夏の高校野球に臨む大阪桐蔭は28日、大阪府大東市内のグラウンドで練習を公開し、今秋ドラフト候補の二枚看板、森陽樹投手(3年)と中野大虎投手(3年)が、最後の夏へ向けて順調な仕上がりを見せた。この日は投球解析機器「ラプソード」による測定を行い、森投手はプロでもトップクラスとなる2700回転という驚異的な数値を記録、ポテンシャルの高さを数字でも証明した。
プロでも上位1割!森陽樹投手、回転数2700をマーク
森陽樹投手は「そんなに出ていると思わなかったのでビックリした」と話した。ブルペンでの投球でラプソードの計測を行うと、直球の回転数は驚異の2700を記録した。プロの平均が約2200回転とされ、現役時代の阪神・藤川球児氏や才木浩人投手に匹敵する数値だという。データ解析を担当したネクストベース社の森本崚太アナリストも「僕が今まで測ったプロを含めて何百人の中でも、上位1割なのは間違いない。回転軸が改善されるともっとよくなる、スケール感のある選手です」と、そのポテンシャルを絶賛した。
この日のブルペンでは約40球を投じ、最速は150.7キロ、平均でも146キロをマーク、疲労が蓄積している中でも力のある球を投げ込んだ。今春の近畿大会では初戦で東洋大姫路にコールド負けを喫した悔しさが、森投手をさらに成長させた。「あの試合があったからまた気持ちが入った。バッターに向かって攻め込む、誰が見ても圧倒しているなと思われるようなピッチングがしたい」と、夏の雪辱を誓う。
チームは、各地に向かい、東海大相模、関東第一、横浜といった強豪校との戦いは、日体大との対戦など、強いチームとの練習を積み重ねてきた。その中で森投手は課題も見つけながら、最後の夏への体力強化を続けてきた。
190cmから153キロを投げる投手で、高いポテンシャルは高校1年時の時にすでに見せている。ただし、2年時、3年時は、大舞台で結果を出せなかったりと、成長の過程でやや苦しんでいたと思う。最後の夏にその力を一気に開花させ、上のステージへと進みたい。
主将・中野大虎投手「日本一を達成して終わりたい」
最速149キロの速球を投げるもう一人のプロ注目右腕、そして主将としてチームをまとめる中野大虎投手もこの日、投球練習を公開した。森投手と比較されながらも、試合で勝てる投手として実績を積み、昨夏の甲子園では初戦の興南戦で完封勝利も飾った。しかし、新チームでは秋春ともに近畿大会初戦で敗退しており、「自分の代では甲子園に出場していないので、まずは甲子園に出場して、そして大阪桐蔭の目標である日本一を達成して、高校野球を終えたいという気持ちでいっぱいです」と、並々ならぬ決意を語る。
強豪チームとの練習試合を重ね、チームの課題を「波があること」と分析し、ミーティングを重ねてチームの立て直しを図ってきた。「逆転勝ちや序盤から点が取れている。長所は伸ばして、ダメな時にどう考えるかアプローチができている」と手応えを掴んでいる。自らの持ち味である制球力にさらに磨きをかけ、森投手との二枚看板で常勝軍団を夏の頂点へと導く。
森陽樹投手 プロフィール
- 氏名:森 陽樹(もり はるき)
- 生年月日:2007年8月1日
- 出身地:宮崎県延岡市
- 経歴:東海東少年野球クラブ(小1) – 聖心ウルスラ学園聡明中学校(軟式野球部) – 大阪桐蔭高校(3年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:190cm・88kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速153キロ、身長190cmを誇る今秋ドラフト候補の大型右腕。直球の回転数はプロトップクラスの2700回転を計測。2年春夏に甲子園出場。昨夏2回戦で敗戦投手となり、雪辱を期す。50メートル走6秒7、遠投120メートル。
中野大虎投手 プロフィール
- 氏名:中野 大虎(なかの だいと)
- 生年月日:2007年6月18日
- 出身地:大阪府和泉市
- 経歴:大阪泉州ボーイズ(小6~) – 浜寺ボーイズ(中学) – 大阪桐蔭高校(3年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:180cm・79kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:プロ注目の最速149キロ右腕。大阪桐蔭の主将を務める。2年春夏に甲子園出場経験があり、昨夏初戦の興南戦では完封勝利を飾った。制球力が持ち味。50メートル走6秒3、遠投115メートル。







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