東都大学野球リーグ3部に所属する上智大学から、初のNPB選手誕生の可能性がある。最速153キロを誇る右腕・正木悠馬投手（4年＝米レドモンド）が、今秋のドラフト会議に向けてプロ志望届を提出する決断をしたことが2日、明らかになった。中学2年から高校までアメリカ・ワシントン州で過ごし、帰国生入試で上智大学に入学したという異色の経歴を持つ正木投手。その潜在能力にすでに複数のNPB球団が視察に訪れるなど注目されており、プロ入りへの想いが強くなった。
「育成でも行きたい」異色の経歴持つ153キロ右腕、無限の可能性
正木悠馬投手は179cm80kgの右腕投手で、最速は153キロを記録する。1歳の時に父親の仕事の都合でアメリカ・アラスカ州へ渡り、小学1年生で日本に戻るも、中学2年から高校卒業までは再びアメリカ・ワシントン州で生活。レドモンド高校で野球をすると様々なポジションを経験し、また、クロスカントリーにも挑戦するなど、多様なスポーツに触れた。大学は帰国生入試で上智大学に合格して帰国し、「一番楽しかった投手をやってみよう」と大学で投手に専念すると、その才能が一気に開花した。
上智大学の吉田裕監督は「パワーがすごい」と話す。正木投手はデッドリフトで200kg以上を持ち上げ、ボックスジャンプは150cmを軽々とクリア。さらに50m5秒7の俊足に、遠投115mの強肩と、まさにアスリート。投手として大学1年時には最速140キロだったが、今春の東都3部リーグ戦では最速153キロを計測した。
この急成長右腕も徐々に注目度が高くなり、すでにNPBのスカウト達も注目し、続々と視察に訪れているという。そして正木投手も「プロに行きたいです。育成でも行きたいですし、高いレベルで野球がやってみたいと思っています」と話し、プロ入りへへ強く決断をした。
独学で磨いた才能に東都1部・国学院大の鳥山監督も「魅力的なプロセスとキャラクター」と評価
正木投手はこれまで投手コーチから専門的な指導を受けた経験がほとんどなく、インスタグラムで海外の投手の動画を参考にするなど、独学でピッチングを磨いてきたという。今春リーグ戦前には、東都1部の強豪・国学院大学の練習に1日参加。「レベルが高く、本当に楽しかった」と話していた。
その際に正木投手のピッチングを見た国学院大学の鳥山泰孝監督は、「バネがあり、身体能力が高い。決まった時のボールの質、強さはいいものがある」とそのポテンシャルを称賛。さらに「伸びしろがあり、多様性の時代に魅力的なプロセスとキャラクターを備えた選手」と、その異色の経歴と将来性に大きな期待を寄せた。
上智大学では昨秋、1学年先輩のユエン凱投手（23）が同部初のプロ志望届を提出し、BCリーグの福島レッドホープスに入団した。185cmから145キロの速球を投げる先輩からの「お前なら行けるよ」という言葉も、正木投手のNPBへの思いを強く後押ししたという。就職活動もやめ、野球継続一本に進路を絞った正木投手。無限の可能性を秘めた異色の右腕が、夢のプロ野球選手へ向けてさらに注目度を増していく。東都3部リーグにも多くの観戦者が訪れることだろう。
正木悠馬投手 プロフィール
- 氏名：正木 悠馬（まさき ゆうま）
- 生年月日：2002年11月19日
- 出身地：横浜市
- 経歴：月島ライオンズ（豊海小2年） – 練馬ボーイズ（銀座中） – レドモンド高校（米ワシントン州） – 上智大学（4年）
- 投打：右投左打
- 身長・体重：179cm・80kg
- ポジション：投手
- 主な特徴や実績：最速153キロのストレートを投じる右腕。フォーク、カーブ、カット系スライダー、ジャイロスライダーを操る。中学2年から高校卒業までアメリカで過ごし、帰国生入試で上智大学に入学。大学1年春に救援でリーグ戦初登板。NPB複数球団が注目。デッドリフト200kg以上、ボックスジャンプ150cm、50m走5秒7、遠投115mと高い身体能力を持つ。好きな芸能人はサンドウィッチマン、オードリー。
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