「戦国東都」と称される東都大学野球春季リーグが7日に幕を開ける。史上初の7連覇を狙う青山学院大に対し、王座奪還を狙う亜細亜大(亜大)は、投打に渡るラストイヤーの逸材がチームを牽引する。身長174センチと小柄ながら圧倒的な守備力と野球センスを誇る新主将、山里宝内野手(4年=神戸国際大付)と、怪我に泣かされ続けた3年間を経て、ついに151キロの剛腕を復活させた辻田旭輝投手(4年=クラーク記念国際)が、出陣に向けた準備を整えた。
26試合連続無失策の守備職人、山里宝が目指す「野球IQ」での勝負
「守りが上手で、体の割に打撃に力がある。」というのがNPBスカウト陣からの評価だ。山里宝選手は、神戸国際大付時代にショートの守備の良さと巧みな打撃にプロも注目していたが、名門・亜大では体もがっしりとして長打も見せるようになり、そして二塁手としてリーグ戦全試合に出場し、26試合連続無失策を続けている。そして今春からは遊撃手に転向し、さらなる高みを目指している。
昨秋は打率1割4分と低迷したが、冬の間に打撃フォームを根本から見直した。「詰まったり泳いだりした時にでも、ヒットになる確率を上げたい」と考え、軸を右足から右肩に置く意識を身体に叩き込んだ結果、オープン戦では1試合に5安打を記録する試合も見せるなど、確実性が向上している。そして、「打球の予測には自信があります。守備も打撃も野球IQで勝負したい(スポーツ報知)。」と話し、頭を使ったプレーをアピールしたい。
亜細亜大からは、矢野雅哉(広島)や田中幹也(中日)といった、高い守備力やスピードなどの一芸を武器にプロへ羽ばたいた偉大な先輩がおり、山里選手もその姿を追う。開幕戦では、今秋ドラフト1位候補の青山学院大・鈴木泰成投手との対戦が予想されるが、主将としてチームを勝利に導き、自らの評価も「プロ」へと引き上げるための活躍を見せたい。
右肘手術を乗り越えた「道産子右腕」。辻田旭輝、父との約束と「雲外蒼天」の決意
亜細亜大は、プロ注目捕手・前嶋藍選手を中心に、井上悠投手、川尻啓人投手など出力を備えた投手陣がいるが、静かに闘志を燃やすのは、最速151キロを誇る本格派右腕、辻田旭輝投手だ。高校時代、クラーク記念国際(北海道)のエースとしてセンバツに出場し、11奪三振の熱投を見せた大器。しかし、大学進学後は右肘の故障に苦しみ、2年時には手術を経験。「そこから1年ぐらいはほとんどできませんでした(スポーツ報知)」と振り返る孤独なリハビリ期間を過ごした。
心が折れそうな時期もあったが、工務店を営み、自らも怪我で野球を断念した経験を持つ父・拓也さんからの「野球は続けろよ」という言葉をかけ、そして、広島へ進んだ1学年上の先輩・斉藤汰直投手から伝授されたトレーニングとフォークが、覚醒のきっかけとなった。オープン戦では16イニングを投げ、直球に加えてフォークが冴え渡るなど、復調への確かな手応えを掴んでいる。
辻田投手は「(プロ入りする人は)すごいなと感じました。登板回数を増やすことが目標(スポーツ報知)。」と話し、社会人野球やプロの世界を見据え、大学生活最後のマウンドで自らの価値を証明する。
【山里 宝】 プロフィール
- 氏名: 山里宝(やまさと・たから)
- 所属: 亜細亜大学(4年・主将)
- 出身: 兵庫県(神戸国際大付高卒)
- ポジション: 内野手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 174cm、78kg
- 主な特徴や実績: 小柄ながら26試合連続無失策を記録した守備の名手。3年春に二塁手のベストナイン。高い野球IQと身体能力を併せ持ち、プロのスカウトからも注目される存在。
【辻田 旭輝】 プロフィール
- 氏名: 辻田旭輝(つじた・あさひ)
- 所属: 亜細亜大学(4年)
- 出身: 北海道(クラーク記念国際高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 183cm、90kg
- 主な特徴や実績: 最速151キロの本格派右腕。高校時代の2022年センバツで11奪三振を記録。大学時代の右肘手術を乗り越え、広島ドラフト2位の斉藤汰直から学んだ技術で復活を目指す。










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