大学野球選手権の1回戦が9日に行われ、富士大(北東北大学野球連盟)が松山大(四国地区大学野球連盟)に6−2で勝利し、2回戦進出を決めた。今秋ドラフト1位候補の最速153キロ右腕・角田楓斗投手(4年)が7回2安打2失点、毎回の14奪三振を奪い、ネット裏に集まった日米のスカウト陣に強烈なインパクトを残した。
初回から152キロ、6回まで無安打の快投
東京ドームのマウンドで角田楓斗投手が圧巻の投球を見せた。初回先頭打者を150キロで空振り三振に仕留めると、続く打者も151キロで見逃し三振。立ち上がりから飛ばし、初回の直球は11球のうち10球で150キロ台を計測した。この日の最速は自己最速にあと1キロと迫る152キロ。スライダー、カットボール、スプリットを交え、二回の3者連続三振を含めて毎回の14三振を奪い、6回まで一人の走者にも安打を許さないノーヒットノーランペースで松山大打線を圧倒した。
7回は先頭打者に死球を与えると初安打を許し、2死二、三塁から右翼への三塁打で2点を失った。5四死球には「途中で自分の甘さが出てしまった」(デイリースポーツ)と反省も口にしたものの、「スピードが出ていたのは良かった。(全国に)通用するなという部分と、自分の甘さが出て、まだまだというところもあったので、修正していきたい」(サンケイスポーツ)と話し、反省点を含めながらも手応えについて話した。三振へのこだわりについては「三振は味方のエラーも引き出すことがない、チームにとって安全な結果。だからいつも狙っている」(日刊スポーツ)と頼もしく語った。
日米スカウトが絶賛、相次ぐドラフト上位評価
この日はNPB12球団のほか、MLBのスカウトもネット裏に集結した。
福岡ソフトバンク・永井智浩スカウト部長:「ドラフトの上位候補に入ってくる投手。こういう舞台で活躍できれば評価は上がる」
北海道日本ハム・山田スカウト顧問:「則本(巨人)タイプ。球は速いし、スライダーのコントロールもいい」
広島・高山チーフスカウト:「手元での伸びと切れが素晴らしい。直球の球持ちがいい。即戦力に近い」
千葉ロッテ・高橋編成管理部長:「カットボールがいい。右打者の外角に投げ分けられる大学生はなかなかいない。間違いなく上位候補」
千葉ロッテ・柳沼スカウト:「立ち上がりの制球がよくなったし、カットボールは縦、横と使い分けられるようになっている」
カージナルス・大慈弥スカウト:「真っ直ぐの質がいい。もちろんドラフト1位で消えるでしょう」
この日の投球でドラフト1位指名はほぼ確実という評価となったと見られる。
安田慎太郎監督も「角田は2死球と3四球がなければ、完璧だった。『プロに行きたい』と言ってうちに来た。1位で評価されるようになってほしい」(サンケイスポーツ)と教え子の成長に目を細めた。
73キロから85キロへ、肉体改造で掴んだ153キロ
角田投手の150キロ超の直球は、大学4年間の努力の結晶である。青森・東奥義塾高時代は最速143キロで、全国的には無名の存在だった。「高校の時は全然プロで通用すると思わなかった。大学で鍛え直して、ドラフト1位で行けるように」と志し、富士大の門をたたいた。
入学時73キロだった体重は、食事の栄養バランスや最低8時間の睡眠を徹底した生活で13キロ増の85キロに到達。安田監督から「右投手で大きくないとなると真っすぐは152、3キロないといけない」と球速アップのロードマップを示され、目標の153キロまで引き上げた。さらに変化球の球種を増やすため腕の振りをあえて下げるフォーム改造にも取り組み、「少ない力で強い球を投げることができるようになった」(日刊スポーツ)と話した。
10日に2回戦、8強入りへ
チームは10日の2回戦で東海大九州(南部九州代表)と対戦する。角田投手は、「ダメだった部分も今日はたくさん出ているので、修正してもっとアピールできたら」と次戦を見据えた。秋のドラフト1位指名へ、東北が生んだ右腕がさらに高みへ駆け上がる。
【角田 楓斗】 プロフィール
- 氏名: 角田楓斗(かくた・ふうと)
- 生年月日: 2004年9月23日(21歳)
- 所属: 富士大学(4年)
- 出身: 青森県弘前市(弘前一中-東奥義塾高)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 178cm、85kg
- 主な特徴や実績: 最速153キロを誇る本格派右腕。大学2年秋から背番号1を背負い、3年春のリーグ戦では連盟タイ記録の19奪三振をマーク。今春はMVP、最優秀防御率、ベストナインに輝いた。入学時73キロから13キロ増の肉体改造で球速を10キロ引き上げ、スライダー、カットボール、スプリットを操る。この日も7回14奪三振2失点と全国の舞台で実力を示し、秋のドラフト1位指名を目指す。
















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