第98回選抜高校野球大会第7日の第1試合。昨春王者の横浜を破り、21年ぶりの8強入りを目指した神村学園(鹿児島)は、近畿の雄・智弁学園(奈良)と延長10回タイブレークを戦ったが惜敗した。1回戦で横浜を完封したエース右腕、龍頭汰樹投手(3年)は、最速140キロながら抜群の制球力で、智弁学園のエース・杉本真滉投手と再びドラフト候補を相手に互角に投げ合った。右翼手の梶山侑孜選手(3年)がダイビングキャッチやレーザービームを見せ、甲子園に衝撃を残した。
痛恨の121球目、龍頭汰樹投手が好投も一球に泣く
龍頭汰樹投手は、初戦の横浜戦で見せた無四球完封の勢いそのままに、この日も7回まで無失点。智弁学園の強力打線を相手に、持ち前の精密な制球でスコアボードに「0」を刻み続けた。8回に中犠飛で今大会初失点を喫し、連続無失点記録は「16」で止まったが、その後も集中を切らすことなく延長へと持ち込んだ。170センチ、67キロと小柄な体躯をいっぱいに使い、140キロに満たない直球でも打者を抑え続けた。
1-1で迎えた延長10回表、タイブレークの無死一、二塁。打席に好打者の角谷哲人を迎えた。2ストライク1ボールと追い込みながら投じたフォーク、空振りを狙った球がストライクゾーンの真ん中付近に浮いた。「監督さんから低めにと指示を出されていたんですが、欲を出して浮いてしまった。その1球が甘かった(スポーツ報知)。」打球は一、二塁間を抜ける安打となり満塁に。その後、犠飛で勝ち越しを許した。今春から本格的に投げ始めたフォークだったが、初戦の疲労と相まった終盤の握力低下により、精密な制球力に狂いが生じた。
聖地を沸かせた梶山侑孜選手のスーパープレー連発
エースの125球の力投を支えたのはバックの守り、とりわけ右翼手・梶山侑孜選手のの鉄壁の守りが光った。最初の見せ場は3回だ。2死二塁のピンチで、右中間へのライナー性の打球に対し、梶山選手がダイビングキャッチ。甲子園のスタンドからは大きなどよめきが起きた。この回、失点を覚悟したエースの窮地を救う大きなプレーとなった。
さらに圧巻は1点リードで迎えた7回だ。1死二塁、右前への安打を捕球した梶山選手は、矢のような返球は捕手のミットへ吸い込まれ、同点を狙った二塁走者を完璧にアウトに仕留めた。プロでもレーザービームと表現されそうな送球でエースの窮地を再び救い、試合の流れを神村学園へと引き戻した。龍頭投手も「梶山のプレーに何度も助けられた」と心からの感謝を口にした。
「1球の大切さを学ばせてもらった。1球で負けることが分かった(サンケイスポーツ)。」龍頭投手の言葉には、一点の曇りもなかった。梶山選手ら堅実な野手陣と共に、横浜高、智弁学園と対戦した経験は、実力が全国区で有ることを証明した。夏は再び鹿児島から全国制覇に挑む。
【龍頭 汰樹】 プロフィール
- 氏名: 龍頭汰樹(りゅうとう・たいき)
- 所属: 神村学園高校(3年)
- 出身: 福岡県(久留米市立明星中-筑後ボーイズ出身)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投両打
- 身長・体重: 170cm、67kg
- 主な特徴や実績: 神村学園の背番号1。最速140キロの直球と精密な制球力が武器。選抜1回戦で横浜を完封し、48年ぶりの快挙を達成。中学時代には全国4強を経験し、遊撃手もこなす野球センスの持ち主。小田監督が説く「勝たせるエース」を目指し、精神面と変化球の精度を磨く。座右の銘は「己に勝つ」。
【梶山 侑孜】 プロフィール
- 氏名: 梶山侑孜(かじやま・ゆうし)
- 所属: 神村学園高校(3年)
- 出身: 鹿児島県
- ポジション: 外野手(右翼手)
- 投打: 右投左打
- 主な特徴や実績: 神村学園の守備の要。驚異的な脚力を活かした広い守備範囲と、本塁封殺を成し遂げるレーザービームの強肩が武器。智弁学園戦では守備でチームを何度も救うスーパープレーを連発し、全国にその名を轟かせた実力派外野手。1回戦の横浜戦でも堅実な守備で完封勝利を支えた。















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