盛岡大付・松本裕樹投手が痛み抱えながら投球も3失点完投、12球団スカウトのコメントまとめ

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 夏の高校野球大会、屈指の好カードとなった盛岡大付vs東海大相模の試合は、盛岡大付の松本裕樹投手と、東海大相模の青島凌也投手、吉田凌投手など140km/hカルテットの対戦が注目された。

 盛岡大付の松本裕樹投手は最速150km/hが注目されたが、この日は肘の痛みを抱えて投げ、変化球中心の投球で完投勝利を挙げた。最速143km/hだったが、プロのスカウトの評価は変わらない。

この日の投球内容は?

 最速150km/hの速球を投げる松本投手だが、この日の最速は143km/h、投球フォームも思い切り腕を振りきれていなかった。それでもスライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム、カットボールなどの変化球を打者の外角低めに配球し、強打の東海大相模打線を打ち取っていった。

 9回を投げて8安打を許すも7奪三振2四死球、3失点に抑え、盛岡大付の初めての夏の勝利に貢献した。

 

痛みを抱えて

 盛岡大会3回戦の一関一戦では148km/hを記録したが、疲労による肘の痛みで、それ以降は球速はあまり出ておらず。準決勝、決勝と連続で完投したものの、決勝では右ひじにテーピングをして投げていたという。

 その後、甲子園大会が始まってもノースローでマッサージや電気治療を行っており、登板前々日に25球、前日に19球を投げただけだった。

 この日の投球後に松本選手は、「疲れは取れた。体は問題ない」と話し、また、「もともと投げる気がなかった。相模が相手ですから。スピードを出すより低めで打たせようと思った」と、肘の痛みが無くても同じような投球をしたと強調したが、関口監督は、「今までどこかが痛いとかは言ったことは、一度もなかった。正直、県大会が終わって投げられない状態だった」と明かし、「痛みを抱えながらも良く投げた」と話した。

 松本選手の出身である神奈川の東海大相模を下し、「ここに来た判断は、正しいと証明できた。」と話した松本投手、「目指すべき場所は変わりません」と、甲子園の頂点を目指す。それは相手との戦いだけでなく、自分の身体との戦いにもなる。

 

不調もプロのスカウトの評価変わらず

 この投球にプロのスカウトは、不調であることを把握しながらも高い評価をしている。

●巨人・原沢GM:「予選段階でのスカウトからの報告からすると、本調子ではないのかな。でも、変化球を制球して試合をつくる力は非凡のものがある。鍛えてみたい素材」

●巨人・山下哲治スカウト部長:「コントロールと変化球を重視した投球でゲームをつくった。球質もいいし、フィールディングもうまい。上位には間違いなく挙がってくるでしょう。」

●中日・中田宗男スカウト部長:「カットボールとスライダーがいい。直球の出来は良くなかったかもしれないけど、その時の状況に応じた投球ができる。」

●中日・米村スカウト:「底知れない素質が垣間見える。(日本ハムの)大谷を目指して欲しいし、近いものを持っている」

●広島・苑田聡彦スカウト統括部長:「きょうの内容で評価が変わることはない。素材としては(ドラフトで)上の方でしょう。」

●阪神・中村勝広GM:「なんか持っている。外へのコントロールだったり、不思議な投手。きょうは彼本来の投球ではなかったと思う。それでも変化球、真っすぐのコントロールだけで相手打者のバットの芯を外していた。安楽とは違うタイプ。少し古いかもしれないが、俺の世代で言うと北別府学のイメージ。当然上位でしょ。捨てきれないピッチャー」

●横浜DeNA・吉田編成スカウト部長:「スピードよりも、投球術のうまさを見せてたね。間違いなく上位候補」

●東京ヤクルト・鳥原チーフスカウト:「能力の高さを見た。速いボールがあるのに調子が悪いため変化球主体。本来のストレートではない事は残念ですが、高校生ができることじゃない。野球選手としてのセンスがある。1位候補になる素材。」

