【ドラフト2024】サプライズな指名は?

2024年ドラフトニュース

2024年のドラフト会議でも、いくつかサプライズ指名がありました。当日の動きとともに紹介します。

スポンサーリンク

1位のサプライズ指名

埼玉西武・宗山塁選手

1位の1回目の入札でのサプライズは、埼玉西武が外野手の西川史礁選手の予想が多い中で宗山塁選手を指名。源田選手がショートを守る中で宗山選手を指名したことで、二遊間も固定ではないことを知らしめた形になった。

東京ヤクルト・中村優斗投手

またヤクルトは前日のスカウト会議に高津監督が「バッティングがいいから」と1位指名候補について話をしたため、野手指名の可能性もあるとされた他、打撃の良い投手の可能性も考えられたが、フタを開けると大学では打席に立っていない中村優斗投手の1位指名で、予言が全く違うものだった。もう高津監督を信じる記者はいないだろう。

最初の入札はそれほど驚きは無く、予想通り宗山選手、金丸投手、西川選手、中村投手の4人が指名されたが、外れ1位はサプライズがあった。

オリックス外れ1位・麦谷祐介外野手

外野手の西川選手を外したオリックスは、同じ外野手ながら1位候補にはあまり名前が挙がっていなかった富士大の麦谷祐介選手を指名した。外野手の指名にこだわりがあったものと思われる。

横浜DeNA外れ1位・竹田祐投手

また、横浜DeNAも即戦力投手を補強ポイントとしていたが、社会人右腕の竹田祐投手の指名をした。竹田投手については当サイトでも3位指名を予想していたので、DeNAが指名しそうな感じの投手ではあったが、評価が高かった。

阪神外れ1位・伊原陵人投手

阪神が金丸投手の抽選を外して伊原陵人投手もサプライズといえばサプライズで、高校生投手の今朝丸裕喜投手が有力視されたが、即戦力の左腕の獲得にこだわった形となった。しかし今朝丸投手も2位で残っており、結果的に二人を獲得することができた。

巨人外れ1位・石塚裕惺選手

巨人も外れ1位で高校生内野手の石塚裕惺選手を指名、スカウト評価は高かったので予想はできたと思うが、菅野投手の抜ける穴を意識して投手指名で来ると思われた所がある。

2位以下のサプライズ指名

千葉ロッテ2位:宮崎竜成 内 ヤマハ

1位で西川選手を獲得した千葉ロッテは、2位でも内野手を指名、宮崎選手は立命館大時代から俊足強肩で強打も見せる選手で、今年は都市対抗本線でも活躍を見せるなど、評価をされていた選手ではあるが、2位指名は予想できないほど高い評価だった。宮崎選手自身も「正直、上位指名にはびっくり。人生で忘れられない1日になった」と話している。

福岡ソフトバンク3位・庄子雄大 内 神奈川大

サプライズと言えるほどではないが取り上げたい選手。リーグ戦では116安打を放ち、とにかくいろいろな場面で自慢の足をしっかりと使うことができる選手。しかも遊撃手を守っており、足のある二遊間として攻撃のパターンを増やすことができる選手だろう。この庄子選手も侍ジャパン代表候補合宿では、びっくりするほど打撃が不調で全く結果を出せなかった。それでも秋のリーグ戦でその実力を見せて、2位での指名となった。

この選手の良いところは普段の姿から意識が高い。キャッチボールでも捕球した後に素早く持ち変えることを怠らない。そういう姿も2位という高評価につながったのだと思う。横浜高校時代は度会隆輝選手や津田啓史選手と二遊間のポジション争いをしていた。その二人に1年遅れたものの2位という津田選手と同じ順位でプロ入りし、同じ舞台に立つことができる。

横浜DeNA3位・加藤響 内 四国IL徳島

東海大相模から東洋大に進む王道を進んできたが、大学では出場機会がわずかになったこともあり、大学に在籍したままで野球部を退部して徳島インディゴソックスに進んだ。技術とともにハングリーさであふれる中で成長を遂げたが、守備でも打撃でもまだ課題が見えていた。ドラフト3位という評価はやや高いと思うが、将来性を見ての指名と思えば、まだまだ伸びる遊撃手だと思う。

千葉ロッテ3位・一條力真 投 東洋大

持っているポテンシャルは抜群という投手で、体も非常に大きく、投げる球の威力や打者を抑える迫力は十分感じさせる投手だった。ただし、その投球にはややムラが見られ、いつ開花するかと待つような状態で4年秋を迎えた。3位という評価はポテンシャルの評価がかなり高いと思うが、プロで開花すれば間違いなく球界を代表するリリーバーになれる素材だ。ただ、もし開花していたら3位でも指名できたかどうかわからない。そのくらいの投手だと思う。

