大阪商業大が大阪経済大に2-1で勝利し、リーグ優勝を決めた。ドラフト注目の渡部聖弥選手が、リーグ新記録の120安打を捨て、送りバントを決めて逆転サヨナラ勝利に貢献した。
迷うことなく
9回表に1点を勝ち越された大商大は、その裏にノーアウト1,2塁のチャンスとなり、渡部聖弥選手の打席を迎えた。リーグ通算119安打とし新記録にあと1本という打席で、誰もがその打撃で勝利を取りに行くと思ったが、渡部選手は迷うことなく送りバントを決め、1アウト2,3塁とした。
「記録はどうでもいい。打っても走者を還せる自信はあった。でも安打の確率より、1死二、三塁の方が点が入りやすいと冷静になって考えました」と話す渡辺選手、その後、相手のエラーで同点とすると、サヨナラ打が飛び出して大商大が優勝した。富山監督も「自分よりチームのことを考え、選択した人間性が素晴らしい」と話した。
大学2年からチームの主軸となっていたが、「自分がバントをするなら、こういう緊迫した場面しかない」と送りバントの練習も欠かさずに行っていた。この日のプレーはスラッガーの凄さというより、選手としての凄みを感じさせるものだった。この日は阪神が2人態勢で視察するなど3球団のスカウトが視察をしたが、同じような感じを抱いたのではないかと思う。
今季は打率.438で首位打者を獲得、MVPにも輝くとともに、今季はサードでプレーをして三塁手のベストナインにも初めて選ばれた。4年間の成績は、85試合に出場してリーグ記録タイの119安打を放ち、打率.353。またホームランは通算9本だった。
11月1日からは明治神宮大会出場をかけた関西地区大学野球選手権が開催するが、「この勝ちは大きいので、全国につなげていきたい」と渡部選手は話した。その前の10月24日にはドラフト会議が行われ、ドラフト上位での指名を受けての戦いになると思う。
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