、中日、阪神に抜かれて3位で終わってしまった。

外国人便りの先発の穴を内海、東野だけでは補えず、FAトレードで獲得した藤井、朝井が勝ち星を残したものの、西村、野間口、福田、金刃といった生え抜きの選手の成長が見られなかった。野手でも、坂本、松本、ラミレス、阿部、長野が3割中盤をマークする月もあれば、2割前半で低迷する月もあるなど波が大きく、安定感を欠く打線となってしまった。その中で、中継ぎの久保が越智に代わって活躍した事、最終的に東野が13勝を挙げてエースとしての自覚をみせたことが明るい点となった。

2010年ドラフト戦線

先発投手の不安点が明らかとなり、ドラフト戦線は即戦力投手の獲得を第一として動いていた。特に早稲田大・斎藤佑樹、中大・沢村拓一にはかなり強いマークをしており、一時はエースとしての力もあり人気もある斎藤佑樹の指名可能性が高まったが、チーム状況が悪く優勝を逃したことで、より即戦力の先発投手が望まれるようになり中大・沢村拓一投手一本に絞られる。そして10月8日、報知新聞の1面で「沢村、巨人!」の報道により巨人1位沢村拓一の流れができた。ドラフトでは単独指名ができるかが焦点となったが、他の候補として高校の時に指名をしていた早稲田大の福井優也、また高校NO1投手と評価していた糸満の宮国椋丞などをリストアップしていたものと考えられる。

2010年ドラフト会議

ドラフト当日、他球団は沢村拓一の指名を回避し見事単独指名を成功させた。また2位では阪神も獲得を狙っていたNO1評価だった宮国椋丞を獲得することができた。3位では一二三慎太も狙っていたと思われるが、阪神が2位で指名し3位で大分工の田中太一を指名する事ができた。4位の小山雄輝も含め、全て右であるが投手陣の層を一気に厚くする指名ができた。

チームの変化と2011年の見通し

沢村拓一は今の巨人投手陣であれば間違いなく先発の一角に入ってくる投手と思う。157kmの球速も注目されるが、そのストレートを外角低めに投げられること、スライダーなどの変化球も同じく低めにコントロールできること、それに150球投げても140km後半をマークできるスタミナなど実力は申し分ない。気になるのはシーズンを通して活躍ができていないこと、チームを優勝に導けなかったこと、また甲子園や世界選手権など大舞台での活躍が無い事で、大舞台といえるプロでしかも巨人のエースとして力を発揮できるかがポイントとなりそうだ。

東野が成長し斎藤など次世代が成長を競う中で、宮国、田中の二人は将来のエース候補として非常に期待できる。二人とも140km後半の低めに伸びるストレートを持ち、フォーク、スライダー、カーブといった特徴のある変化球を持っている。内海、東野、沢村に続く若手選手の成長が無ければ成績の加算は難しく、外国人やトレードで補強しておきたい。

野手はFAトレードも含めて新たな選手獲得を行わなかった。投手陣の穴に目が行ったシーズンではあるが、打者に波があった事も注目すべきで、このまま補強などが無ければ今度は野手に不安を持ちながらシーズンを迎えることになりそうだ。

2011年のドラフト戦略

2010年12月に東海大の菅野智之投手の1位指名を発表した。2010年沢村、2011年菅野、そして2012年東浜巨投手という先発投手陣の補強プランが見える気がする。ただしそれには大田、中井、田中といった若手野手の成長が必要となってくる。特に大田の成長度によっては早めにドラフト1位で主軸野手を獲得しなければならないかもしれない。

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コメント

  1.  私もその記事だったかな?は読みました。星野監督の話は面白いですね。巨人は高校NO1投手は宮国投手と評価していたのは間違いないですね。日本ハムはダルビッシュや中田など、試合でプレーしている姿だけでなく、降板したあとのベンチでの態度や開会式でちゃんと立っていた、という所を見ているようですね。

  2. 野手も含めて34人かどうかわかりませんが、どうも大森スカウトのコメントでは、野手ではなく完投能力のある投手を補強ポイント、原監督の要望でもあったようです。大石と澤村が拮抗し、大石が先発したのを見たことがない・・ので澤村になったそうです。澤村ありきではないんです。ただ、一本釣り出来たのは企業努力と喜んだそうで、この企業努力を大森スカウトは「巨人にいきたい。そう思ってくれて、それに応えただけ」広島苑田部長は「直前まで大石か澤村で迷い、結局アメリカに行くといわれるんじゃないか・・・。そこまで考え澤村回避」楽天・星野監督も会場入り時巨人の原監督に「タツ、勝負だ」といい原監督が楽天も来るんですかと聞き返し、星野監督は「しょーがないやろ」の裏話があったそうです。

    2位以下もその時点で一番点数が高いのが宮国だったそうです。3位も一二三が阪神指名でなければ、一二三が高校生で2番目の評価で、田中が3番目だったようです。

    また日ハムが斎藤にいきそうとの情報もつかんでいたようですから、その辺が企業努力だったのか・・。

    私は、日ハムの山田GMの「ブルペンで斎藤の投球の雰囲気に魅力を感じ最終的に斎藤に決めた」という選び方も、大切だと思いますね。点数制の中身の濃さがどうかですが、やはりこういうのって、データではなく生身の感覚が大事だと思うんです。

    巨人の坂本だって、大森スカウトは雰囲気から魅せられたと言ってますからね。

    では、どうすれば感覚が鋭くなるか。それは、いいものをたくさん見ないとダメ、人間を見抜くのも、一流というか、そういう人とたくさん付き合うことでわかる事がありますよ。

