全日本大学野球選手権の1回戦では、天理大が共栄大を3―2で下し、2年ぶりの初戦突破を決めた。今秋ドラフト候補として注目される最速148キロ右腕の的場吏玖投手(21)が7回2失点と粘りの投球を見せ、念願の東京ドームで開幕白星をたぐり寄せた。
笑みを絶やさず、満塁のピンチをしのいだエース右腕
先発した的場吏玖投手は、8安打を浴びながらも要所を締めた。3回2死満塁では押し出し四球で先制点を献上したが後続を断ち切ると、4回1死満塁のピンチでも「インコースの直球で」と狙い通りの投ゴロ併殺に仕留め、追加点を許さなかった。
マウンド上では終始笑顔だった。的場投手は「投げやすかったです。(マウンドが)硬いので…」と笑みをこぼし、「全国でできることはそんなにないので、一戦一戦楽しもうと。一発勝負で負けられないけれど、自分は楽しんでやりたい。勝手に笑顔が出ていました」(スポーツ報知)と振り返った。
的場投手は185cmの上背があるがストレートは140キロ中盤で、腕の角度もスライダーに合わせた形で投げる変化球投手と言える。この日も最速は145キロだが、「変化球を低めに集められたからこそ粘れた」(スポーツニッポン)と、多彩な変化球を低めに集める持ち味が全国の舞台でも通用した。
チームは6回に1点差まで迫られたが、的場投手が7回を投げて2失点。三幣寛志監督は「緊張もあったと思う。内容的には良かった。最少失点で抑えたのは良かった。変化球をしっかり投げ切れていた」(スポーツ報知)と評価した。
4回まで沈黙の打線、5回に一挙3点で逆転
4回まで共栄大の佐藤夏月投手の前にノーヒットに抑えられていた打線は、5回1死から関本大成選手、田中幹紘捕手の連打と死球で満塁の好機をつくると、藤原凪秀選手が右翼線へ2点二塁打を放ち逆転に成功した。
的場投手とバッテリーを組んだ田中捕手は「今までで一番良かったです。真っすぐ、カーブで組み立てられました」(日刊スポーツ)と、エースの好投を支えた。的場投手が7回を投げ終えると、8回からは徳井仁一朗投手がマウンドに上がり、最後を締めて逃げ切った。
敗れた共栄大・新井崇久監督も「天理大の的場君が真っすぐのキレもあって崩せなかった」(日刊スポーツ)と、その投球をたたえた。
2年前の悔しさを糧に、ドラフトイヤーの開幕星
的場投手にとって、この東京ドームのマウンドは特別な意味を持つ。1年時は大学選手権でベンチ入りしたものの登板機会はなく、初の4強入りを果たした2年時は、春季リーグ戦で5勝無敗と優勝に貢献しながら右肘を痛め、選手権では登録メンバーを外れてスタンドで応援に回った。「あの悔しさからケアに力を入れ、波のない投球ができるようになった」(スポーツニッポン)と、回り道の経験を成長の糧に変えてきた。
理想の投手に掲げるのは、元オリックスの金子千尋。「どの変化球でも勝負が出来る。見習っていきたい」(スポーツ報知)と、スライダー、フォーク、縦と横の2種類のカットボールに磨きをかけてきた。今春も2年春に続く5勝無敗、防御率0.99と圧倒し、ドラフトイヤーを迎えた右腕は「日本一というのをチームとして掲げてやってきたので、一歩目としてまず勝利できたのはうれしいです」(スポーツ報知)と話した。
次戦は9日、金沢学院大との2回戦。バックネット裏に集結したスカウト陣の視線が、また次も注がれるだろう。
【的場 吏玖】 プロフィール
- 氏名: 的場 吏玖(まとば・りく)
- 所属: 天理大学(4年・大阪電通大高出身)
- 出身: 大阪府寝屋川市(寝屋川スカイヤーズ→寝屋川第二中→大阪電通大高)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 184cm、74kg
- 主な特徴や実績: 2004年11月23日生まれ。最速148キロの直球に加え、スライダー、フォーク、縦と横の2種類のカットボールを自在に操る本格派右腕。天理大では1年春からリーグ戦に登板し、2年春にMVPを初受賞。今春も5勝無敗・防御率0.99と圧倒した。元オリックスの金子千尋を理想に掲げて多彩な変化球を磨いており、今秋ドラフトでの指名が期待される注目右腕だ。















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