高校卒3年目の社会人投手で、昨年秋の日本選手権で150キロを記録し、ドラフト上位候補に名前の挙がるHondaの小野大夏投手が、今年初の公式戦での登板をした。
調子は悪く
新型コロナウイルスの影響により、高校、大学、社会人の春の大会が全て中止となる中で、夏の高校野球、大学の秋季リーグ戦、そして都市対抗2次予選で、ドラフト上位候補として名前が挙げられていた選手はほぼ公式戦でのプレーが見られていた。
そして最後まで登板のなかったHondaの小野大夏投手が、この日の都市対抗野球南関東2次予選の第1代表決定戦で登板をし、スタンドの7球団のスカウトがその投球をチェックした。
オープン戦などでは登板をしており、巨人2軍とのプロアマ交流戦でも2回を無失点。また8月のENEOSとの試合でも2回で4三振を奪って無失点と好投の情報も聞かれる中で、短いイニングしか投げておらず、その内容も昨年の秋の状態よりはやや良くないという話も聞かれていた。
この日の日本通運戦では、3-2とリードした7回に2番手で登板をしたものの、先頭バッターに死球を与えると、連打を浴びて1点を許す。最速も146キロ止まりで本調子ではなかった。しかしなおも1アウト満塁のピンチだったが、「フォークに頼れた」とフォークボールを使い追加点は許さなかった。
1回3安打1死球1失点、チームは6-5で都市対抗出場を決め、ドラフト会議前のピッチングはこれで最後となる。「もう本当にすみません。ピンチばかりつくって情けない投球になった。とにかくチームが勝ってよかった」と話し、「最後のアピールの場所だと思っていたが、なかなかうまくいかず。ドラフトは関係なく、都市対抗ではチームに貢献する投球をしたい」と話した。
それでも高校卒3年目の150キロ右腕に、プロのスカウトの評価はそれほどは下がらないだろう。東京ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク「彼の評価ポイントは伸びしろなので」と話し、スカウトは2年生秋に投手に転向し、高校3年までの急成長、そして社会人2年目までの更なる急成長をした姿を見ており、プロでも成長をする投手とみている。
26日のドラフトを控え、最初で最後の公式戦。「最後のアピールの場所だと思っていたが、うまくいかなかった。ドラフトは関係なく、都市対抗ではチームに貢献する投球をしたい」と引き締めていた。
3-2と味方が逆転した直後の七回から2番手としてマウンドに上がったが、先頭にいきなり死球を与えると連打を浴びて同点のホームを許した。なおも1死満塁のピンチだったが、「フォークに頼れた」と落差のあるウイニングショットで勝ち越しは許さず。意地を示した。
第1代表となり「ピンチばかりつくって情けない投球になった。とにかくチームが勝ってよかった」。ヤクルトの橿渕聡スカウトGデスクは「彼の評価ポイントは伸びしろなので」と将来性に期待を寄せた。
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