阪神ドラフト1位・横山雄哉投手が3回8奪三振完全リリーフで侍ジャパン逆転勝利

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 IBAF 21Uワールドカップが開幕した。プロ野球の21歳以下選手の他、社会人、大学も加わる侍ジャパン21U代表は、オーストラリアと対戦し、一時は6-7と逆転され苦しんだものの、6回から登板した阪神ドラフト1位・横山雄哉投手が3回8奪三振パーフェクトのリリーフを見せて流れを呼び、大逆転勝利で初戦に勝利をつかんだ。

メジャースカウトも絶賛の投球

 多くのメジャースカウトも視察に訪れていたこの試合で、横山雄哉投手は抜群の腕の振りから最速147km/hの速球で、打者9人から8つの三振を奪った。オリオールズのスカウトは「阪神はベリーハッピーだね。スターになれる素質がある」と話すと、レンジャーズのスカウトも「カットボール気味のストレート、変化球が曲がるのが遅い。今日みたいなコントロールとキレがあれば1年目から活躍できる」と評価した。
 さらにアスレチックスのスカウトも「なぜ去年も1位じゃなかったんだ?ファストボールもいいし、緩急の差が大きい」と話した。日本のドラフト制度では昨年には指名出来ないのだが、それだけ評価が高かった。

 横山投手は高めに浮くストレートが特徴で、都市対抗ではこの球で打者5人から5三振を奪って評価を高めた。プロでこの高めの球が通用するか、打者が見逃さないかがポイントとなりそうだが、この日の腕の振りや小さな変化球の動きを見ていると、振らざるを得ない状況を作り出している。

 さらにフォームも右足を着くタイミングと腕の振りのタイミングに少しの間があり、そこから体を大きく前に倒して腕を振り切る。以前、大洋、横浜ベイスターズで左のエースとして年間17勝で最多勝にもなった事のある野村弘樹投手を思わせる。この投球を来年も、そして1年間通して出来れば、15勝以上はできるかもしれない。

 

北條史也選手が力発揮

 またこの日は守備や走塁でミスも目立ったものの、打線が活発に働いた。初回に福岡ソフトバンクの牧原大成選手が2ベースヒットで出塁し、打撃で注目される広島の鈴木誠也選手、4番の北海道日本ハム・近藤健介選手、5番の東北楽天・榎本葵選手が3連打で加点し、さらに7番の北條史也選手がレフトに2ベースヒットで1回に5点を奪った。

 その後8回までに追加点は1点しか取れなかったものの、9回には北條史也選手がライトに流し打って外野手の頭を越す2ベースヒットで加点し、その後もタイムリーが続いて3点を奪った。

 2012年の甲子園で4本塁打を放った北條選手、センター方向や逆方向にも伸びる打球を放つ選手だったが、その力を見せた。この日はセカンドを守った北條選手、長打力のあるセカンド・ショートというのは非常に魅力がある。

 

アマチュア選手、投手は活躍、打者は苦しむ

 侍ジャパン21U代表、アマチュア選手は7人が出場している。この日は投手では2番手でリリーフとして期待されていた山岡泰輔投手(東京ガス)が先発の中村勝投手が押し出しなどで逆転をされた4回2アウトから登板すると、3球三振で追加点を与えなかった。

 しかし5回、2アウトから四球と2本のヒットで1点を失った。ストレートの球速が140km/h前半が多く、得意の鋭いスライダーを見逃されて苦しんだ。

 また9回には中日のドラフト1位・野村亮介投手(三菱日立パワーシステムズ横浜)が登板すると、140km/h前半のストレートでカウントを獲り、先頭打者はカーブで見逃し三振、最後の打者はフォークで空振り三振と持ち味を発揮した。腕をコンパクトに振って制球を重視しているが、プロではもっとダイナミックな投球も見たい選手。

 打者では法政大の畔上翔選手が9番DHで先発出場し、終盤に国学院大の柴田竜拓選手、東洋大の笹川晃平選手が代打で登場したもののヒットは出なかった。

 学年で言うと北條選手や鈴木選手と笹川選手が同学年、畔上選手、柴田選手は1つ上となるが、プロに入った選手とは成長に差があるようにも感じられた。これをきっかけに3人の大学生打者が差がついた事を感じて、来年以降急成長してくれれば今大会の意義にさらに価値が高まる。

 

 3回を完全投球で8奪三振。プロで12勝を挙げている先発・中村(日本ハム)から6点を奪った打線を、力でねじ伏せた。情報収集で視察したメジャーの各スカウトも身を乗り出していた。オリオールズのスカウトは「阪神はベリーハッピーだね。スターになれるよ」。幾多の名選手を見てきたスカウトをも興奮させる41球だった。

 衝撃世界デビューだ。横山は最速146キロの速球と鋭い変化球で次々に三振の山を築いた。6―7の6回から救援し、3者三振に斬ると、8回まで投げて打者9人から5連続を含む8奪三振。唯一、前に飛んだ打球は7回先頭打者の力ない二ゴロだった。

 「2ストライクになったら三振を取れる自信はありましたね。直球が、ボール1個分低めから伸びていく感じはあった。球の質が良かった」

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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