ドラフト会議まであと約1ヶ月となり、プロ志望届の選出も順調に増えている。今年のドラフト候補について、各カテゴリ別に傾向を分析していく。今日は高校生投手。
主役不在
甲子園など高校野球人気の他、将来のエース候補としてプロでの成長が期待される事もあり、毎年、注目選手が多いのが高校生投手だ。2023年は前田悠伍投手が高校生投手のトップとして評価され、福岡ソフトバンクに外れ1位で指名された。2022年は苫小牧中央の斉藤優汰投手が広島に単独1位指名、2021年は小園健太投手が1位指名で競合し、天理の達孝太投手、明桜の風間球打投手が単独1位指名、高知の森木大智投手が阪神のハズレ1位で指名されている。
昨年は仙台育英の高橋煌稀投手、湯田統真投手、専大松戸の平野大地投手といったドラフト上位や1位指名の候補がプロ志望をしなかった。それでもドラフト2位までに高校生投手は坂井陽翔投手(滝川二・楽天)、河内康介投手(聖カタリナ・オリックス)と24人の中に3人が指名されている。
今年は、ドラフト上位候補として注目されていきた清水大暉投手、村上泰斗投手、小川哲平投手といった投手がプロ志望届を提出しており、報徳学園の今朝丸裕喜投手や福岡大大濠の柴田獅子投手もプロ志望の意志を持っている。一方で、旭川実の152キロ右腕・田中稜真投手は大学進学を決め、東海大相模の藤田琉生投手はプロか大学としており、その決断が注目されている。
高校生投手の主役となりそうなのはここに挙げた投手になると見られるが、今朝丸投手はセンバツ準優勝、侍ジャパンU18代表でも投げて実績が十分も、序盤に失点をするピッチングもあったりと、評価が高いのは間違いないが、昨年の前田投手のような1位指名確実とはなっていないように見える。清水投手、村上投手は今年の成長を高く評価され、後は各球団のスカウトや首脳の好み的なところで、1位指名に入ってくる可能性があると思う。小川投手も今年は特にセンバツで状態が良くなかったが、1年時から追いかけているスカウトはその実力は十分評価している。そして最後の夏に大きく成長した藤田投手は、プロ志望をすれば長身左腕という特徴からも2位以上で指名される可能性が高い投手と言えそうだ。
また、生光学園で153キロを投げながらも今年は調子が上がらなかった川勝空人投手や、1年時から世代を代表する投球をしていたものの、今年にトミー・ジョン手術を受けた神戸国際大付・津嘉山憲志郎投手もプロ志望届を提出した。もし、今年も順調に投げていたら、高校生投手の主役になった投手だと思うが、今年の状況をプロ球団がどのように判断するか、チームによって評価が大きく分かれる事になりそうで、2位、3位くらいで指名の可能性があるかもしれないし、下位で指名される事になるかもしれない投手だろう。
いずれにしても、今年は高校生投手は、2021年の小園投手や森木投手のようなバリバリの1位指名という選手はおらず、1位指名では多くて2人、0人の可能性もあるかもしれないという状況だろう。
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