第75回全日本大学野球選手権記念大会は11日、神宮球場で準々決勝が行われ、関西大(関西学生)が金沢学院大(北陸大学)を6―1で下した。今秋のドラフト上位候補に挙がる最速149キロ左腕・米沢友翔投手(4年)が7回5安打1失点と好投し、準優勝した1991年以来、35年ぶりの4強入りに導いた。試合には阪神が畑山統括スカウトら幹部を含む4人態勢で視察するなど、NPBスカウト陣も注目した。
初回の失点から立て直し粘りの投球で勝利掴む
米沢友翔投手は中2日での先発登板となったが、1回先頭から1球もバットに当てさせず二者連続三振を奪い、完璧な立ち上がりかと思われた。しかし、続く打者に四球を与えると、2死一塁から金沢学院大の4番・眞木佳唯斗選手(4年)に左中間への適時二塁打を浴び、先制点を献上した。
それでも米沢投手は崩れなかった。「初回だったので、切り替えることができた。あとは点をやらないぞという気持ちで投げました」(スポーツ報知)と話すように、2回以降はスコアボードに「0」を並べ続け、4回2死三塁、5回・6回と得点圏に走者を背負っても追加点を許さなかった。
8日の1回戦・北海学園大戦では初回先頭から5者連続を含む10三振を奪い、8回無失点。その初戦から配球を変えた。「真っすぐを狙ってきていた。縦の変化を使って、真っすぐを速く見せることを心がけました」(スポーツ報知)と、カーブやスプリットを多投して直球を生かした。この投球でこの日も7奪三振を奪い、今大会は登板2戦で17奪三振をマークした。小田洋一監督(60)は「今日は本調子ではなかったが、しっかりと要所要所で粘ってくれました」(スポーツ報知)とたたえた。
地元・石川の大学相手に「勝ちたい気持ちがいつも以上に」
米沢にとって、この一戦には特別な思いがあった。能登半島の先端にある石川・珠洲市出身で、対戦した金沢学院大の角尾嶺成監督(55)は出身校・金沢高の先輩にあたり、相手には中学・高校の後輩も在籍する。「そういう縁があるので、勝ちたいなと思っていた」(デイリースポーツ)。2024年元日の能登半島地震の際は自宅にいて被災したが、両親は「野球を頑張れ」と送り出してくれたという。「両親に恩返ししたい」と、地元への思いを力に変えた。
スカウト陣が並ぶ評価、来秋候補・百合澤飛投手が締める
この日も阪神が畑山統括スカウト以下4人態勢で視察するなど、NPBスカウト陣が神宮に集まった。米沢の投球に対し、各球団が高い評価をしている。
巨人・岸敬祐スカウト:「変な力みもなく、うまく修正して勝負所では良いボールがきていて相変わらず安定している。真っすぐに加えて抜き球もしっかり腕が振れている。2試合トータルでしっかりゲームを作っていける能力が高い」
千葉ロッテ・三家和真スカウト:「ストレートのキレ、質は一番の魅力。全国の舞台も経験して、秋にかけてどれだけパワーアップしていくか楽しみな選手の一人」
5―1の8回からは、最速152キロの百合澤飛投手(3年)が救援登板。前日2回戦に続く2日連続のマウンドを2回無失点で締め、「疲れはあるけど、それがいい感じの張りになった」(スポーツニッポン)と力投した。米沢は今秋ドラフト上位候補、百合澤は来秋候補と評される豪華な左腕リレーで、関大は4強進出を決めた。
54年ぶり日本一へあと2勝
2年夏から3年夏ごろまで肩やひじのけがに苦しんだ米沢にとって、春のリーグ戦を含めここまでの試合数をこなすのは初めて。それでも「疲れも感じず、いい感覚で投げられた」と充実の表情を見せた。1972年以来、54年ぶりの優勝まであと2勝。エースは「1試合1試合、戦い抜くだけ。自分もしっかりとしたパフォーマンスを見せられるように」(デイリースポーツ)と準決勝に照準を合わせた。
【米沢 友翔】 プロフィール
- 氏名: 米沢友翔(よねざわ・ゆうと)
- 所属: 関西大学(4年)
- 出身: 石川県珠洲市(緑丘中→金沢高)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 180cm、80kg
- 主な特徴や実績: 2004年6月1日生まれの22歳。小学2年で外野手として野球を始め、緑丘中の軟式野球部で投手に本格転向した。関大では1年秋からリーグ戦に登板したが、2年夏に肘と肩を痛めて約1年間登板から遠ざかった。今春は関学大戦の準完全試合でリーグ戦初勝利を挙げ、4勝でMVPに輝いた。最速149キロの直球にカーブ、スプリットを織り交ぜる粘り強い投球が持ち味で、今秋ドラフトの上位候補に挙がる。憧れの中日・金丸夢斗投手に続く、日本一への到達が期待される。





































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