昨年の日本選手権の覇者・トヨタ自動車(豊田市)が、都市対抗大会東海地区2次予選の第1代表決定戦で西濃運輸(大垣市)に9-0と差をつけて勝利し、11年連続27度目となる本大会出場を決めた。投げては日本選手権MVP左腕・増居翔太投手(25)が6安打完封、打っては2年目の熊田任洋内野手(24)が今大会2号となる3ランを放ち、相手を圧倒した。
ドラフト指名解禁、熊田任洋選手が決勝3ラン「勝利に貢献できたことが一番うれしい」
試合の流れを決定づけたのは、今年2年目でドラフト指名が解禁となる1番・熊田任洋選手の一振りだった。2回、徳本健太朗選手のタイムリー二塁打で1点を先制し、なおも1死二、三塁のチャンスに、熊田選手は追い込まれながらも高めの変化球を振り抜くと、打球はライトスタンドへ吸い込まれる3ラン本塁打となった。「打った瞬間に入ったかな」という会心の一撃で、序盤に大きなリードを奪った。
この日は初回の第1打席でもライト前ヒットを放っており、今大会は4試合で打率.388、2本塁打と大活躍を見せ、この大会の優秀選手に選ばれた。熊田選手は「まずは出場権を獲得できた。勝利に貢献できたことが一番うれしい」と笑顔を見せ、「社会人野球といえば、都市対抗。その舞台で優勝したい思いが強い」と、2年ぶりの王座奪還へ向けて力強く語った。
チームも熊田選手の3ランの他にも4回までに9点を奪い、西濃運輸を圧倒しての第1代表での本戦出場となった。
エース増居翔太投手、圧巻の6安打完封!「日本一が目標」
また、投げてはエースの増居翔太投手が圧巻の投球を見せた。昨秋の日本選手権で最高殊勲選手賞を獲得した左腕は、この日も安定感抜群で、西濃運輸打線を相手に9回6安打8奪三振2四死球で完封勝利を挙げた。
増居投手は都市対抗に忘れ物をしてきてしまっている。昨年は王者として臨んだ都市対抗本戦で、2回戦の三菱重工East戦で先発し6回4安打8奪三振で2失点にまとめる投球を見せたものの、降板した次のイニングに後続の投手が7点を失い、試合は2−9で敗れた。これによって増居投手は大きく成長し、日本選手権では無双の投球でMVPを獲得している。
投打の歯車が完璧に噛み合い、東海地区第1代表の座を掴んだトヨタ自動車。藤原航平監督は「苦しい予選で第1代表になった選手たちを誇りに思う。我々は日本一を目標に掲げていますので、ここからさらにレベルアップして東京ドームで暴れ回りたい」と、本大会へ向けての意気込みを語った。そして熊田選手にとっても、増居投手にとってもプロ入りの可能性を掴むための大きな舞台であることは間違いなく、そしてチームにしっかりと恩返しをして飛び立つためにも、大きな活躍が必要だ。
都市対抗本戦でも優勝候補の筆頭にくるであろうトヨタ自動車の戦いに注目したい。
熊田任洋選手 プロフィール
- 氏名:熊田 任洋(くまだ たかひろ)
- 年齢:24歳
- 所属:トヨタ自動車(2年目)
- ポジション:内野手
- 投打:調査中
- 主な特徴や実績:2025年都市対抗東海地区2次予選で優秀選手賞(MVP)を受賞。打率.388、2本塁打を記録。第1代表決定戦では決勝の3ラン本塁打を放った。
増居翔太投手 プロフィール
- 氏名:増居 翔太(ますい しょうた)
- 年齢:25歳
- 所属:トヨタ自動車
- ポジション:投手
- 投打:調査中
- 主な特徴や実績:2025年都市対抗東海地区2次予選の第1代表決定戦で6安打完封勝利を挙げる。2024年秋の社会人野球日本選手権では最高殊勲選手賞を受賞。


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