左肩の故障によりフォーム改造に取り組みながら結果が出ていなかった東大の宮台康平が、この日、20日ぶりにリーグ戦で登板し、手ごたえをつかむピッチングを見せた。この試合には阪神の首脳陣が集結して視察し、ソフトバンク、広島なども視察をした。
手応え投球
昨年に左肩を痛め、この春は肩の負担を小さくするフォームに変えて臨んだものの、先発して5回を投げたのは1試合だけの0勝3敗、四球を連発してランナーをためて痛打を浴びるなど、防御率10点台の投球が続いていた。4月30日の早稲田大のカードで2回7失点してから登板はせず、「自分の投球フォームを見つめ直して、ゼロからやってきた」と、フォームづくりをしていた。
この日は5回1アウト1,3塁の場面で3番手として登板すると、このピンチを145キロのストレートで押して切り抜け、その後の3イニングを無失点に抑えた。3回2/3を投げて2安打2奪三振無失点、四死球は3つを与えたものの、これまでのピッチングに比べ、ようやく結果を残した。「個人的には投げられて自信になった。」と話した。
スカウトも評価
肩痛やフォーム改造の影響によりスカウトも評価ができない状態が続いていたが、ようやく評価できそうな投球が見られた。
この日は阪神が高野本部長、和田SA、佐野アマ統括スカウトなど首脳陣が集結して宮台投手を視察し、和田SAは「いい選手というのは分かっているし、今日もいいボールがあった。」と評価、さらに「指がかかったときのボールはよかった。もうちょっとスピードが上がってくると、高めのボールでファウル、空振りが取れる。」と話し、今後さらに良くなってくると話した。
また福岡ソフトバンクの山本スカウトは「尻上がりに良くなった。今日の約4イニングが彼によっていいきっかけになると思います。最終カードで自信を取り戻せたのは大きい」と話すと、広島の苑田スカウト部長は「まだまだだ。こんなもんじゃないが、良くなってきた」と話した。
春のリーグ戦最後に、手応えを掴む投球を見せ、夏は再びフォーム固めに入る。本格的な宮台投手の評価は秋のリーグ戦に持ち越しとなるが、150キロを投げる左腕投手として注目され続ける。
最速145キロの直球を主体に、法大打線を無失点に封じた左腕。高野本部長、和田SA、佐野アマ統括スカウトがそろって視察するのは異例とも言える中、ドラフト上位候補の片りんを見せた。
昨年春から秀才左腕の投球を見てきた和田SAは「いい選手というのは分かっているし、今日もいいボールがあった。もう少しスピードが出てくると、高めのボールでファウルが取れる」と評する。
和田SAは「指がかかったときのボールはよかった。もうちょっとスピードが上がってくると、高めのボールでファウル、空振りが取れる。(素材が)いいのは分かっている」と話した。
阪神・和田豊オーナー付シニアアドバイザーらの前で快投を見せた左腕は「自信になった。次は最後なので、投げる準備をしたい」と気合を入れた。
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