明治神宮大会準決勝で大阪桐蔭のエース・高山優希投手が9回から登板し、150キロを記録した。左腕の覚醒に視察したプロのスカウトも驚きのコメントをしている。
いつものフォームを捨てて
高山優希投手は大阪桐蔭のエースで180cmの左腕投手。先発してきれいなフォームから投げられる140キロ前半の速球が持ち味の投手だった。しかしこの回は1点ビハインドの9回から登板すると、投げるたびに帽子が飛び、雄たけびを上げるような熱のこもったピッチングで常時147キロ前後を記録、11球すべてストレートで3人から2奪三振、最後の打者の最後の球は150キロを記録した。
高山投手は「控え4投手がバトンをつないでくれた。気持ちが入った。フォームとかを意識せず自然と力が入った」と話し、150キロを記録したことについて、「そんなに出てるとは思わなかった。自分の中でも変わった。心の変化かなと思う。」と話した。大阪桐蔭の西谷監督も「ぐっとスイッチが入ったらああいう投球ができる。あのボールを全部投げられるようになってほしい。」と話した。高山投手も「今日のピッチングに近づけられるように」と話した。
スカウトも驚き
高山投手も150キロのピッチングに視察をしているプロ野球各球団のスカウトも驚きのコメントを見せている。
○広島:苑田スカウト部長「初めて見たけど、こんな投手が出てくるとは。バランスもいいしフィニッシュにも力が伝わってくる。
○阪神:畑山スカウト:「これが一冬越してコンスタントに出せるようになると期待できる」
○中日・米村スカウト:「もともと力があるし伸びしろも十分。ドラフト1位もある」
○横浜DeNA・欠端スカウトグループリーダー「左で150キロ? プロでも最近見ていない。すごい投手が出てきた」
大阪桐蔭では左では辻内崇伸投手が150キロを記録し2005年に巨人にドラフト1位で指名されている。また高校生左腕では今年のドラフト会議で東海大相模の小笠原慎之介投手が中日にドラフト1位で指名された。
これまで最速145キロだった高山投手が一気に評価を上げた。全力投球ではコントロールはアバウトながらも高めに浮くこともなくコンスタントに低めに来ていた。まだ下半身も細く土台ができてくれば、先発して常時この球を投げられるようになれば、田中正義ドラフトの来年でも1位に入ってくるかもしれない。
広島・苑田スカウト統括部長は「バランスがいいし、ウチの佐々岡(2軍投手コーチ)を左にした感じ。まだまだ伸びる」と証言。DeNA・欠端スカウトグループリーダーは「左で150キロ? プロでも最近見ていない。すごい投手が出てきた」と驚いた。
1点を追う9回から登板。「1点でも取られたら試合がつぶれる。力がみなぎった」と11球すべて直球で、打者3人で2三振を奪った。阪神の畑山俊二スカウトは「さらに覚醒する可能性を秘めている」と評価した。試合は追い上げも及ばず、西谷浩一監督は「うちが雑な野球をした。すべてにおいて力不足」と分析した。
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