JABA東京スポニチ大会は予選リーグの最終盤を迎え、10日には大田スタジアムでセガサミー(東京都)が西部ガス(福岡市)と対戦した。この試合では、今季立教大学から加入した期待のルーキー右腕、吉野蓮投手(22)が、雪まじりの雨が降り、試合が一時中断されるほどの極寒という過酷なコンディションのなか、1点リードの6回から2番手として登板。2イニングを無失点に抑える堂々たる公式戦デビューを飾り、即戦力としての実力を遺憾なく発揮した。
雪まじりの雨のなかで2併殺、151キロ右腕が見せた修正力とマウンド捌き
マウンドに上がった吉野蓮投手にとって、この日はまさに試練のデビュー戦となった。3月とは思えないほどの冷え込みに加え、中断を挟む難しい調整を強いられたが、最速151キロを誇る右腕は冷静だった。登板した6回、7回といずれも先頭打者に安打を許す苦しい立ち上がりとなったが、威力ある直球を低めに丁寧に集め、決定打を許さない。結果として、2イニング連続で併殺打に仕留めるという、バックを盛り立てる巧みな投球で西部ガス打線の追撃を断ち切った。
「真っすぐの感覚も悪い感じはしなかった(中日スポーツ)。」と振り返る通り、寒さで指先の感覚を保つのが難しい状況にありながらも、自身の武器であるストレートをコントロールしきった。宮城・仙台育英高時代には甲子園のマウンドも経験し、立大では東京六大学リーグで登板をしたものの、なかなかその壁は高く、4年間でリリーフとして49試合に登板し、3勝3敗という成績だった。
社会人に進み、初陣を無失点で切り抜けた吉野蓮選手は、「元気はつらつにフレッシュに投げていきたい(スポーツニッポン)。」と、新人らしい爽やかな笑顔を見せた。
社会人野球のレベルを「楽しい」と表現、大学時代との差を糧にさらなる進化へ
吉野蓮投手にとって、社会人野球の第一歩は「驚き」と「喜び」が混ざり合うものとなった。実戦で対峙した社会人の打者は、大学時代とは明らかに異なっていたという。「大学なら空振りを取れていたところで空振りが取れない(中日スポーツ)。」と、対戦する打者の技術の高さを肌で感じ取った。しかし、「自分の技術をもっと磨かないといけないと思えるのが楽しい(中日スポーツ)。」と語り、さらなる成長を目指す姿を見せた。
投手としてのポテンシャルは折り紙付きだ。仙台育英時代からドラフト候補として名前が上がることもあったが、プロ注目という肩書きに甘んじることなく、一段上のレベルでの苦戦すらも「楽しい」と表現できる精神的な余裕とハングリー精神は、今後の成長を予感させる。そして、「これから都市対抗予選もあるので仕上げていきたい(中日スポーツ)。」と、早くもチームの悲願である黒獅子旗獲得に向けた戦いを見据えた。
佐藤俊和新監督の初陣、新加入の投手陣がもたらすセガサミーの新たな風
今季からセガサミーを率いるのは、佐藤俊和新監督だ。初陣となった今大会では、リーグ戦を2勝1敗という勝ち越しで終えたものの、惜しくも決勝トーナメント進出は逃す形となった。指揮官は「勉強になりましたし、大会に出場することができて良かったです(スポーツニッポン)。」と謙虚に語りつつ、確かな手応えも感じている様子だ。特に、吉野蓮選手を含めた新加入の4投手がこの大会でデビューを果たしたことは、今後の長いシーズンを戦ううえで大きな収穫となった。
吉野蓮投手のほかにも、中村匡伸投手(日本経大)や山口謙作投手(中大)といった有力なルーキーたちが登板させ、チーム内の競争を激しくしていく。吉野蓮選手がこのデビュー戦で見せた粘り強い投球は、佐藤新監督にとっても大きな信頼の証となったはずだ。151キロ右腕の輝きは、セガサミーの新たな時代の幕開けを予感させるに十分なものだった。
【吉野 蓮】 プロフィール
- 氏名: 吉野蓮(よしの・れん)
- 所属: セガサミー(新人・1年目)
- 出身: 宮城県(仙台育英高校-立教大学卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 178cm、84kg
- 主な特徴や実績: 最速151キロを誇る本格派右腕。仙台育英高時代に甲子園出場、立大では東京六大学リーグで活躍。社会人デビュー戦で極寒のなか2回無失点と好投し、併殺を奪う卓越したマウンド捌きを見せた即戦力の期待株。










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