桐光学園・松井裕樹投手は149km/h記録も横浜高校が高濱祐仁、浅間大基アベック弾で打ち破る、進路は「わからない」

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 高校野球神奈川大会、名門・横浜高校が桐光学園・松井裕樹投手を打ち破り、「3度目」は許さなかった。

夢は1年前の甲子園のマウンドに残したまま

 昨年の夏の甲子園で1試合22奪三振を記録し、ベスト8まで勝ちあがって全国から注目を集めていた松井裕樹投手はこの日、初回に148km/hを記録し、この視の最速は自己最速の149km/hを記録した。しかし、4回に横浜高校の2年生で来年のドラフト候補・高濱祐仁選手にライナーでバックスクリーンに飛び込むホームランを打たれて同点とされ、1点を勝ち越した7回には打ち取ったフライを内野手がお見合いしてランナーを出すと、同じく来年のドラフト候補・浅間大基選手にライトスタンドへ運ばれた。8回はスライダーで三者三振を奪い意地をみせたが、2-3、ホームラン2本により全国制覇の夢は1年前の甲子園のマウンドに残したまま、高校野球の舞台を降りることになった。

プロの評価は変わらず

 敗戦した松井裕樹投手、プロのスカウトの中では、調子は良くないという情報が伝わっていたが、阪神・中村GM、巨人・原沢GM、横浜DeNA・吉田スカウト部長、東京ヤクルト・鳥原チーフスカウトなど視察した8球団のスカウトからは高評価が伝えられている。

 阪神・中村GMは「本来の調子ではないということはスカウトから聞いていたが、噂に違わぬ好投手。どの球種でも腕を振ってストライクが取れる。魅力のある投手」と話すと、巨人・原沢GMは「1試合の結果で変わるものではない。ドラフト1位候補であることは変わらない。ただ甲子園で投げる姿を見たかった。」と話した。

 またドラフト1位指名を決定している横浜DeNAの吉田スカウト部長も「力の配分がうまい。力を抜いたところを見逃さなかった横浜を褒めるべき」と話し、東京ヤクルト・鳥原チーフスカウトも「最速149キロは、右なら155キロ以上の価値。もちろん1位の評価。何とかウチが指名したい。力があって、こんなに人気がある。ますますいいね」と力がこもっていた。

進路は強情な本人の中に

 進路について松井投手は「今は何も考えられない」と話した。桐光学園・野呂監督は「今日で彼の高校野球人生が終わったので、しっかり話をしてゆきたい」と話した。松井投手は目標をプロ野球としっかりと設定している。その中でどのような選択肢があるかについてもおそらく決めているだろう。各紙でプロ入りの可能性が高いと報じているが、昨年の大谷翔平選手よりも意見を曲げなさそうな強情そうな選手なので、自分の決めているものを曲げる事はなさそうだ。

 個人的には今がプロに入るタイミングとして十分だと思うし、プロ入りしてまた成長していく選手だと思っている。桐光学園は1年生と3年生がタメ語で話す環境があり、松井投手もその環境を好んでいた。社会に出てそれが許容される場面は少なくなっていくだろうが、イチロー選手のオリックス時代を見ると、プロ野球は実力で上下関係を打ち破ることができる世界なのだと思う。

横浜高校が名門の意地、対桐光学園・3連敗は許さず

 一方横浜高校は松井投手と5度対戦している。2011年の夏は決勝で横浜高校が2-1で勝利、秋も勝利している。しかし、2012年の夏は準々決勝で甲子園を阻まれ、今春も4回戦で対戦し敗れた。対桐光学園3連敗は名門・横浜高校は許さなかった。ここに神奈川県の高校野球の凄さがある。ホームランを放った高濱祐仁選手、浅間大基選手、左腕の伊藤将司投手と2年生トリオが力見せた。桐光学園・松井投手に集中していたドラフトの視線は、来年は横浜高校や東海大相模へ再び戻ることになりそうだ。

  あふれる涙を何度も拭った。1点を追う9回2死。最後の打者が左飛に倒れる。「つないでほしい」と祈りながら、松井はマウンドではなく、ネクストバッターズサークルで高校生活最後の時を迎えた。ドクターKの夏が終わった。

