イチロー選手が智弁和歌山で3日間、指導を行い、来年のドラフト上位候補として注目される徳丸天晴選手や、北海道日本ハムにドラフト4位で指名された細川凌平選手などが指導を受けた。
徳丸選手は同じライトで
来年のドラフト上位候補スラッガーの徳丸天晴選手は、イチロー選手と同じライトのポジションということで、キャッチボールの相手となった。「やっぱり、初めて見たときはすごいオーラがあって、ただすごいのひと言で、そのなかで技術だったり、いろいろな質問をして、いろいろ学べることができてとても良かったです」と話す。
近い所にいた世紀を代表する野球選手に、いろいろな質問をした。そして、「そのなかでイチローさんに教えてもらったことをやって、それで、いいねということを言ってもらったので、それはうれしかったです。肩甲骨の使い方であったり、上体の使い方を主に教えていただいた。それを意識して、自分のなかでも変わったので良かったです」と話し、収穫を得たと話した。
特に、「やっぱり、精神的な話。イチローさんはいろんな経験をされてきて、その経験を教えてもらった。とても自分のなかで勉強になりました。来年が最後の年になるので、この機会をいただいて、これを生かすのも、これからの取り組みだと思うので、しっかり春、夏、チームを勝たせられる選手になっていきたい」と話す。気持ちの持ち方一つでも結果は変わってくる。イチロー選手は「打席に入ってリリースばかり見てると体が固くなる。リラックスするために全体を見て打席に立つ」と話した。イチロー選手の打席前のルーチンにもいろいろな意味が含まれている。
また、3年生で今年のドラフト会議で北海道日本ハムにドラフト4位で指名された細川凌平選手は、同じ1番バッタータイプの選手としてイチロー選手に憧れており、近くから様々なアドバイスを貰った。そして、「使ってみたら」とイチロー選手のバットをプレゼントされ、「夢のよう。本当に幸せで、学ぶことしかない時間でした。今までのバットで一番感触が良かった」と話した。
その存在に触れるだけで自分の能力が高まった感覚になる人がいる。イチロー選手もそういう存在だろう。3日間では技術的な点でアドバイスを貰い、それを腹落ちさせるのは短いが、かけられた一つ一つの言葉は、強く脳に残っているのは間違いなく、それがこれからの人生で、いろいろな場面でフラッシュバックしてくるはず。それは必ずその人を変えてくれるものになる。
選手は夢のような時間を過ごし、魔法にかけられたような状態になっているだろう。しばらくはその魔法にかかったまま、高いモチベーションと精神力で練習やトレーニングをして行けばいい。
イチロー選手も、自分の言葉で選手が魔法にかかってしまうことがわかっている。その怖さも知っているので、具体的な技術などは話さず、自分の打撃を目の前で見せて感じてもらうことを優先した。アドバイスも体の使い方の部分や精神的な部分などに限っていたようだった。指導者としても一流だと感じた。
「やっぱり、初めて見たときはすごいオーラがあって、ただすごいのひと言で、そのなかで技術だったり、いろいろな質問をして、いろいろ学べることができてとても良かったです」ポジションもイチローさんと同じ右翼だけに、練習中に語る教えをひと言も聞き漏らさないとばかりに頭に刻み込んだ。「言葉一つひとつ、一つって絞りにくいところがあって、何かイチローさんが発した言葉一つひとつが心に残るというか、そういうイチローさんの発言ひとつに重みがありましたね」
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