広島3位・岡本駿 投 甲南大

甲南大初のドラフト指名選手となった。186cmの右腕投手でフォームはしなやかさも感じさせ、力感なく腕を振っても140キロ後半の伸びのある球を投げる。大学では1年秋に登板し完封勝利したあとは今年春の完封勝利まで目立った実績はなかった。春も完封勝利の後は腰痛により離脱、その後、秋のリーグ戦直前のオープン戦などでプロのスカウトが注目したが隠し玉的存在だった。リーグ戦でも評価をされて一気に評価を高め、3位で指名された。

広島では薮田投手が東都リーグで4年間で2試合しか登板がなかったが2014年のドラフト2位で指名されると、2017年には15勝3敗という成績をのこしてあっと言わせた事があるが、岡本投手もそれを狙っての指名だろう。

東北楽天3位・中込陽翔 投 四国IL徳島

忘れたのではないかと思われないように挙げておくがサプライズではない。独立リーグからの上位指名は昨年に経験しており、中込投手も椎葉剛投手ほどではないが、やや変速なフォームから150キロ前後の球を投げ、3位指名はあまり驚かない。

オリックス4位・山中稜真 捕 三菱重工East

山中選手については事前にヤクルトの指名候補として挙がるなど、指名されたというサプライズは無いが、ポジションが捕手ということがサプライズとなった。打撃の良さは光っていたが、ポジションがファーストかDHが多く、外野でも出場をしていた。

ただし青山学院大は途中で限界を感じて外野手に転向する前までは捕手としてプレーしており、打撃専門ではなく、捕手という価値をつけることができる選手として指名をした。

読売4位・石田充冴 投 北星学園大付

巨人が高校生投手を支配下指名したのは2019年に6位で指名した代木大和投手以来、しかも4位という順位での指名はサプライズとなった。石田選手は192cmから149キロの速球を投げ、そのポテンシャルは注目されていた。夏は大会前に足を痛めて思うような投球ができず悔しい敗戦もした。それにより8月に行われたリーガサマーキャンプ2024に参加すると、威力ある球を見せていた。

しかし、その後もプロ入りするか大学に行くか、プロ志望届を提出するかを迷うほど悩んだが、最終的に監督の後押しもあって「挑戦できるチャンスがあるなら挑戦させてもらおうとプロ志望届を書きました」とプロ志望届を提出している。

フタを開けてみると巨人のドラフト4位指名、本人も十分サプライズだっただろう。

阪神5位・佐野大陽 内 日本海富山

中部大出身の俊足の選手、独立リーグではショートの守備とともに、出塁率が高い選手として活躍をしていたが、支配下ドラフトでの指名はサプライズだった。富山GRNサンダーバーズからは初の野手での支配下指名選手となった。

横浜DeNA5位・田内真翔 内 おかやま山陽

田内選手は2年夏の甲子園に出場し、1番サードで準々決勝まで勝ち上がったチームで、主に強い打球でヒットを打つ打撃を見せていた。反面、4試合中3試合でエラーをするなど粗さも見られた。しかし昨秋からショートに転向すると、強い肩を活かしたプレーを見せ、また外野手としても足で活躍できる選手として評価が高まっていた。育成でも指名があるかもという感じだったが、支配下での指名となった。

オリックス6位・片山楽生 投 NTT東日本

オリックスが20分中断した後に指名した選手で、何かあったのかとあらぬ疑いもかけられたが、オリックスが替えての指名をしたことがわかった。

しかし、片山投手は高校卒からNTT東日本に進み、2年目に素晴らしい投球を見せながらもドラフト解禁となる昨年はフォームの見直しから調子を崩して指名漏れとなっていた。今年もどちらかというと高校卒3年目の寺嶋大希投手のほうが良い投球をしていた印象だが、片山投手の方が指名された。個人的に高校時から注目している選手なので、プロで結果を残せるように、まずは社会人2年目までの投球を取り戻したい。

千葉ロッテ6位・立松由宇 内 日本生命

立正大までは捕手としてドラフト候補として注目され、日本生命に入って4年目の今年に指名をされた。内野手と言っても一塁手での出場で、社会人野球ではほぼ常に結果を残し、このまま社会人のレジェンド選手になっていくのかと思っていたが、ここで指名となった。

事前に千葉ロッテ1球団から調査書が届いていたが、指名は本人にもサプライズだった。調査書に記入して提出するときに、「人生を考えた時に昇給が近いというのもありますし、すごく良い施設で野球をやらせていただいているので、好きな野球が続けられるというところに関しては迷う要素になります」と話し、日本生命の戦士として続ける思いもあり、プロ野球という夢からはやや離れつつある25歳の1年間だった。プロ入りについては「人生の1番大事な分岐点だと思うので、自分の素直な気持ちを見つけるまでは、ひたすら考えたいです」と話し、入団するかどうかを保留している。

2024年ドラフト会議指名選手一覧
2024年のドラフト会議は10月24日に行われ、支配下ドラフトが69人、育成ドラフト54人の合計123人が指名されました。
この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

yukiをフォローする
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
シェアする
ドラフト会議ホームページ2024 Draft home page

コメント