 「入学してから、ずっとこの3年の夏を目指してやってきた。それが終わってしまったことが悔しい」。真っ赤に染めた瞳を手で覆い、必死に言葉を絞り出した。

 たった2球の失投だった。1点リードで迎えた4回。先頭の4番・高浜祐仁遊撃手(2年)への初球だ。右打者への切り札としてマスターしたチェンジアップが「甘く入った」。強振された打球はバックスクリーンへ。一瞬、表情が固まった。

 そして7回。今度は1点を勝ち越した直後の7回先頭。打ち上がったフライを一、二塁手がお見合いし内野安打に。「切り替えていこう」と前を向いたが、1死一塁で2番・浅間大基中堅手(2年)への直球がやや中に入り、右翼スタンドへ運ばれた。逆転2ラン。ハマスタに詰めかけた2万5000人の歓声と悲鳴が交錯する中、松井は、ただぼう然と打球の行方を見つめた。

  今後の進路だが、松井は「今は、まだ何も考えていません」と繰り返した。野呂雅之監督も「終わったばかりですから、もう少し時間を置いて、落ち着いてから考えること」と説明。ただ、現状ではプロ入りが濃厚だ。

 この日も地元のDeNAら国内8球団が、ネット裏を訪れた。巨人の原沢球団代表兼GMは、前回22日の横浜商大高戦に続く視察。「甲子園でも見たかったけどね」と残念そうだったが「評価は1試合の結果でなく、積み重ねで判断する。1位候補であることに変わりはない」と語った。

 「どの球種も腕を振って投げてるし、度胸や負けん気の強さもしぐさに出ていた。(敗れたが評価は)関係ない」と阪神の中村GM。中日の中田スカウト部長も「松井くんクラスになれば(県大会での敗退は)全く関係ない。いの一番でいかないと取れないでしょう」と明かした。

 一方で、複数の大学からも水面下で勧誘を受けている。同校が県内有数の進学校でもあり、直接プロに進んだ選手がいないという側面もある。

号泣終戦…桐光・松井、プロ「わからない」/神奈川  - サンケイスポーツ報知:2013/7/26

 だが、夢は幻に…。注目されるのは進路だ。この日も約1万6000人の観衆の中、ネット裏には巨人・原沢球団代表兼GM、阪神・中村GMら6球団のスカウト、関係者が視察に訪れた。ヤクルト・鳥原チーフスカウトは「最速149キロは、右(投手)なら155キロ以上の価値。もちろん1位の評価。何とかウチが指名したい。力があって、こんなに人気がある。ますますいいね」と敗れてもなお、評価は上昇の一途だ。

 春夏甲子園で5度の優勝を誇る横浜との対戦。昨夏の県大会準々決勝で倒した強豪だった。雪辱に燃える相手に対し、球速は自己最速を2キロ更新する149キロを計測。1点ビハインドの8回には3者連続三振を奪い、意地を見せた。今大会3試合目で初の2桁10奪三振。打っても8回に先頭で中前に運び、中堅手が後逸する間に三塁へ。足をもつれさせながら激走したが、同点のホームを踏むことはできなかった。

 「(調子は)悪くなかったけど、勝たなければ意味がないです」。神奈川県内の高校が「松井包囲網」を敷く中で迎えた大会だった。「見えないプレッシャーもあった」と野呂雅之監督。松井の最大の武器はスライダーだ。縦に落とし、低めのボールゾーンで空振りを奪う。だが、横浜に見極められる場面が目立った。松井もチェンジアップを習得して投球の幅を広げていたが、高浜に一発を浴びたように精度はまだ低い。直球に頼り、球威が落ちた7回、浅間に完璧に捉えられた。

 今後の進路については「何も考えられない」とだけ語った。ただ5月中旬の春の県大会後に両親を交えて野呂監督と進路に関する面談を行い「高いレベルの場所で野球を続けたい」と話していた。メジャーも注目する逸材だが、関係者によれば「国内プロ野球への思いが強い」という。国内プロ志望を正式表明すれば、95年ドラフトで高校生としては史上最多の7球団から指名を 受けた福留(PL学園、現阪神)を上回る8球団以上の競合になる可能性もある。松井の夏は終わった。だがドラフトへ向け、各球団の獲得合戦はこれから始まる。

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