関西六大学野球春季リーグでは、2季ぶりの王座奪還を狙う大阪商業大が、昨秋王者の京都産業大に10-0で大勝し、勝ち点を「4」(9勝2敗)として、同じく勝ち点で並んだ龍谷大を勝率で上回って2季ぶり29度目のリーグ優勝を達成。6月8日に開幕する第75回全日本大学野球選手権大会(神宮、東京ドーム)へ出場を決めた。来年のドラフト上位候補として注目される大砲・真鍋慧外野手(3年=広陵)が4安打4打点の大暴れで、今春は打撃三冠級の活躍を見せた。最優秀選手賞(MVP)を獲得した不屈のエース・星野世那投手(4年=近江)など、ドラフト注目軍団が選手権に出場する。
真鍋慧が5打席全出塁&4打点の大暴れ
真鍋慧選手は初回2死一塁、最初の打席で放った遊撃への内野安打の際、一瞬走塁を怠ったことで、ベンチの冨山陽一監督から「(次の回から)下げようかと思った」と、懲罰交代になりそうだった。しかし、この反省が怪物スラッガーの闘志に火をつけた。
4回2死二塁の好機で、相手投手の直球を捉えてセンターオーバーの適時二塁打を放つと、6回1死満塁では左中間を破る走者一掃の3点適時二塁打をマーク。終わってみれば4安打1四球、5打席すべてで出塁し、4打点の大暴れを見せた。真鍋慧選手は「打点も稼いでますし、いい場面で打てた。確率性も上がっていますし、長打も増えているのでよかった。いい結果が出た。」と、満面の笑みで手応えを語った。今春は打率.472(リーグ2位)、17安打(同2位)に加え、リーグトップの3本塁打、15打点、出塁率.620を記録。昨春、不祥事により決定していた全日本大学選手権の出場を辞退せざるを得なかったが、「折れずに頑張ることしかできなかった(スポーツ報知)」という主砲が、大商大を再び全国の頂点を争う舞台へと連れ戻した。
エース星野世那がMVP獲得、投打二刀流・中山優月も5回零封でベストナイン
大商大の王座奪還を支えたのは、戦国リーグを勝ち抜いた強力な投手陣だ。リーグ最優秀選手(MVP)に輝いたのは、今季4勝を挙げ、16日の1回戦で10K完封の快投を見せたエース左腕・星野世那投手だ。昨秋は左肘痛の影響で戦戦を離脱し、チームの8連覇が途絶える悔しさを味わったが、ラストイヤーとなるこの春に完全復活。「きょう(17日)ももし必要とされる場面があるのであればどこかでいくつもりではいた(日刊スポーツ)」と語るエースの覚悟が、投手陣全体を引き締めた。
この日の先発マウンドに上がったのは、ベストナイン(投手部門)に選出された二刀流の中山優月投手(3年=智弁学園)だった。初回に竹田陽翔内野手の適時打などで先制をもらうと、5回をわずか1安打無失点に抑え込む完璧なマウンド。6回からはDH制を解除して遊撃の守備に就く万能ぶりを発揮し、完勝劇をプロデュースした。星野、中山、そして救援陣が京産大打線を完封し、他校を圧倒する投手王国が完成した。
「先に頭を打ってよかった」。春山陽登主将が語る開幕節の敗戦と8連勝の絆
チームを率いる主将の春山陽登外野手(4年=敦賀気比)にとっても、このリーグ優勝は特別な意味を持つ。今春、開幕カードの大阪経済大戦でいきなり勝ち点を落とし、誰もが動揺しかねないスタートだった。しかし、春山主将は「これはリーグ戦だが、一戦も落とせないトーナメントだ。負けてよかったなと思えるようにやっていこう(スポーツニッポン)」とナインに熱く語りかけ、チームを結束させた。そこから破竹の8連勝で頂点へと駆け上がった。
2季ぶりの優勝を果たした大商大。次なる標的は、6月8日から神宮球場および東京ドームで開催される全日本大学野球選手権大会での「悲願の初優勝」だ。2021年、2022年に明治神宮大会で2年連続の準優勝を果たし、全国にその名を轟かせたが、いまだ「日本一」の栄冠には届いていない。
「一戦一戦集中して勝ちたい(デイリースポーツ)」と決意を語る真鍋選手。エース星野世那の左腕、主砲・真鍋選手や春山選手のバット、そして中山優月の万能ぶり。これらに注目選手が状態を上げながらリーグを制しており、この春は大きなチャンスと言える。そして各選手の全国の舞台でのアピールは、秋のドラフト会議へと直結していく。
【春季関西六大学野球 主要表彰選手】
- 最優秀選手賞(MVP): 星野世那(大商大4年・初)
- 最優秀防御率賞: 藤本颯太(龍谷大4年=0.41・初)
- 首位打者: 市橋昂士(龍谷大4年=4割8分9厘・初)
- 平古場賞(新人賞): 秋山昌広(龍谷大2年)
【ベストナイン】
- 投手: 中山優月(大商大3年=2回目、外野手で1回)
- 捕手: 杉本晴基(大経大2年=初)
- 一塁手: 坂東泰樹(京産大4年=初)
- 二塁手: 田村颯麻(龍谷大2年=初)
- 三塁手: 松原慶太(京産大4年=初)
- 遊撃手: 権田結輝(大商大2年=2回目、三塁手で1回)
- 外野手: 春山陽登(大商大4年=3回目)、真鍋慧(大商大3年=3回目、指名打者と一塁手で各1回)、市橋昂士(龍谷大4年=3回目)
- 指名打者: 佐藤希興(龍谷大4年=初)
【真鍋 慧】 プロフィール
- 氏名: 真鍋慧(まなべ・けい)
- 所属: 大阪商業大学(3年)
- 出身: 広島県(瀬戸内市立長船中-広陵高卒)
- ポジション: 外野手(中堅手)
- 投打: 右投左打
- 主な特徴や実績: 高校通算62本塁打を誇る「広陵のボンズ」。大商大進学後も中軸を担い、2026年春季リーグ最終節で4安打4打点と爆発。今春打率.472、3本塁打(リーグ1位)、15打点(リーグ1位)を記録し3度目のベストナイン。高いミート力と圧倒的な長打力が魅力の2027年ドラフトの超目玉候補。
【星野 世那】 プロフィール
- 氏名: 星野世那(ほしの・せな)
- 所属: 大阪商業大学(4年)
- 出身: 滋賀県(近江高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 179cm、78kg
- 主な特徴や実績: 最速149キロ。キレのある直球と得意のチェンジアップを操る本格派左腕。近江高時代は西武・山田陽翔と共に甲子園ベスト4。2026年春季リーグにて4勝を挙げ、最優秀選手賞(MVP)を獲得。2026年ドラフト候補。














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