東京六大学リーグでは、首位の慶応大(慶大)を追う明治大(明大)が早稲田大(早大)に10-3で大勝。対戦成績を2勝0敗として貴重な勝ち点「3」を獲得した。この試合では大学屈指の俊足で今秋のドラフト上位候補に挙がる明大の韋駄天・岡田啓吾内野手(4年=前橋育英)が1戦目での延長10回決勝打に続き、リーグ5年ぶりとなる劇的なランニング本塁打を放つなど、縦横無尽の大暴れを見せてプロのスカウトにアピールした。
奇跡の強行軍。「一試合一打席に魂を込める」執念が呼んだ10回決勝適時打
昨年12月の侍ジャパン大学代表候補強化合宿で50m走5秒69という驚異的なスピードを見せた岡田啓吾選手だったが、今月2日の立教大1回戦で走塁の際に左手首を痛め、下された診断は「左手首靭帯損傷、全治最長3ヶ月」。大学生活最後の春、そして悲願のプロ入りへ向けて、絶望とも言える離脱になるはずだった。しかし岡田選手は「一試合も落とせない。一試合一打席に魂を込めたい(スポーツニッポン)。」と語り、その強い覚悟で懸命にリハビリを続け、驚異的な回復力でわずか2週間での復帰を果たした。
復帰初戦となった16日の早大1回戦。4-4の同点で迎えた延長10回表、1死満塁の勝負所で打席に立つと、痛む手首を感じさせない鋭いスイングでレフトへ痛烈な二塁打を放った。2点を追加して一挙5得点となる猛攻を呼び込み、大一番での勝利に大きく貢献した。戸塚俊美監督も「岡田がいるとチームが締まる(スポーツニッポン)」と、その圧倒的な存在感を絶賛していた。
リーグ5年ぶり、50m5秒69の快足が神宮を切り裂いたランニング本塁打
そして、完全復活を決定づけたのがこの日の2回戦だ。「2番・二塁」で先発出場した岡田選手は、6-0とリードして迎えた6回1死、第4打席で右翼へ鋭いライナーを放った。早大の右翼手がダイビングキャッチを試みるもわずかに届かず、白球が後方へ転がった瞬間、怪物級のスピードで神宮のダイヤモンドを一周する。二塁、三塁をスピードを落とすことなく加速しながら駆け抜け、本塁への返球よりも一瞬早くヘッドスライディングで生還。大きなガッツポーズとともに、リーグでは2021年春の道原慧(立大=現NTT東日本)以来、5年ぶりとなるランニング本塁打を達成した。
岡田選手は「行くしかないと全力で走りました(スポーツニッポン)。」と語った。さらに4回には二盗を決め、7回にはレフト前へ駄目押しの2点適時打を放つなど、3安打3打点1盗塁の獅子奮迅の活躍を見せた。
巨人・榑松SD「あの脚力は大学一」
ネット裏に詰めかけたプロのスカウト陣も、岡田選手が見せた「絶対的なスピード」に驚愕した。読売ジャイアンツの榑松伸介スカウトディレクターは、岡田選手の走力に対してこれ以上ない賛辞を送った。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「あの脚力は大学一ですね。」
昨秋ベストナインに輝いた高い打撃技術に加え、プロの編成トップが「大学随一」と認める走塁のスペシャリストとしての才能。4回に記録した盗塁についても、「投手の予備動作を見て、自分から狙いにいった(スポーツニッポン)」と語る通り、単なる足の速さだけでなく、観察眼と状況判断能力が備わっていることを証明した。俊足の選手も含めた選手の層を厚くすることを目指す巨人にとって、この足のスペシャリストは欲しい選手の一人だろう。
慶大との「最終決戦」へ。「自分たちは勝つことしかできない」
早大に連勝したことで、明大は勝ち点を3に伸ばし、首位の慶大をピタリと追走する位置を守った。優勝、そして全日本大学野球選手権への切符を掴むためには、もはや一戦も落とせない。岡田選手は「自分たちは勝つことしかできない。目の前の一戦に全員で入ることができた結果だと思います(スポーツ報知)。」と話す。
中央大の五十幡亮汰選手が、中学時代からのその瞬足が注目され、2020年に北海道日本ハムにドラフト2位で指名され、プロでもその快足で得点を奪うシーンを見せている。岡田選手も二塁を守り、そしてその快足でプロ野球で名場面を作り出すような選手となりそうだ。
【岡田 啓吾】 プロフィール
- 氏名: 岡田啓吾(おかだ・けいご)
- 所属: 明治大学(4年)
- 出身: 群馬県高崎市(高崎ボーイズ-前橋育英高卒)
- ポジション: 内野手(二塁手)
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 171cm、72kg
- 主な特徴や実績: 50メートル走5秒69を誇る大学野球界No.1の韋駄天。2026年春の明早戦2回戦でリーグ5年ぶりとなるランニング本塁打を記録。左手首靭帯損傷の重傷を負うも、わずか2週間で奇跡の復帰を果たした。巨人・榑松SDが「大学随一の脚力」と絶賛する、2026年ドラフト上位候補。










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