全日本大学野球選手権の1回戦では、5大会連続19度目の出場となる東日本国際大(南東北大学)が国際武道大(千葉県大学)に5-3で逆転勝ちし、初戦を突破した。0-3の劣勢を引っくり返した立役者は、今秋ドラフト候補の黒田義信外野手(22)。「1番・中堅」で先発し、反攻の口火を切る中犠飛と、右翼線への二塁打でチームを勝利に導き、ネット裏に集まったスカウト陣をうならせた。
0-3からの反攻、黒田の犠飛で口火を切る
東日本国際大は序盤に3点を先行され、苦しい立ち上がりとなった。プロ注目の黒田義信外野手も、国際武道大の好左腕・松山哲投手に三振を喫するなど序盤は抑え込まれた。しかし、3点を追う5回1死満塁の好機で打席に向かう前に、藤木豊監督(64)が手を合わせ、黒田選手に「頼んだ」と声をかける。初球、低めの141キロ直球に魂を込めてバットを振ると、打球は中堅へ。三塁走者が生還し、2点差に迫った。
黒田外野手は、「監督さんからの『頼んだ』という一言で、自分の中で覚悟ができた。そこの信頼関係はあるんで、良かったと思っています」(スポーツ報知)と、反撃開始を告げた一打を振り返った。
勢いづいたチームは6回、5番・伊藤航大内野手(東海大相模出身)が右越えの2ランで同点へ追いつくと、黒田外野手も同点で迎えた7回1死一塁、カウント3ボール1ストライクからの5球目、高めの141キロ直球を振り抜くと、打球は右翼線を破る二塁打となった。「仲間のためにという思いだけで、素直にバットが出た」(スポーツ報知)と話した。
そして8回2死三塁の場面で、柴晴蒼選手(明秀学園日立出身)が中前へ勝ち越し適時打を運び、ついに逆転に成功した。
巨人スカウトが評価、パワー強化が才能を後押し
黒田選手は福岡・九州国際大付で、高校屈指の俊足が注目されていたが、プロ志望届を提出したものの指名漏れとなっていた。東日本国際大に進学すると、入学後から藤木監督に、「プロの中で、1年間をやり抜く体作りを大切にしろ」と助言を受け、フィジカル強化に心血を注いできた。入学時に最大90キロだったベンチプレスは現在125キロ、スクワットは130キロから200キロ、デッドリフトは150キロから195キロまで伸び、その成果が打球の強さに表れている。
高校時代から黒田外野手を視察してきた巨人の榑松伸介スカウトディレクターは、長野久義編成本部参与らとともにこの日も視察した。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「高校時代はスピードが目立ちましたが、着実にパワーアップしている。打って走れる外野手。馬力やパワフルなプレースタイルが評価できます。いい選手ですね」
黒田外野手が理想型に挙げるのは「高橋由伸さん、前田智徳さん」の2人のレジェンドだ。「チャンスでの勝負強いバッティングがすごい。かなり小さい頃から野球のバッティングの動画を見るのが好きで、由伸さんや前田さんがかっこいいなと思って、そこから憧れって感じです」(スポーツ報知)と語る。
抜群の俊足選手が大きくなった体と、それに導かれる打球の速さを手にして、今秋のドラフト会議では上位指名の可能性も見えるまで成長した。2回戦に勝ち上がり、この大学野球選手権の舞台は、さらに評価を高める絶好の場となりそうだ。
【黒田 義信】 プロフィール
- 氏名: 黒田 義信(くろだ・よしのぶ)
- 所属: 東日本国際大学(4年)
- 出身: 長崎県佐世保市(日宇中→黄城ボーイズ→九州国際大付)
- ポジション: 外野手
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 180cm、83kg
- 主な特徴や実績: 九州国際大付では3年春夏に甲子園出場、3年時にはU-18高校日本代表に選出された強打の外野手。大学進学後は守備・打撃・走塁を一つずつ磨き、徹底したウェートトレーニングでパワーを大幅に強化。50メートル走5秒9、遠投115メートルの身体能力に加え、打って走れるプレースタイルが持ち味で、今秋ドラフトでの上位指名を目指す。










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