今年のドラフト候補について、各カテゴリ別に傾向を分析していく。今日は高校生捕手。
1位指名はあるか
高校生捕手といえば、2021年には千葉ロッテが市和歌山の松川虎生捕手を1位指名すると、2022年には横浜DeNAが大阪桐蔭の松尾汐恩選手を1位指名し、松川選手は1年目から1軍でマスクをかぶり、松尾選手もファームでは抜群の成績で1軍に顔を出していて、二人は順調にプロの階段を歩んでいるように見える。
高校生捕手というとこのように、ドラフト1位選手が飛び出してくる傾向がある。チームの要として、中心的な役割を担うポジションであり、また、打撃と両立するのが難しい中で、古田敦也選手など打撃も伴った捕手が出てくると、チームの打線に隙がなくなって強くなる。
特に近年は投手の出力が上がり、野村克也氏などの時代よりは、データの使い方とそのリードが職人的なものではなく、ITを使った分析などで、その比重はやや低くなっている感じもし、これからは打撃のある捕手が注目されていくのではないかと思う。しかし、ランナーを抑え込む重要性は変わらず、ベースとして肩の強さと2塁への送球時間、正確さがあり、その中で強打の選手が評価されることになりそうだ。
その中で今年の高校生捕手は、現時点でプロ志望届を提出選手では、健大高崎の箱山遥人捕手、横浜高の椎木卿五選手、大阪学院大高の志水那優捕手、エナジックスポーツ高等学院の龍山暖捕手が注目されている。椎木選手は右の強打者として、志水選手と龍山選手は低く伸びる送球が注目されている。
その中で健大高崎の箱山選手は、センバツで2年生投手を好リードして優勝に導くなど実績十分で、特に右打者としては今年の高校生でトップクラスの選手と評価する。
プロも当然、肩の強さ、強打、そしてリーダーシップや実績もある捕手として評価をしていたが、夏の高校野球ではプレッシャーがある中でプレーを続け、甲子園では攻守共に持ち前のプレーは見せられず、侍ジャパンU18代表では正捕手が熊谷俊乃介選手となり、箱山選手はブルペンで球を受けていた。
昨年のドラフト会議を見ると、注目された堀柊那捕手、鈴木叶捕手、寺地隆成捕手が4位から5位で指名されたところを見ると、そのくらいを想定する球団もあるだろう。しかし、鈴木選手、寺地選手が打撃でもレベルの高さを見せてそれぞれチームのプロスペクトになっており、箱山選手を右の強打者としての姿もみながら、ドラフト会議では3位くらいと評価になるのではないかと思う。
ただし、特に大学生の捕手に候補がやや少ない事や、松川選手クラスの打撃と評価し、将来の正捕手候補や右の中軸候補として評価した球団が1位に持ってくる可能性もあると思う。何度も書くが、高校生捕手は1位に飛び出してくる可能性が十分ある。
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