東都大学野球春季リーグでは、昨秋の王者・青山学院大に挑んだ亜細亜大(亜大)は2-10で敗れたものの、オリックス・吉田輝星投手の実弟で、今春金足農(秋田)から入学したばかりのルーキー、吉田大輝投手(1年)が7回に3番手として公式戦初登板。1イニングを1安打無失点に抑える堂々たるデビューを飾った。2月に左膝負傷をしたものの開幕に間に合わせた18歳が、兄が経験しなかった大学野球で名を成す覚悟を示した。
憧れの神宮マウンドも「100点にはほど遠い」
6点ビハインドの7回裏。神宮球場のスピーカーから吉田大輝投手の名がコールされると、スタンドからは期待を込めた拍手が沸き起こった。最初の打者は、今秋ドラフト1位候補の4番・渡部海捕手。注目の対戦は、詰まらせながらも遊撃への内野安打を許す形となった。しかし、ここからの落ち着きを見せた。続く打者を145キロの直球で遊ゴロ併殺に仕留めると、次打者も三直に打ち取り、わずか3人で1イニングを無失点に抑えきった。
吉田投手は、「高校時代から、神宮といえば神宮大会だったり、大学のリーグ戦で、ずっと動画とかで見て憧れていた球場でした。今日マウンドに上がることができて、新鮮な気持ちになりました。まだ全然100点には遠いピッチングでしたが、その中でも調子が悪いなりに工夫して、コントロールでカバーできた(日刊スポーツ)。」と話した。
2月上旬、練習中に左膝の内側側副靱帯を損傷。約1カ月の出遅れを余儀なくされたが、リハビリと調整を続け、開幕戦のベンチ入りに滑り込んだ。正村公弘監督も「投げっぷりがいい。落ち着いていたと思います(スポーツニッポン)」と、そのマウンド度胸と適応能力に太鼓判を押した。
「輝星の弟」と呼ばれた悔しさ、「不退転の決意」
吉田大輝投手の野球人生には、常に兄・輝星投手の存在があった。金足農のエースとして日本中を熱狂させた兄の背中を追い、同じユニフォームを纏って甲子園のマウンドにも立った。しかし、どこへ行っても付いて回るのは「吉田輝星の弟」という代名詞だった。それが、彼にとって最大のエネルギー源となっている。
「今まで兄と同じ道を歩んできて、いつも『吉田輝星の弟の吉田大輝』って言われてきた。『亜大の吉田大輝』と言われるような活躍や振る舞いをして、いつか自分の名前が先に出るような選手になりたい。亜細亜大の吉田大輝と言われるような活躍をして、自分の兄の輝星というように自分が先に名前を出される選手になりたい(中日スポーツ)。」
前日にベンチ入りを告げられた際、真っ先に兄へ報告した。「おめでとう」という祝福に対し、「ライブ配信があるから、見られたら見て(サンケイスポーツ)」と返した。兄への敬意を抱きつつも、兄が経験しなかった大学野球で、新たな道を進んでいる。
申し訳ない言い方かもしれないが、八戸学院大に進学予定だった輝星投手が、ドラフト1位候補として注目され、プロ入りを決断した。プロではリリーフで光を見せたものの、ここまで様々な壁にぶつかっている。もし、大学野球に進んでいたら?というその姿を、弟の大輝投手に重ねてしまう。正村監督の指導の元で、4年後にどのような投手になっていて、そしてプロで兄とどんな戦いをしていくのか注目される。
【吉田 大輝】 プロフィール
- 氏名: 吉田大輝(よしだ・たいき)
- 所属: 亜細亜大学(1年)
- 出身: 秋田県(潟上市立天王中-金足農業高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 178cm、82kg
- 主な特徴や実績: オリックス・吉田輝星投手の実弟。金足農高で2年連続夏の甲子園出場。最速140キロ台後半の直球が武器。2026年春季リーグ開幕戦(青学大戦)で公式戦デビューし、1回無失点。2月の左膝靱帯損傷を乗り越えての復帰。2029年ドラフト候補。











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