全日本大学野球選手権1回戦、東海地区代表の中部学院大が広島六大学の近大工学部を1―0の接戦で下し、出場3大会連続の初戦突破を果たした。来年のドラフト候補で最速152キロを誇るエース右腕・吉倉遼輔投手が6回2安打7奪三振無失点の力投を見せ、初回に奪った虎の子の1点を3投手の継投で守り切った。近大工学部の伊藤颯太朗投手は好投も試合に敗れ、社会人野球に進むことを明らかにした。
152キロ右腕が直球とスライダーで神宮を制す、零封リレーを先導
小雨が降りしきる神宮のマウンドに立った吉倉遼輔投手は、4四球と制球に苦しみながらも、勢いのある直球と切れ味鋭いスライダーを軸に7三振を奪い、6回を2安打無失点に封じた。121球の力投で初の全国の舞台を白星デビューで飾ると、7回からは救援陣も後を続き、3投手による零封リレーが完成した。
吉倉投手の持ち味は球速以上に伸びて見える直球で、この日は18のアウトのうち7つをフライで打ち取った。最速は148キロを計測。吉倉投手は「真っすぐが全国でも通用することが分かった。要所で三振が取れた」(サンケイスポーツ)と手応えを口にしつつ、「目標としていた大会で、納得のいくピッチングではなかったんですが、ゼロに抑えてチームが勝てたのが良かった」(中日スポーツ)と、課題と収穫の両面を冷静に振り返った。
攻撃では初回、先頭の山崎夢道外野手が遊撃への内野安打で出塁すると、盗塁などで1死一、三塁と好機を広げ、続く4番・外山櫂外野手の一ゴロの間に三塁走者が生還して先制点をもぎ取った。この1点で勝負が決まり、中部学院大にとっては、過去最高の8強入りを果たした2023年の天理大戦以来となる「スミ1」での勝利となった。
母校を率いて4年目の間宮大貴監督は育ててきた吉倉投手について、「彼にとって初の全国大会、コンディション的にも難しい天候の中で0で投げてくれた」(サンケイスポーツ)とたたえ、「先制して少ない失点というイメージ通りの展開。攻撃の課題は出たが、いいゲームだった」(中日スポーツ)と試合を総括した。
外野手から最速152キロへ、プロ一本を貫く右腕
吉倉投手は富山・不二越工業では最後の夏に背番号9を背負い、「1番・右翼」の切り込み隊長だったが、外野手ながら直球で146キロを計測し、速球派の片りんを見せていた。「真っすぐの質がいい」と評価され、大学では投手一本に絞ると、スライダーに磨きをかけ、カーブ、チェンジアップ、スプリットも習得。わずかな期間で東海地区を代表する右腕へと駆け上がった。
ゼミでスポーツバイオメカニクスを学び、投球動作を研究している。来秋のドラフト候補として注目を集めるが、本人は「プロを目標にしているので、プロ一本でやっています」(スポーツ報知)と話し、最速152キロ右腕は、来年をしっかりと見据えて成長曲線を描き、全国の大舞台での好投もその過程の一つだ。
近大工学部・伊藤颯太朗も7回1失点、援護及ばず初戦敗退
敗れた近大工学部も、エースの奮投が光った。先発した最速152キロ右腕・伊藤颯太朗投手(4年・今治北)は直球とスライダーを武器に7回108球を5安打1失点と粘投した。だが、初回に喫した1点がそのまま決勝点となり、打線の援護に恵まれなかった。伊藤投手は「初回の失点が決勝点になり、責任を感じています」(スポーツ報知)と立ち上がりを悔やんだ。卒業後は社会人で野球を続けるといい、全国での経験を糧にさらなる成長を期す。
【吉倉 遼輔】 プロフィール
- 所属: 中部学院大学(3年)
- 出身: 富山・不二越工業(高校時代は外野手で「1番・右翼」を務める)
- ポジション: 投手
- 主な特徴や実績: 最速152キロを誇る本格派右腕。球速以上に伸びて見える直球を最大の武器に、スライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリットを操る。高校時代は外野手で最後の夏に146キロを計測し、大学で投手に専念すると、わずかな期間で東海地区を代表する右腕に急成長した。神宮デビューとなった全日本大学野球選手権1回戦では6回2安打無失点、7奪三振の好投で初戦突破に貢献。ゼミでスポーツバイオメカニクスを学び、来秋ドラフト候補としてプロ一本での評価を目指す。




























コメント