    データなんて、当落選上や、普通の選手で生きてくるもので、日本代表になるかどうか、エースや4番は、感覚がすべてで、法則などないですね。

    本人と監督のコメントを読んでれば80%推測できるかな・・・。ちょっと言い過ぎかもしれませんが。

    感覚が、実際のプレーやデータをみて一致していれば、さらに確度はあがる事もありますね。

  3. ありがとうございます。確かに高校大学社会人、投手野手を一気に上から並べることなんで普通はできないと思いますけどね。ドラフトサイトでいろいろな選手を取り上げているサイトは(私もそうですが)、見る人によって評価が違ったり、その選手の情報を教えて欲しいので幅広く扱うようにしているからだと思います。多く球場に足を運んでいたり選手を見る目を持っている方のサイトは選手を絞っている所もあるので、その辺はまちまちかと。

  4. その辺りの意図は、わかりませんが、大学や社会人の育成機能が落ちている事も確かです。楽天・田中と、広島・前田らと今年の大社投手候補の成長度、巨人・坂本、西武2年目・浅村らと、大学生野手の成長の差もあります。

    巨人が育成中心の体制に移行しているのは明らかで、昨年のドラフトは建て直しでもなく。野球小僧記事の通り、本来3人指名の予定で小山は残っていたから指名したとのことです。

    ドラフト中心の時代には、育成が重点になるのは自然の流れで、また巨人の場合、大量補強から育成システム構築に動くのも自然の流れです。

    また、巨人が特別に外国人、FAに依存しているというのも、正確な分析とはいえませんね。昔の先入観の影響が大きいのではないですか。今や、横浜、ロッテなどが他球団の選手だらけです。

    ただ、私が、巨人のドラフト戦略の弱点を指摘したいのは、大量補強、マイナーリーグ構想は日本には合わないシステムだということです。昨年は、捕手、今年は右腕に偏った補強となり、不足を育成指名で補っています。
    一つ気になったのは、野球小僧で大森スカウトが「上から34番までランク付けして、上からで簡単ですよ。」とコメントしていた事です。ランクは、点数制で決めているようで、これはあまりにも単純すぎます。もっと、人間の勘や、定性面の要因が反映されないと、外れは減ってもエースや4番の発掘には不足と思います。

    大量指名で、果たしてスカウトの調査が深みのある調査が出来ているかどうか、スカウトが「こいつが外れてもあいつがあたるさ」とならないか。今年なら、宮国、田中の故障の状況をどこまで調査出来たのか。そもそも宮国は1位指名か2位の前半までのはずが、巨人まで残っていたわけです。澤村単独指名で喜んでますが、果たしてあの筋肉トレオタクがプロの長いシーズンで故障の要因にならないのか。巨人のドラフトには多くの疑問点が残ります。また大量のファーム選手にコーチの目がどの程度行き届くのか。

    私は、大量の無駄な選手より、少数精鋭が優位と考えますね。ただ時間の長い練習より、質と密度です。

    ドラフトサイトもそうではないですか。ドラフト候補には程遠い選手にまで多くのスペースを割いてエコには無駄なスペースを使用しているサイトもありますよね。

    何でも、量や数ではないです。
    質と内容ですよ。

  5. フリーさんありがとうございました。建て直しと表現したのは生え抜きの成長を促すという事です。外国人もFAも短期間では勝利を挙げるかもしれませんが、やはり長期的な常勝球団としてはファームでエースが成長する形が必要だと思います(斉藤、桑田、槙原のような)。今年は右腕投手を4人獲得したことで、西村らの世代、そして斎藤、笠原の世代の成長を促す形になると思います。宮国、田中は本格派右腕で東野よりも素質は上と思っているので将来性を見越したものでしょうね。

  6. 2010年のドラフトが建て直しと表現するのは、どうでしょうか。2位に迫る3位で、投手陣が他球団比厳しい状況でもないです。巨人の戦力分析が表面上の人は、即戦力投手中心と予想したはず。ドラフトで目先のポイントを補強しないといけない球団は建て直しですが、2位以下高校生投手を指名したのをどう評価するか。結局、西村、朝井、福田を越える即戦力投手の必要性がなく、小野、黄、ロメロ、齋藤、笠原、リンがいて、2010年育成指名の小山、岸にも期待が出来ます。巨人は、もう毎年優勝すると宣言しながら、実態は、計画的な補強と育成に動きを切り替えているんですよ。

    次世代4番については同感で、かつての阪神・金本と同様の状況が、ラミレス、小笠原におきてます。私は、4番の見極めとして、9月の優勝を左右する試合、ポストシーズンの短期決戦で相手のエースの決め球を打ち崩し勝利に導いたかどうかに尽きると思ってます。長いシーズンで三流投手や不調の投手を打って数字だけ辻褄合わせでは、4番、クリーンナップとして不足です。

    私は、大田は今ひとつと思っていて、横浜・村田を来年FA獲得に動くと予想しますね。小笠原を一塁手固定構想で大田、中井らを、どの程度1軍起用出来るかも要チェックです。ただ、ファームには、仲澤、加治前、山本も、いつブレイクしても、おかしくはない素材です。2011年高校生には、高橋、丸子、北川らの目玉以外にも、成長次第で楽しみな右打者が実は多くいるので、村田獲得見込みなら、2位以下で高校生右打者指名もありえます。もう1位は決まりですからね。