春季高校野球岩手大会の準決勝が行われ、花巻東が盛岡四と対戦した。佐々木麟太郎選手は新しいきたぎんボールパークのバックスクリーンに推定130m弾を打ち込んだ。
130号ホームラン
13日の沖縄での招待試合で背中を痛め、今大会もここまで出場を控えていた佐々木麟太郎選手、医師の診断は「筋の断裂だと思います」と重症だったという。それでもこの日、医師から打撃最下位の許可が出ると、試合前に約10分の打撃練習を行い、「出発前までスタメンで使うか使わないか悩んでいた」と佐々木監督が出場を決断して3番ファーストで出場した。
この日は初回ノーアウト1,2塁の場面で先制のレフト前ヒットを打つと、2回1アウト1,2塁の場面では外角のチェンジアップを捉えて、打球はバックスクリーンに飛び込んだ。推定飛距離130mの特大弾だった。
「しっかり対応できたんじゃないかなと思います。しばらくバットを振っていなかったですけど、しっかりゲームまでに準備できたことはよかった」と話す。佐々木監督も「体にうまく巻き付けながら打ったと思う」と、佐々木麟太郎選手の特徴でもある体に巻き付くようなバットの使い方ができていると評価した。
これで高校通算は130号となった。高校BIG3の筆頭格としてその存在感は際立っている。ドラフト会議に向けても北海道日本ハム、埼玉西武がドラフト1位候補にリストアップをしており、MLBのスカウトも注目をする。
ただし、高校3年間は故障も多く、1年時は左足の疲労骨折や胸郭出口症候群、2年夏に左手人差し指の骨折で手術を行い、3年時はこれまでかかとの痛みや今回の背中の筋の断裂となった。大きな体でトレーニングも行っていると思うが、自らのパワーとスイングに体が耐えきれていないような感じもする。
プロではホームランを打てるパワーも必要だが、1年間を主軸で打てる事が、最も求められることだと思う。パワーと体とのバランスを取って、1年間コンスタントに活躍できるようになるような所を、見つけることができるかが、上のステージに行ってからの課題となり、スカウトもその点を見定めようとしている所かもしれない。
広島のスカウト会議では、佐々木麟太郎選手について「パリーグ向け」という評価も出た。ファーストが主なポジションという事で、起用の選択肢が狭まっているという評価もあるようだ。佐々木選手もそれを見越してサードの練習もしていたが、この故障でそれも難しくなったと思う。ただし、それを踏まえても、これだけの打撃をできる選手はそうそう見られるものではなく、ドラフト1位で競合するレベルであることは間違いないと思う。
今秋のドラフトに向け、既に西武や日本ハムが1位候補にリストアップし、大リーグのスカウトも視察する大砲。この日のバックスクリーン弾のように、中堅から逆方向に飛ばせるのが最大の魅力だ。
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