●福岡ソフトバンク・永山勝アマスカウトチーフ:「変化球の切れがいいし、センスもいい。将来伸びていく可能性を感じる」

●オリックス・中川隆治編成部アマスカウトチーフ:「出来としては良くなかったかもしれないが、コントロールがいいし、ベースを広く使う工夫が見られた。将来が楽しみ。」

●北海道日本ハム・山田GM:「素材は一流。どういう状態のときにどう投げていくべきかが分かっている」

●埼玉西武・奥薗編成部長:「緩い変化球主体で投げるセンスを感じた。能力がなければできない投球術だった」

●東北楽天・早川スカウトマネジャー:「打者に思うようなスイングをさせない。速いストレートがあるよと見せながら緩急を使う投球術がある。上位候補なのは間違いない」

●千葉ロッテ・林球団本部長:「真っすぐは本来のものではないかもしれませんが、変化球が多彩。ランナーを出しても動じないで投げている。」

●千葉ロッテ・松本統括:「基本の投球、マウンドさばきは、高校生のそれではない。ゲームをつくっていた」

 

 この日の投球でストレート以外の変化球や指先の感覚、投球術やフィールディングなど、その他の投手として必要な能力を確認し、また、試合への姿勢だったりチームでのプレーというものも確認できたのだと思う。

 肘のケガが治れば、これらの総合力の高さも合わせてプロでもエース級のピッチングができそうだ。とにかく、これ以上肘の状態が悪くならない事を願うしかない。

  速球勝負を避けた要因の一つに、実は右肘の痛みがあった。7月24日の岩手大会決勝では、7回から痛みを訴え、右肘をテーピングして完投した。

 以降はノースロー調整を続け、11日の開会式終了後には、新幹線に飛び乗って神奈川の整体院へ直行。極秘でマッサージや電気治療を行った。松本は「疲れは取れた。体は問題ない」と弱音を吐かないが、関口清治監督(37)は「今までどこかが痛いとかは言ったことは、一度もなかった。正直、県大会が終わって投げられない状態だった」と明かした。

 それでもスライダーを軸にカーブ、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム、カットボールと多彩な変化球を駆使。直球も3種類のスピードを使い分け、幻惑した。変化球は練習中、遊び半分で習得したものだ。「あれが本来の投球」と語る関口監督も「指先の感覚がプロに近い。7、8割の力で打たれないところに制球できる。それは教えられるものではない」と天性の能力を絶賛した。

 「もともと(スピードボールは)投げる気がなかった。相模が相手ですから。スピードを出すより低めで打たせようと思った」。松本は平然と言った。123球中、140キロを超えたのはわずか9球だけ。カーブ、スライダー、ツーシーム、カットボール、フォークボール、チェンジアップの6種類の変化球に加え、直球も120キロ台、130キロ台、140キロ台と投げ分け、「9球種」の組み立てで翻ろうした。奪った三振は7個だったが、13アウトを内野ゴロで奪った。

 この背景には右肘が悲鳴を上げていたこともあった。岩手大会で5試合、42回を投げた疲労から、右肘が炎症を起こし、7月24日の花巻東との同大会決勝戦以降は治療に専念。8月14日にようやく打者相手に25球を投げ、前日はブルペンで軽めに19球。ほぼ、ぶっつけ本番のマウンドで、勝つための投球に徹した。

 ▼巨人・山下哲治スカウト部長 コントロールと変化球を重視した投球でゲームをつくった。球質もいいし、フィールディングもうまい。(ドラフトの)上位には間違いなく挙がってくるでしょう。

 ▼中日・中田宗男スカウト部長 カットボールとスライダーがいい。直球の出来は良くなかったかもしれないけど、その時の状況に応じた投球ができる。

 DeNA・吉田編成スカウト部長
 「スピードよりも、投球術のうまさを見せてたね。間違いなく上位候補」

 
ヤクルト・鳥原チーフ
 「能力の高さを見た。速いボールがあるのに、調子が悪いため、変化球主体。高校生ができることじゃない」

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