東都大学野球の春季リーグ戦個人タイトル表彰式が29日、都内で行われ、青山学院大学を史上4校目の5連覇に導いた今秋ドラフト上位候補のエース・中西聖輝投手(4年・智弁和歌山)が、最高殊勲選手(MVP)、最優秀投手、ベストナイン(投手)の3冠の表彰を受けた。侍ジャパン大学日本代表にも初選出されており、7月の日米大学野球選手権へ向けて闘志を燃やす。
「周りに感謝しながら、もっと頑張ります」
中西聖輝投手は今春、ドラフト上位候補としても、連覇のかかる王者としても注目される中で、トップの6勝(2敗)を挙げると防御率でも1.41で2位(1位は亜細亜大・山城京平投手の1.39)、奪三振87もダントツのトップで、これだけレベルの高いリーグながら70回1/3で87奪三振という驚異的な奪三振率も見せている。
まさに圧巻の投球でチームを5連覇に導いたエースは、満票で最高殊勲選手に選ばれると、最優秀投手、ベストナインも他の投手に渡さなかった。3つのタイトルを手にし、「素直にうれしい。僕だけの力で取れる賞じゃないので、周りに感謝しながら、もっと頑張ります」と、謙虚に喜びを語った。そして、「来シーズンも受賞できるように頑張りたい」と、さらなる飛躍を誓った。
日米大学野球へ「自分はトータルで戦う投手」
中西投手の次の舞台は、7月8日にエスコンフィールドHOKKAIDOで開幕する日米大学野球選手権だ。侍ジャパン大学日本代表にも初選出されており、プロ入りの夢をかなえるためにも「必要なステップ」と、この大舞台を位置づけている。
メジャーの卵と対戦する可能性もある。「自分はトータルで戦う投手。変化球がどれくらい通用するのか、カウントが悪い時の真っすぐにどういう反応されるのか、注目しながら全力で投げたい」と話し、自身の投球が、どれだけアメリカでも通用するのかを試す絶好の機会としている。
大学ナンバーワン右腕、そう言って良いだろう。ドラフト会議ではドラフト1位指名は確実で、最終的には競合が予想される投手だが、スカウトとしては評価はもう十分で、あとは登板による疲労や故障の心配をするだけだろう。日米大学野球は投手にとって、秋のリーグ戦にはかなりの負担となる。しっかりと乗り切ってドラフト会議を迎えてほしいと思う。
中西聖輝投手 プロフィール
- 氏名:中西 聖輝(なかにし まさき)
- 生年月日:2003年12月18日
- 出身地:奈良県
- 経歴:KGヒーローズ(小1) – 橿原磯城シニア(光陽中) – 智弁和歌山高校 – 青山学院大学(4年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:182cm・90kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速152キロを誇る今秋ドラフト上位候補右腕。2025年東都大学野球春季リーグで最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインの3冠を達成。青山学院大学をリーグ5連覇に導く。2025年大学日本代表に初選出。青学大では2年春にリーグ戦デビューし、3年秋には最優秀投手とベストナインを受賞している。




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